わからん殺し
いっぽうてきなぎゃくさつ
わからん殺しとは、以下のパターンで使用されることが多い言葉である。
- 人に向けて…「相手が知らないテクニックを徹底的に駆使して倒す」試合運び
- キャラクターに向けて…「覚える技や連携が非常に多いキャラクターの戦い方」
初見殺しに比べ、こちらは対人戦で使用されることが多く、共通するのは「最初はきつかったけど慣れるとそうでもない」という点くらい(詳しくは後述)。
また、人に向けては初心者に使われる場合と上級者で使用される場合で意味合いが異なってくる言葉でもあり、前者は「仕掛けた相手に対するアンチ」、後者は「仕掛けられた相手に対するアンチ、もしくはハイレベルな試合でわからん殺しで勝った人への賞賛」という意味合いが強い。
人に向けて…初心者の場合
対戦格闘ゲームは、基本的に
- 使うキャラクターを決める
- そのキャラで戦うにはどうするか(確反、スカ確、コマンド入力などを練習)を突き詰める
- 勝てない相手の挙動や強み、弱みを分析し、それに対する対応を高める
という一連のスパイラルで楽しむゲームジャンルである。
しかし、駆け出しの初心者の場合、「そもそも自分のキャラクターを動かすことも難儀している」「技を出してるだけでも楽しいというレベルだったりする」ような人が殆どであり、極端な話、「自分のキャラクターの挙動に一喜一憂していて、相手のことを見ていない(≒試合する気が殆どない)」なんて人も多いわけである。
そこに、多少連携を覚えて一方的にサンドバッグにできるような相手が来た場合、初心者は何をしたらいいのかもわからず、自分の好きなキャラクターがボコボコにされて「このゲームつまんない!」となってしまう。下手すればそこでゲームを止めてしまうかも知れない。
このような「競技人口を減らす」「ゲームに対するイメージを悪くする」「メーカーの今後の売り上げを下げる」「単純に見てて不愉快」という理由から、所謂「初心者狩り」に近いニュアンスで使用される。
人に向けて…上級者の場合
※ここで言う上級者とは「インターネットやゲームセンターである程度名が知れる程強い人物」ということを前提とする。
逆に上級者は主要なキャラ対策はほぼできており、コマンドミスや間合いの失敗といったヒューマンエラー以外で失敗しない。
後述するが、わからん殺しを主体とするキャラクターは、逆を返せば「わかっちゃえば終了」であり、その後の攻めが途轍もなく厳しくなる。
つまり、わからん殺しを主体とするキャラクターは相手の力量に極端に左右される。
そんなキャラクターを使いながら上級者に勝てる程練度を積んだ者には惜しみない賞賛が送られ、逆に負けた場合には競技人生中ずっとイジられるという事態になるのである。
キャラクターの場合
主に3つの意味で使われる。
これらのキャラクターは共通して「引き出しは多いが強い技は限られていて、要所の対策を覚えておけばいい」「覚えることが多い上に出会う確率も低い」「そもそも人間じゃどうしようもない」等の理由から対策を後回しにされがちであり、いざ対戦しても低ランク帯だと実力が拮抗しない(相手が強みを出す前に無理やり突破できる)ことが多く、悪い言い方をするならば「対戦する前からナメられている」ことが多い。
ただ、一定のランクレベル以上に屯しているプレイヤーからすれば、こういったナメきった連中はカモ中のカモであり、膨大な引出しを開け閉めして相手を蹂躙できるのである。
基本的にこういったキャラクターは弱キャラであることが多く(そうしないとバランスがぶっ壊れる可能性があるため)正しく「愛の成せる業」である。
・キング…技数世界一でギネス記録に載った。性能は強め。
・ザトー…一人で2キャラを操らなきゃいけない鬼畜キャラ。使いこなせれば最強だが低体力低気絶値のため、一つのミスで死ねる。
・エル・フォルテ…ひたすらに起き攻めでの事故を狙うキャラ。低火力低体力で、「動いてないと死ぬ」とまで言われる。
初見殺し…こちらは主にNPCに対して使用される。主に「対戦に入った瞬間に大デバフ、大ダメージ」や「特定の行動を行うと即死or大ダメージ」なんかが挙げられる。