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マルチエンディング

まるちえんでぃんぐ

マルチエンディング(Multi Ending)とはゲーム用語で複数のエンディングを持つゲームのことである。
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概要編集

マルチエンドと呼ばれることもある。基本的にはゲームオーバーバッドエンドを除いたエンディングが複数存在するゲームのことを指す。恋愛シミュレーションゲームなどでは昔から複数のヒロインが存在する=マルチエンディングと考えられるため、80年代には既に登場していたが、ロールプレイングゲームなどでマルチエンディングが登場したのは90年代に入ってからであると言って良いだろう。


変化のパターン編集

また、マルチエンディングのパターンも様々であり、

  • 主人公と仲間などの友好関係によって、エンディング後の人間関係が変化
  • 主人公達の行動(アイテムの獲得や特定の選択肢を選ぶなど)によって物語の顛末そのものが変化

の2つに大きく分類する事が出来る。


前者の場合、大まかなストーリーその物はどのエンディングであっても変わらないことが多く、主としては主人公とヒロインなどの後日談に影響を及ぼす程度である事が多い。一方の後者の場合は、ストーリーその物が変化し、場合によってはトゥルーエンド(トゥルーエンディング)やグッドエンド(グッドエンディング)、バッドエンド(バッドエンディング)などに分岐する場合もある。この場合は、比較的普通のエンディングはノーマルエンド(ノーマルエンディング)と呼ばれる場合が多い。が、中にはマルチバッドエンディングとなっている罠も稀に存在する。

こうしたEDが複数ある作品のアニメ化や続編といったメディアミックスではどのエンドを採用するかは公開されるまでわからない事が多い(ルート1つに限っても、EDが複数ある事例も少なくない為)。


恋愛シミュレーションで多いのは前者のパターンであり、ノベルゲームなどで多いのは後者のパターンである。RPG等では前者のパターンも後者のパターンも存在する。


ちなみにレースゲームである峠MAXの1シリーズ『峠MAX G』のストーリーモードでもマルチエンディングは採用されているがこちらはルートだけでなく難易度にも影響する(特に序盤は選択肢のみならずレースの勝敗でも分岐)。


また、トゥルー/グッド/ノーマルの3つで呼び表さず、ルート名や行動などでエンディングを呼び表すケースもある(公式や非公式を問わない)。

  • 例1:真・女神転生シリーズの場合
    • このゲームの世界観においては思想に合わせたLaw(秩序、ルールを重視するがそれが人間にとって良い事とは限らない)、Chaos(混沌、悪行を含めた「自由」を重視)、Neutral(中立、どっちつかずとも解釈できる)の3属性が存在し、それぞれに対応したEDが用意されている。
    • デジモンサヴァイブ』も主に属性に応じたルートごとにEDが用意されているパターンである。
  • 例2:皆殺しエンド
    • 真・女神転生ⅣFINAL』や『かまいたちの夜』などで採用されているエンド。主人公の意志で関係者や敵対者などを皆殺しにするというエンドで、作品によってバッドエンドだったりと解釈が全く異なる。

ストーリーモードがある格闘ゲームにもマルチエンディングシステムが存在する場合があり、これはストーリーの基本設定はそのままに選んだキャラクターによってエンディングが決まるというもの。

例を挙げると『Fate/unlimitedcodes』や『CAPCOMv.s.SNK』などが該当する。


物語の途中ではなく、最終決戦のギリギリになってからエンディングを選択できる場合もあり、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の「灯火の星」の場合は最終決戦でどの敵陣営を倒すかで分岐する。


マルチエンディングの踏破編集

元々、マルチエンディングが存在するゲームでは、複数のエンディングが存在するという性質上、周回プレイが前提となることが多い。恋愛シミュレーションであれば最低でもヒロインの人数だけはプレイ回数を想定するだろうし、ノベルゲームなどであれば、選択肢によって運命を複数用意するというのは常套手段であると言える。


しかしながら、RPGなどのように一回のプレイに相当時間が要求されるゲームの場合、マルチエンディングというのは必ずしも喜ばれるとは限らない。抑も、一回ゲームクリアするのに数十時間かかるゲームも多いジャンルであるため、もう一回クリアしようと思うと相当量の労力が必要となり、マルチエンディングの条件次第では途中のセーブデータからやり直してエンディングを見る方が楽と言われる場合も少なくない。


その一方で、マルチエンディングを採用するRPGなどの場合には強くてニューゲーム等が採用されており、周回プレイが快適になっている場合もある。


また、作品によっては全てのエンディングに辿り着くか周回プレイをしなければトゥルーエンド・真のエンディングもしくはそれらにつながる最終シナリオ(最終シナリオは主に『リトルバスターズ!』、『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』が該当)に辿り着けない、周回プレイでないとほぼ倒せない敵を用意する等のようにして周回プレイのモチベーションを高める工夫が為されているものもある(ちなみにソニックの一部のシリーズではシャドゲ以前から最終シナリオが存在するがマルチエンディングではなくすべてのキャラあるいはチームをクリアすることで最終シナリオが開放されるようになっている)。


この他、1つのEDを攻略しただけでは、作中の描写や設定を理解仕切れない作品も当然ながら存在する(有名な例で言えばFateルート/UBWルート/Heaven's_Feelルート、その他諸々のEDを収録した『Fate/Staynight』が該当する)。


マルチエンディングの続編編集

前作と直接の繋がりがある続編を作ることになった際、当然前作のエンディングを考慮する必要があり、その選択は注目されることになる。

たいていはぼやかされるが、開発が1つの結末を選んだ場合は「正史」などと言われる。


  • 真・女神転生Ⅱ
    • 前作でどの勢力が優勢になろうとも、数十年の時が流れるうちに大衆は秩序を求め、結果としてLAW勢力が世界を牛耳ったところから物語が始まる。

  • センチメンタルグラフティ2
    • 恋愛ゲームの続編だと女性キャラは一新されるのが普通なのだが、なんと女性キャラは全員続投。前作主人公が冒頭で事故死するという衝撃の展開で幕開けする。

  • The Elder Scrolls Ⅲ:Morrowind
    • 前作Daggerfallは味方した勢力によって全く異なる結末を迎えるマルチEDだったが、今作の中で読める書籍にて前作の結末は「神が介入し全ての結末が起こった(要約)」ということが判明する。


ゲーム以外での例編集

ゲームばかりに注目されがちだが、ゲーム以外でもマルチエンディングシステムは存在する。


仮面ライダー龍騎』は俗にTVシリーズ、TVSP、劇場版などのメディアでエンディングが異なる為、マルチエンディングシステムと解釈される事もあるが、メディアによって細かな設定の違いがある為、選択肢によって分岐したマルチエンディングとは見なされにくい。

厳密な意味でのマルチエンディングシステムを導入していると言えるのはこのうちTVSPとして展開された『13RIDERS』で、テレゴングでエンディング(戦いを続けるENDと戦いを終わらせるEND)を決める試みが行われた。TV放送では戦いを続けるENDが放送されたが、もう一つのEDは映像ソフトなどで視聴できる。


同様の試み(テレゴングではない事前投票)は映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』でも行われ、平成ライダーが勝つENDと昭和ライダーが勝つENDの2種類が用意され、劇場では前者が公開された。


結末が異なる2種類の最終巻が発売されている。それぞれが『友情編』『真実編』と題され、前者はハッピーエンド寄り、後者は苦い結末だが友情編では謎のままだった真相が明かされるというもの。ちなみに作者の井上はゲーム業界から漫画家に転向した経歴の持ち主である。


151話から、route:ifと題してそれぞれのヒロインルートを描写していく展開になっている。


関連タグ編集

エンディング グッドエンド ハッピーエンド トゥルーエンド バッドエンド

ゲームブック 選択肢 パラレルワールド ifルート


人生 自由意志が存在するとする非決定論では、マルチエンディングである。自由意志は存在しないとする決定論では、もうエンディングは決まっている。

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