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センチメンタルグラフティ

せんちめんたるぐらふてぃ

NECインターチャネルより1998年1月22日にセガサターン向けに発売された恋愛シミュレーションゲーム。
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概要編集

死期の迫った主人公が死ぬ間際に過去に12股かけた女の清算をするストーリーである(後述の「2」を含めた結果としては)。


あらすじは、幼少の頃から親の仕事の都合で日本各地で転校を繰り返していた高校3年の主人公の元に差し出し人不明の「あなたに会いたい」とだけ書かれた手紙が届く。差し出し人は過去の思い出に残る12人の少女の中の誰かに違いないと推測した主人公は週末の休日を利用して差し出し人を探す旅に出る、というもの。日本各地の都市の名所が登場する観光ガイド的な側面もある(のだが、地元民からすると位置関係がムチャクチャとの事)。


キャラクター原案を務めた水谷とおる(「甲斐智久」名義)の美麗なイラスト、各種ゲーム雑誌に大々的に掲載された特集記事や広告、電撃G'sマガジンで連載された小説、ヒロイン12人中6人の声優の一般公募(残りの6人は新人声優が起用された)、声優ユニットによるイベントやコンサート、ラジオ番組、多彩な関連グッズが発売されるなどのメディアミックス展開の成功と当時のギャルゲーブームに乗って前人気は上々であった。

その人気ぶりは、イラストや設定資料等を収めたプレビューディスク『センチメンタルグラフティ ファーストウィンドウ』が発売されるや否や即完売状態となり、数万円のプレミアが付いた程である。


次第に高まるファンの期待の中、延期に次ぐ延期を繰り返した上でようやく発売されたゲーム本編は、初期の売り上げこそ好調だったものの、暗闇の中でヒロイン達が謎のダンスを踊る様子を『暗黒太極拳』と揶揄された前衛的なオープニングムービー、イメージイラストとあまりにもかけ離れたグラフィック(当時のギャルゲーと比べれば平均的な作画レベルではあるが、本質は事前情報との大きな乖離である)、タイトなスケジュールで日本全国を回り12人のヒロインを同時攻略しないとイベントが進行しない、ヒロインを放置していると『せつなさ度』というパラメータが上がりイベントが起きやすくなるが上がりすぎるとヒロインが無言電話を掛けて来る、それでも放置していると最終的には失踪してしまう、自分からヒロインを振る事が出来るがその過程が酷い、といった残念な出来でファンを大いに落胆させた。その結果、発売から時期を待たずして大幅な値崩れを引き起す事となった。


その後は『センチメンタルジャーニー』というタイトルで、本編の1年前という設定のTVアニメが放送され、コンサートツアーが組まれるなどメディア展開が続いた。

アニメ版と同タイトルのプレイステーション用の対戦型ボードゲームも発売されたが、この作品においても発売延期があり、売り上げは振るわなかった模様。


2000年7月27日にドリームキャスト向けに発売された『センチメンタルグラフティ2』の冒頭で『前作の主人公が交通事故で死亡、OPはその葬式から始まる』という前代未聞の展開は悪い意味で歴史に名前を残すことになった。

1作目のシナリオ担当であった大倉らいたがこの設定に難色を示してスタッフから離脱、事の顛末を自身のウェブサイトで暴露し、これを受けた不買運動も起こった程である。

また、やはり本作でも度重なる発売延期があった。これらの要因によってさらにファン離れが加速し、結果は売り上げも作品評価も不振に終わった。

なお、ヒロイン達はこの葬式で初めて顔合わせすることとなり、それまではお互いの存在すら知らなかった模様(日本各地に住んでいる設定上、前作でもヒロイン同士の交流はない)。全員高校の制服を着ていることから、前作のラストとは繋がっておらずパラレルと思われる。2の主人公は、後に東京の大学に進学した彼女達の心の傷を癒すのが目的。

20周年を迎えた2018年9/1のセンチメンタルグラフティのネットオジオにもプロデューサーの多部田氏から実は前作の主人公が生きているという話が持ち上げられた。


その後も電撃G'sマガジン連載の小説が単行本化され、その上巻を元にした『センチメンタルグラフティ ~約束』というノベルゲームが発売されるなど、シリーズ展開は継続していたが人気の低迷には歯止めがかからず、下巻を元にした『センチメンタルグラフティ ~再会』という続編も予定されていたが発売中止となった。


2004年10月28日には、初代のメインスタッフを再結集させ、本編の2年前という設定でキャラクターを一新した『センチメンタルプレリュード』という作品がプレイステーション2向けに発売されたが、発表から実に4年という歳月が経っていた事もあり既に失墜した人気を取り戻す事は叶わず、本作を最後にシリーズの幕を下ろす事となった。


ゲームの評価的にはクソゲー・ガッカリゲーの域を出ないが、当時の盛り上がりはそれだけでは片付けられないものがある。上記の通りキャラクター人気が高かった為、現在でも熱心なファンが存在する。

ファンや関係者にとっては不本意ながら、当時の「ギャルゲーバブルとその崩壊の象徴、もしくは縮図」となってしまったのは事実であるが、断じて戦犯ではない点は押さえておいてほしい。

現在では初代のPS版(同時攻略が不要になっているので遊びやすくなっている)がゲームアーカイブスで配信されているので当時を懐かしむ意味で、あるいは興味があれば買ってみても良いかも知れない。


関連イラスト編集

Sentimental-Graffiti背中ごしにセンチメンタル

関連タグ編集


外部リンク編集

ゲームアーカイブス版紹介<配信元はガンホー>

wikipedia

関連ワード編集

暗黒太極拳 せつなさ炸裂 せつなさみだれうち

卒業 ~Graduation~ - 星野明日香はこの作品の舞台の「私立清華女子高校」に通っている設定で、制服のデザインも同じ物が使われている。

Photograph_Journey - 『親の仕事の都合で日本各地で転校を繰り返していた主人公の元に手紙が届き、主人公が差し出し人の異性のもとへ会いに行く』という内容が非常に酷似している。

プリズマティカリゼーション - キャラデザは別人であるが、絵のタッチが本作と酷似している。ら哲学をベースに何処かしら捻くれた主人公・総司を操縦し、1日をループしていく。

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