概要
日本の電機メーカーである日本電気(Nippon Electric Company)の略称。
現在は住友グループの一員だが、戦時中に住友通信工業を名乗っていた時期以外は住友の井桁マークは使用していない。
かつては電電公社(現在は民営化されNTT)の御用達という事もあり、『日電公社』と揶揄された。
戦前からの得意分野である通信関連機器と昭和30年代から取り組んできたコンピューター関連が事業の中心で、PC-9800シリーズは一時国内パソコンのシェア約9割を占め「国民機」の異名を取った。
パソコン通信(PC-VAN)・プロバイダー(ビッグローブ)など事業も行っていたが現在は分社化された後にKDDIに売却された。
かつてはゲーム/メディア事業も展開しており、PCエンジン・PC-FXといったゲーム機を製造。子会社NECアベニューを通じてゲームソフト/音楽ソフトの販売も行っていた。
東芝との合弁子会社であるNEC東芝スペースシステムにおいて人工衛星・宇宙探査機等の製造開発も行っており、月周回衛星「かぐや」・小惑星探査機「はやぶさ」(いずれも運用終了)も同社により製造されている。
沿革
1899年7月17日、岩垂電気商店とアメリカ合衆国のウェスタン・エレクトリック社(ベル電話会社の製造部門)の合弁会社として日本電気株式会社が創業。電話交換機などの製造を主な事業としていた。
1918年、ウェスタン・エレクトリックの組織改編により海外投資部門がインターナショナル・ウェスタン・エレクトリックとなる。
1925年、インターナショナル・ウェスタン・エレクトリックがインターナショナル・テレホン・アンド・テレグラフ社に買収されインターナショナル・スタンダード・エレクトリック・コーポレーションと改称。
1932年、インターナショナル・スタンダード・エレクトリック・コーポレーションが日本電気株式会社の経営を住友財閥に委託。
1941年、太平洋戦争で日米開戦。インターナショナル・スタンダード・エレクトリック・コーポレーション所有の株式が敵国資産として処分され、資本提携解消。住友グループ傘下となった。陸軍向けの無線機製造を請け負う。
1943年、住友通信工業に社名変更。
1945年、太平洋戦争で日本が敗北。社名が日本電気株式会社に戻る。
1949年、東京証券取引所に上場。
1951年、インターナショナル・スタンダード・エレクトリック・コーポレーションとの資本提携が復活。
1963年、ニッポン・エレクトリック・ニューヨーク(現在はNECアメリカ)を設立。
1981年、電子部品の製造販売を行うNECエレクトロニクスU.S.A.(現在はNECエレクトロニクス・アメリカ)を設立。
1982年、PC-9800シリーズを発売。
1986年、パソコン通信サービス「PC-VAN」の運用を開始。
1992年、対外的に「NEC」を通称とする。
1995年、NECグループのソフトウェア関連部門を分離・統合して、NECインターチャネル株式会社を創業。インターネットプロバイダ「mesh」を立ち上げる。
1996年、インターネットプロバイダ「BIGLOBE」を立ち上げる。
1999年、DRAM事業部門を分社化し、日立製作所との合弁でNEC日立メモリを設立。「PC-VAN」、「mesh」を「BIGLOBE」に統合。
2001年、家電分野から撤退。携帯電話で国内シェアトップとなる。パソコン通信サービスを中止。
2002年、スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」が完成。当時の世界最速を記録。
2004年、日本電気が保有していたNECインターチャネルの株の7割が株式会社インデックスに譲渡され、NECインターチャネルは株式会社インターチャネルに社名を変更。
2006年、BIGLOBE事業本部が独立しNECビッグローブ株式会社となる。
2010年6月13日、NEC東芝スペースシステムが製造した小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還。
2011年、スマートフォン事業に参入。
2013年、スマートフォン事業から撤退。
2016年、オフィスコンピュータの製造から撤退。
2017年、消防救急デジタル無線の入札において談合があったとして排除措置と課徴金支払を命じられる。3月決算期は減収減益。
2018年、3000人の人員整理を発表。
2020年、当期利益が過去最高を記録。
関連イラスト
関連タグ
日本電気 みいそ 日本電気ホームエレクトロニクス PC-9800 BIGLOBE PCエンジン
NECレッドロケッツ:女子バレーのチーム。
モンテディオ山形:系列会社のサッカーチームが前身。
中川勝彦:晩年、NECアベニューに所属していた。
NECインターチャネルのゲームソフト
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