クリーチャー(ハリポタ)
くりーちゃー
原語版CV:ティモシー・ベイトソン(第5作)→サイモン・マクバーニー(第7作)
日本語吹き替え版CV:柴田秀勝
J・K・ローリングによるファンタジー小説『ハリー・ポッター』シリーズに登場するキャラクター。
ブラック家は魔法使いの世界の中でも生粋の純血の魔法族であり聖28一族にも数えられる名家。
クリーチャーの一族は少なくとも母親の代からブラック家に仕えており、ブラック家の家風の影響で彼自身にも純血主義的な言動が見られた。
ブラック家の魔女、エラドーラ・ブラックが作った伝統に『屋敷しもべ妖精が年老いてお茶の盆を運べなくなったら首を刎ねて壁に飾る』というものがあり、クリーチャーの母親の首も飾られているが、当時のクリーチャーにとってそれは名誉の死であり、いずれ自分の首も飾られることを願っていた。
しかし、ブラック家は本家のシリウスが家風に反して出奔後に不幸が続いた。
シリウスの唯一の兄弟である弟のレギュラスの早すぎる死、シリウスの両親の死によって、冤罪でアズカバンに収容されたシリウスが本家筋唯一の生き残りとなってしまい、かつて繁栄を極めたブラック家は没落貴族の様相を見せる。
心底ブラック家の理念に染まったクリーチャーは、ブラック家の主人たちが死んだにもかかわらずグリムオールド・プレイス12番に留まり、既に結構耄碌しているため家事が殆どできない中、肖像画となったシリウスの母を慰めながら薄汚れた屋敷に暮らし続けた。
アズカバンを脱獄後、実家に帰ってきたシリウスにクリーチャーは仕えることになる。
シリウスにとってクリーチャーは自分の憎たらしい家族と幼少期を思い起こさせる存在であったため、屋敷しもべ妖精全般には優しいシリウスも、クリーチャーに対しては冷酷で苛烈な態度をとった。
ブラック家の理念に反する上、自分を無視という形で虐待したシリウスにはクリーチャーは必ずしも従順ではなく、嫌味な独り言を言う癖があった。
更にシリウスはグリムオールド・プレイス12番を不死鳥の騎士団の本部として提供し、ハリーたちが屋敷を掃除しようとするとブラック家の家宝や写真を次々と廃棄していくシリウスに憤りを募らせていった。
クリスマス頃、アーサー・ウィーズリーがヴォルデモートのナギニに襲われた際、アーサーの子供たちに対して嫌味を言ったクリーチャーに対してシリウスが「(部屋から)出て行け」と命じると、クリーチャーはその命令を敢えて「屋敷から出て行け」と拡大解釈し、別の場所へと移動した。
クリーチャーはシリウスの命令に乗じてブラック家の分家筋の血を引くナルシッサ・マルフォイの元へと向かった。
ナルシッサは分家筋から本家に嫁いだシリウスの母、ヴァルブルガの姪であり、死喰い人のルシウス・マルフォイと純血結婚をした魔女であり、シリウスが死ねばブラック家の遺産を相続する可能性が高い人物であった。
そして、クリーチャーが二重スパイとなったことでヴォルデモート側に不死鳥の騎士団の情報が筒抜けとなり、シリウスが死亡する遠因となってしまう。
シリウスの死後は彼の遺言によりハリーに仕えるが、母親がマグル生まれの魔女である半純血のハリーのことをクリーチャーは快く思っていなかった上に、ハリーは自分の名付け親を間接的に殺害したクリーチャーを許せなかった。
しかし、ハリーが相続を拒否すると不死鳥の騎士団の活動を傍で見ていたクリーチャーがナルシッサの姉でアズカバンから脱獄した死喰い人のベラトリックス・レストレンジのもとに相続されてしまうためハリーは当初いやいやながらクリーチャーを相続した。
正式な相続であったため、クリーチャーはハリーの命令に従わねばならなかった。そしてハリーの意向により、ホグワーツ魔法魔術学校で働き、ハリーの命令でドビーと共にドラコ・マルフォイを見張る役などを務めた。
その際にはベラトリックスが脱獄しなければブラック家を相続していたであろうドラコへの賛辞が込められた報告になっていない報告を述べている。
実はクリーチャーはシリウスの弟で、自分のことを可愛がってくれたレギュラス・アークタルス・ブラック(RAB)のことを大切に思っていた。
16歳の時に死喰い人に加わったレギュラスは、ヴォルデモートの熱狂的な信奉者であった。
しかし、ヴォルデモートがクリーチャーに過酷な仕打ちを行ったことに失望し、勇気を出して裏切ることを決意。最後の抵抗としてヴォルデモートの分霊箱であるスリザリンのロケットを、ブラック家の家宝のロケットと命がけですり替えた。
しかし分霊箱の破壊は叶わず、後をクリーチャーに託して死亡した。描写はないもののクリーチャーは分霊箱の破壊を試みたのであろうが、極めて高い魔法耐性を持つ分霊箱の破壊は叶わなかったのだろう。ブラック家の主たちが死亡したにもかかわらずクリーチャーがブラック家にとどまったのは、レギュラスの命令でロケットをヴォルデモートから守りつつ、それを壊せる者の訪れを待ち続けたためだった。
ハリーは分霊箱を破壊する旅の途中でレギュラスの足跡に触れ、本物の分霊箱を破壊し、レギュラスのロケットを形見としてクリーチャーへ贈った。主人の最後の心残りを果たして遺品まで取り戻してくれたことで、クリーチャーはここでハリーに心からの忠誠を誓った。
「穢れた血」と蔑んでいたハーマイオニーに対しても態度を改めたが、長年の習慣は改善し切れないようで、彼女にお辞儀しようとすると体がいう事を聞かず痙攣する。
また、耄碌していたのは歳のせいだけでなく、長期間分霊箱のそばにいたためでもあったようで、その後はブラック家を綺麗に掃除して料理を振る舞うなど、生き生きと働けるようになった。ホグワーツ城での最終決戦では、ホグワーツの屋敷しもべ妖精を率いて死喰い人たちと戦った。
コメント
pixivに投稿されたイラスト
すべて見るpixivに投稿された小説
すべて見るそれいけ走馬灯
固くこれを走馬灯だと信じ駆け抜けるスネイプ教授。 (※走馬灯ではない) 最初と最後のページは、注意書きと私だけが楽しい人物紹介です。 読んでも読まなくてもあんまり関係ありませんが、これを読む場合、本文の後にお読みください↓ くぁ、と小さなあくびをして、ハリーはもぞもぞスネイプの胡坐でうごめいた。 「なんかへんな夢みました」 そしてそれを、なぜだかスネイプに一心に話してくる。 「夢の中では僕は、死の主人? っていうのになってて」 「夢の中では戦争があって、先生も死んでて」 思い出した夢につられたのか、ぽろ、と一粒落ちた涙に、スネイプは無表情で凍り付いた。 「死の秘宝は全部返すから、永遠の命なんて欲しくないから、みんな死んでほしくなかった、普通に生きたかった、って言ったら」 さっきの涙も忘れ去って、ポッターはにこりと笑う。 「『死』が、叶えてやるって」 「変な夢ですよね?」 無邪気に小首を傾げた拍子に、スルリとポケットから何かが滑り出た。 ありきたりな灰色の布は、かつては水のように透明だったのだろう。 「なるほど」 スネイプは全ての元凶を知った。6,270文字pixiv小説作品