概要
名前の英語スペルは「Dobby」。
原語では「ハウス・エルフ」。「しもべ」要素は原語では薄いが、J・K・ローリングと訳者の松岡氏でのディスカッションがあった結果かもしれないのでグレー。
一族が名誉と思うこと(主に特定の魔法使いの奴隷として無償無給で働く事)よりも自己の見識による思慮深い行動をとるため、同族からは異端者扱いされていた。
初登場は『秘密の部屋』で当初はマルフォイ家に仕えていたが、ハリーのことを尊敬しており警告を与えるために現れた。
しかし、要領が非常に悪く、言ってはいけないことを洩らしてしまったときには「ドビーは悪い子!ドビーは悪い子!」と言いながら壁や物に頭をぶつけたり自分を殴る自傷癖を持つことからハリーを困惑させた。
加えて当初はハリーを危機から遠ざけようとするも、結果的に迷惑や妨害となる事も多々あり、ハリーから鬱陶しがられていた。
見た目は弱々しく間抜けな小人のようだが、実は条件次第で魔法使いよりも強力な独自の魔法を杖なしで使える強力な存在であり(これは屋敷しもべ妖精全般に共通している)、たびたびハリーを助けることになる。
屋敷しもべ妖精の実情やマルフォイ家のドビーに対する凄惨な仕打ちを知ったハリーは、ルシウス・マルフォイに「靴下を挟んだトム・リドルの日記を手渡す」という罠を仕掛け、これにまんまと引っかかったルシウスが激昂して投げ捨てた靴下をドビーが拾った事でマルフォイ家との縁切りが成立(屋敷しもべ妖精が主人から衣服を与えられるのは解雇を意味する)。
晴れて自由の身となった事でマルフォイ家への忠誠心も完全になくなり、直後にハリーに杖を向けるルシウスを「ハリー・ポッターに手を出すな!」と強力な魔法で返り討ちにする逆転劇を見せつけた。
その後はホグワーツで働く事となり、(恐らくは)魔法界史上初の有償で働く屋敷しもべ妖精となった。
要領の悪さも鳴りを潜めていき、各所で登場してはハリーの手助けをしたりハリー本人から依頼を受けて行動を起こす事もあった。
……が、『死の秘宝』後半にてマルフォイの館に囚われたハリー達を救出する際、ベラトリックス・レストレンジの凶刃にかかり命を落とすという悲劇的な最期を迎えてしまう。
亡骸は貝殻の家の庭に埋葬され、墓標には「自由なしもべ妖精ドビー ここに眠る」と記される。