オルガ・イツカ
おるがいつか
火星の民間警備会社「クリュセ・ガード・セキュリティ(CGS)」に於いて少年兵達を集めた非正規部隊「参番組」の隊長を務める少年。身長202㎝くらい。
真面目で義理堅く、高いカリスマ性とリーダーシップを備える事から多くの少年兵達から慕われており、特に三日月・オーガスとは幼い頃からの付き合いであり、彼とは実の兄弟よりも強い絆で結ばれ、彼の事を誰よりも深く理解しその性格や行動原理に信頼を置く。
首に巻いたシュマグ(アフガンストール)と前髪がトレードマークであり、また、左腕には三日月との絆を確固たるものとした時に出来た傷が残る。
火星の貧困層の出身である事から上昇志向が強く、「自分達の本当の居場所」へ向かう事を夢見るロマンチストとしての一面も覗かせる。
自分たちを虐げるCGSの大人達の事を快く思っておらず、その現状を打開するべくギャラルホルンのCGS襲撃に乗じて逃げ出したCGS正規部隊を罠に嵌め、更にCGS本部施設地下に電源設備として流用されていたガンダムバルバトスを起動させギャラルホルンを撃退。
その後、CGS内に於いてクーデターを起こし、参番組を中心に「鉄華団」に組織を再編すると彼らの先頭に立ち、CGSが引き受けたクーデリア・藍那・バーンスタインの護衛依頼を完遂するべく、一団を率いて地球を目指す旅に出る。
その性格から一行のリーダーとして周囲の信頼に応えられるように努力しており、戦場に於いては自ら最前線に出て指揮を執ることによってリスクを共有という行動を取る(自身も阿頼耶識(アラヤシキ)システムの施術を受けているが、基本的に複座仕様のモビルワーカーに座上し、戦闘指揮に専念する事が多い)。
高い洞察力を持ち、言葉の節々から文法や真偽を読み解く事にも長けるなど少年兵の中でも特に頭の回転が早く、また各メンバーの性格や長所を理解しており、それを踏まえた作戦を立案するなど、指揮官としての才覚に恵まれている。
しかしながら目先の利益や団員の感情を優先してしまい、大局的な判断ができないことも多々あり、戦略家としての能力は今一つ。
参謀役が不在となった本編2期以降ではこの弱点が顕在化し、結果として後述の結末を招くこととなる。
目的の為ならば冷徹な判断を下す事も厭わない一方で、自分達の下を離れる人間を無理に引きとめようとはしないなど、器量も大きい。しかし、一行を家族として慕う半面、メリビット・ステープルトンの様に外部からの干渉者に対してはあまり心を許さない頑なな一面も有している。
筋を通す事に強い拘りを持ちそれを行動理念の根幹に置くが、彼自身決して完璧なリーダーという訳ではなく酒にも弱い。
仲間達を率いる為に背伸びをしている一面も覗かせており、時として自らの命を顧みず仲間を守ろうとする危うさも持ち合わせる。
また自分の頼みを躊躇いもなく実行する三日月の姿に重圧を感じており、時として彼の眼差しや発言を拡大解釈する事も少なくはない。
また、仲間を想うあまり非情に徹しきれない部分もあり、組織運営や他の組織と渡りを付ける際に弱みを見せてしまう場面も見受けられる。
鉄華団立ち上げ後、ギャラルホルンの追撃を振り切り宇宙へ出たが、資金難と地球への案内人探しに迷走し、その最中に木星圏の複合企業「テイワズ」を頼る事を一行に提案。この際、一度はテイワズの下部組織「タービンズ」と事を構えるが、タービンズを預かる名瀬・タービンにその実力を認められ、彼の紹介でテイワズの傘下に加えると共に、名瀬と義兄弟の盃を交わし「御留我 威都華」の漢字名を得る。
テイワズ加入後はタービンズの案内を得て再度地球を目指し、同時に鉄華団を率いるべく努力を重ねるが、名瀬やメリビットなど彼を知る大人たちからその子供らしい無謀さ・危うさを窘められることも多かった。
テイワズへの加入、ブルワーズとの戦闘、ドルトコロニーでの騒乱を駆け抜け、ギャラルホルンと表立って敵対する事になりながらも地球へ降り立ち、クーデリアが会談を行うべき相手である蒔苗東護ノ介と対面。だが、状況はそれだけで終わる筈は無く、ここで蒔苗をエドモントンへ送り届ける依頼を請け負う事になる。
しかし、それと時を同じくして自らが抱く上昇志向に異を唱えたビスケット・グリフォンと口論に陥り、お互いに正式に和解する前に死別。それが彼の心に大きな傷を作るが、三日月の荒治療によって再起し、ギャラルホルンを打倒しその上で自分達の仕事を成し遂げるべく奮起する。ただしその姿はビスケットという心の支えを失ったことによって躊躇する余裕を失ったより危ういものへと変化していく。だが、そんな姿勢の中に於いても戦闘で仲間に生きて欲しいという願いだけは強く残り、蒔苗とクーデリアをアーヴラウ議会へ送り届ける依頼を完遂すると前線で戦っている仲間達に「生きろ」と命令し、自身は三日月の戦いを見届けた。
その後はアーヴラウから手に入れたハーフメタル利権を手土産にテイワズ代表マクマード・バリストンと盃を交わし、正式に鉄華団をテイワズの直系企業の座に就かせ、組織を拡充させていった。
また、その一方で桜・プレッツェルの経営する桜農園と提携を結び農産業へ参入しつつ、新入団員への阿頼耶識施術を禁止するなど、CGS時代の慣習から脱却しつつ、将来的な事業改変への足がかりを作り始める。
しかし、組織拡充の結果彼らを快く思わない敵も多く現れ、夜明けの地平線団の討伐の際にはかつて敵対したギャラルホルンと轡を並べ、鉄華団地球支部がアーヴラウとSAUの紛争に巻き込まれた際には、三日月らを中心とした精鋭部隊を地球へ向かわせ、事態の収拾に務める。
その後、マクギリスとの密談によって彼がギャラルホルンの全権を掌握した暁に火星支部全ての権利を委譲する事を確約される。
彼自身はそれがクーデリアの目的や団の安定に繋がると考えマクギリスの誘いに乗るが、テイワズを通さない密談であった為、テイワズ上層部との間に不和を生じさせる事になる。
火星で発掘されたモビルアーマー「ハシュマル」との戦闘でマクマードに結果をもたらす事が出来たものの、この騒動でマクマードと交わした盃を彼に預ける事になった。一方で、激戦の度に何らかの代償を支払いながらもオルガの為に戦う事を厭わない三日月の姿勢やタービンズの壊滅が、彼が抱く重圧を更に強め、タービンズの弔い合戦の為にテイワズの傘下を抜けジャスレイ・ドノミコルスを撃破。
その後、マクギリスらと共に革命の道を進む決意を固め地球へ向かうが、戦闘で多くの仲間を失い敗走。どうにか鉄華団本部まで辿り着き、一時の休息をとりつつラスタル・エリオンとの交渉に挑むが失敗。マクギリス共々、本部でギャラルホルンの大部隊に包囲される羽目になる。
マクギリスは決戦を目論んでいたが、オルガは仲間たちの助言を受けて「死を偽装し地球へ逃亡する」ことを決断。
秘密の通路やマクギリスの助け、蒔苗やたまたまそこで働いていたタカキ、アジーからの協力を受けて何とか地球へ向かう算段を付ける。だが、ラスタル・エリオンの依頼を受けたノブリス・ゴルドンの部下たちに見つかった上、彼らの独断で襲撃に遭い、オルガはライドを刺客のマシンガンの斉射から身を盾にして庇う(威力などからサブマシンガンと思われ命中5~6発程度)。
三日月から借りた拳銃で刺客を1人だけ撃ち、ノブリス配下たちはオルガの反撃にビビったのか、これで十分と思ったのか、トドメを刺さずに撤退していった。しかし、オルガは大量に出血(位置的に脾臓・大動脈・大静脈などを損傷している可能性大)しており、もう助からないと悟りながらもオルガはトンネルの通信設備で本部側のトンネルに連絡を入れようと歩き出す。チャドやライド、駆けつけたクーデリアやアトラが止められないほどの何かを発し、これからも「止まるんじゃねぇぞ…」と激励の言葉をかけながら倒れ殉職。
自身の死後もその言葉が団員たちを大きく動かしていくことになる。
「スーパーロボット大戦に『サポーター』というシステムが導入されたきっかけはオルガなのでは?」という考察がある。
確かにオルガは艦長でもあるが宇宙用である為、出しにくいという理由がある為もしかしたら本当にそうなのかもしれない。
仮にこれが正しければオルガの存在はスパロボに改革をもたらしたと言える。
三日月・オーガス ビスケット・グリフォン ユージン・セブンスターク
アドウ・サガ:ガンダムシリーズにおける中の人繋がり。コウサカ・ユウマの中の人もギャラルホルンのパイロットの1人アイン・ダルトン役で出演しており、前に共演していたガンダム作品とは善悪が逆転している。
オルガ・サブナック:同名同性さん。『GジェネCROSSRAYS』にて共演した上、サブナックの同類の1人から名前ネタで弄られた。
ライナー・ブラウン:中の人繋がり兼作中屈指のネタキャラ。しかし死亡シーンをネタにされたオルガに対し、ライナーは死なないことをネタにされているためある意味対照的。
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