クーデリア・藍那・バーンスタイン
くーでりああいなばーんすたいん
本作のヒロインの一人。
火星の独立自治都市「クリュセ」の代表首相、ノーマン・バーンスタインの娘。身長173㎝くらい。
富裕層の出身ではあるが、思想家アリウム・ギョウジャンの影響を受けてクリュセ独立運動の先頭に立ち、16歳という若さで既に大学での修学経験があり、独立運動家をまとめた「ノアキスの七月会議」を成功させた事から注目を集めた。
上流階級の出ながら他者に偏見を持たず、誰であろうと対等に接しようとする度量の持ち主であり、またその出身ゆえに高い社交性も持ち合わせる。
その本人の資質と実績から、火星独立運動のアイドル(象徴)と見なされ、政治・経済のアッパークラスにも一定以上の注目を受けており、絵画に描かれた『革命の乙女』そのものとも言われる。
一方で経済的に不自由の無い環境で生まれ育ったため理想家の面が強く、火星の貧困層の実情に対してはむしろ疎い。
また、自活能力も低い典型的な深窓の令嬢でもある。
しかし、炊事や雑務等の労働、環境の変化に嫌悪感や忌避感を抱いている様子はなく、適応力は意外に高い。更にCGSに訪れてから多くの犠牲や理想と現実のギャップを目の当たりにしつつも逃避せず受け止め、為すべき事を探し続けており、芯は強い。
その一方で優れたカリスマ性と行動力を父親から危険視されており、それが親子の間に溝を生んでいる。また、母親の朋巳はクーデリアの身を案ずるものの、クーデリアの活動に対して理解をしておらず、家庭環境に於いては孤立しており、家中では肉親よりも従者であるフミタン・アドモスに対して心を開いている節が強かった。
また、火星に於いては市井にも名が知られており、子供からサインをねだられる程の知名度を誇るが、地球圏ではその存在が広く認知されている訳ではない。
独立運動の一環として、火星のハーフメタルの貿易自由化を求めてアーブラウ首長・蒔苗東護ノ介との交渉に赴くべく地球を目指し、道中の護衛をオルガ・イツカ含む「CGS参番組の若者」を指名して依頼する。
彼らに護衛を指名したのは貧困の象徴である彼らと行動する事によって、運動の意義を高めようというロジックに従った物でもあった。後に彼女自身はその発想を「傲慢」であったと自己批判しているが、ともかくこれが後の鉄華団との出会いであり、様々な変革の発端であった。
しかし、運動を快く思わない父・ノーマンはその行動をギャラルホルンへ密告。それがCGSとギャラルホルンの戦端を開く切っ掛けとなった。
戦闘の末に、多くの少年兵の生命を奪う結果となり、そのことを悔いるが、三日月・オーガスの言葉もあって現実に打ちひしがれ、過酷な戦場で自分に何が出来るかを模索。
この際、一度は阿頼耶識システムの適合手術を受け、戦線に立って自らも戦うという可能性を示すも、三日月やオルガ達の生き方を見つめ、自分にしか出来ない事を成し遂げるべく、地球を目指す決心の下、自らの護衛をオルガ達鉄華団に改めて依頼し、まともに文字の読み書きが出来ない鉄華団年少組の少年兵達や三日月に文字の読み書きを教えながら地球を目指す。
長い道中(片道だけでも2ヶ月以上かかっている模様)で、彼女自身も幾度となく命の危機に晒され、目前で多くの人命を失い、鉄華団のメンバーと生活を共にする中でやがて依頼主と請負業者という立場を越え後に「家族」と呼ぶほどの絆を紡いでいくことになる。
道中ではアトラ・ミクスタらと行動を共にし、当初は三日月を意識しあうが故の不和も見られ、バイタリティに溢れる彼女から学ぶべきものを学び、互いに影響を与え合うなど良好な関係を築いていく。
そして、タービンズとの邂逅を経て、木星の複合企業テイワズを束ねるマクマード・バリストンと接触。彼から理想の果てに新たに起こりうるであろう災禍を示唆され、理想と現実の軋轢に苦悩するが、既に流された血や失われた命のことを重く噛み締めた末、三日月の言葉が背中を押した事もあってマクマードの提示した「自身の身をテイワズ持ちにする。」とい条件を受け入れ、地球への旅を鉄華団の面々と続ける道を選ぶ。
旅を続ける最中に訪れた地球圏のドルトコロニーに於いては、自身のスポンサーであるノブリス・ゴルドンが自分の死を望む事、そしてフミタンがノブリスが遣わせた監視役であった事を接触してきたモンターク(マクギリス・ファリド)の口から知らされる。
しかし、フミタンは、クーデリア自身との長い交友を経て、その心境に変化が起きており、クーデリアが巻き込まれないようにと、自ら姿を消すも、そんな彼女の思惑を知らないクーデリアはそれを追う。
その時、時を同じくしてドルトコロニーで行われていた労働者達のデモが肥大化
これに自身が巻き込まれてしまい、更にはギャラルホルンの武力鎮圧によって命を落とす労働者達を目の当たりにすることとなる。
この時に、これ幸いとばかりに、『自身の命を狙う』ノブリスの刺客から命を狙われ、狙撃されるも、フミタンの命を懸けた行動によって、彼女の命と引換えに死を免れ、生還を果たす。
ドルトコロニーの実情と親しい者の死は、彼女の心に大きな傷を残し、彼女の心境に大きな変化を与え、より広い視野で人々の救済を望むようになる。
そして地球に於いて、ついに蒔苗と対面した際には、彼に対して一歩も引き下がる事無く交渉し、贈収賄の嫌疑によって首長の座を追われた彼を、アーヴラウ首都エドモントンへ送り届ける事を確約。持てる力を全て投入して目的を遂げる積極性を見せつけ、その依頼を完遂させ、鉄華団の面々とともに、ハーフメタル利権を勝ち取った。
アーヴラウ代表首長選挙を巡る戦いの後は火星に戻りクリュセ市街地にハーフメタルの一次加工、流通を取りまとめるアドモス商会を設立。その代表として火星の経済的独立を掲げ、未就労者への雇用提供等に奔走。
両親との関係はついに改善されることなく、鉄華団本部や桜農場に赴いている時以外はほとんど会社で過ごしていた。
その一方でギョウジャンなど、かつての彼女と同じく理想だけで行動する活動家、思想家が自身の発言力を頼る事に対して辟易する。
明確なビジョンと手段を以って火星経済の成長を促していくが、蒔苗が爆破テロによって傷を負ったとの知らせを受け、彼を見舞うべく鉄華団に同行し、再び地球に赴いた。
この頃には、三日月・オーガスに対して、「家族を超えた想い」を持ち始めていたのか、同じ想いを抱いていたアトラ・ミクスタと共に、三日月を、家族の行く末と身を案じると共に、最後まで彼ら家族とともにあり続け(詳細は後述にて)、結果三日月からはまだ見ぬ我が子の行く末とアトラを頼まれる程の信頼関係に結ばれる。
物語終盤、鉄華団が不利な状況に追い詰められていく中でも彼らに対する支援を続けていたが、宇宙でのラスタル軍との戦闘にて敗走、火星に帰還した彼らと行動を共にし、火星脱出計画のために、一旦オルガらとともにクリュセに戻る(その際すでに三日月の子を身ごもっていたアトラを説得して連れ出す)も、ノブリスの暗躍によりオルガを目の前で失い、その後はアトラにとって恩師に当たるハバのとこにアトラと共に身を寄せ、戦闘を乗り切る(この時、戦場では最後の戦いとばかりに、みなを逃がすために殿として残った三日月、昭弘を含めた大切な家族の多くを喪う)
戦いが一段落した後はラスタル・エリオンの改革により、火星は自治権を手に入れ、マクマード・バリストンの後ろ盾もあり「火星連合」の初代議長に就任し「革命の乙女」と讃えられる。容姿も大幅に大人びており、かつての世間知らずな面は最早なかった。 耳には鉄華団のエンブレムを模ったピアスをつけている。
かつて敵対したラスタルとも「ヒューマンデブリ禁止条約」のため手を結ぶ冷徹な「大人の判断」をする強かさと共に、仲間たちへの情も失わず自社でかつての鉄華団メンバーの一部を雇用し孤児たちの福祉にも力を入れている。
ラスタルとの会談時には彼にある意味釘を刺すとも取れる発言をしつつ、遺恨を飲み込んで目的のために進む姿勢を笑顔で示し、ラスタルからも評価を得ている。
2017年4月9日に行われたオルフェンズの公式イベントお渡し会にて、暁のフルネーム公開に伴い、クーデリアがアトラ・ミクスタと同性婚を果たしていたことが明かされ、苗字も三日月の苗字である「オーガス」、アトラの苗字である「ミクスタ」、彼女の苗字の「バーンスタイン」を掛け合わせた、「オーガス・ミクスタ・バーンスタイン」に変わっていたようである。
その数日前、アニメ本編の最終回が放送された日の翌日であった4月3日には、クーデリア役の寺崎裕香さんが前年に結婚していたことと第一子を妊娠していることを明かしていたため、明るい話題が続いたと言っていい。
尚、同性婚に関して長井監督は、後に 養子縁組した「イメージ」というあいまいな発言をしている。
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