CV:櫻井孝宏
概要
ドルトコロニーに於いてクーデリア・藍那・バーンスタインの前に現れた仮面の男。
初期は仮面の男と呼ばれていた。
クーデリアのスポンサーであるノブリス・ゴルドンの目的を知っており、彼がクーデリアの死を望んでいる事とクーデリアに告げ、フミタン・アドモスはノブリスがクーデリアを殺害するために派遣したと明かしている(結果としてフミタンは刺客からクーデリアを庇って撃たれて死亡しており、それがためにクーデリアは「あの男(モンターク)を決して信用しない」と語っている)。
それと共にクーデリアがアーヴラウとの交渉を行うための手筈を整え、彼女の行動を支援。以降は『モンターク』と名乗る(EDのキャスト表記も「モンターク」に)。
オルガ・イツカとの会話にて、本当の名を聞かれた際には、こちらの姓が本当だと名乗っていた。
その正体はギャラルホルンの変革を望むマクギリス・ファリド。
鉄華団をギャラルホルン変革の為の外的要因として捉えている。
支援と称して彼らに接触した際、戦場で刃を交えた三日月・オーガスに正体を看破されているが、それを他言しない事を内々の内に商談の条件に付け加えている。
ギャラルホルン改革後も鉄華団との関係はトド・ミルコネンを通じて接触し、時にはみずから変装して訪れるなど、鉄華団との関係は深い。
しかし、マクギリス・ファリドと鉄華団の協力関係は公然の秘密ではあったが、密かにガエリオ・ボードウィンを救出して自身の凶行を知ったラスタル・エリオンには、その協力関係を知られてしまう事になり、結果的に鉄華団が「ギャラルホルンのクーデターに協力する反社会勢力」と見なされてしまい、ラスタルから協力要請されたガラン・モッサによる鉄華団地球支部への暗躍を招く事になっている。
なお、モンタークの姓がマクギリスの本姓だとするならば、「マクギリス・モンターク」が彼の本名という事になる。
モンターク商会
彼の経営するモンターク商会は、200年前の復興期に設立された会社。
作中に名瀬・タービンが閲覧していた資料には、創立者は「クライゼン・モンターク」と記されている。
人々の生活の質の向上を目指して設立された商会であり、食料・機械など幅広い分野を網羅して商っている。社会基盤に根差した経営形態をとり、新事業への投資など目新しい事業拡大は行わないが安定した堅実な経営を行っており、それには賛否両論が存在する。
……というのが、表向きな題目なのだが、そうした企業の割には、ガンダムフレーム用の備品を鉄華団に提供出来ている等、あまりにもきな臭い動向を見せている。その道のプロである名瀬も、「表向きには問題のない企業」と付け足した表現をする等、内心かなりの胡散臭さを感じていた様で、不信感を見せていた。
表向きは地道な商売をしているが、裏では軍需産業にも手を出しており、ギャラルホルンや鉄華団以外の民間軍事企業とも繋がりがある可能性が考えられる。
また、この会社沿革だが、後に長井龍雪監督がインタビューにて、「モンタークとはマクギリスの旧姓であり、商会は彼の私財管理を行っている企業である」と発言しており、ダミー企業をでっち上げるための詐称だったという可能性が浮上している。
とはいえモンターク商会がダミー企業であれば、イズナリオが失脚するまでの間、鉄華団に無償で渡した物資がどこから来たのか疑問が残る。もちろんファリド家が独自で購入した物資をモンターク商会を通して渡した可能性が考えられるが、マクギリスがファリド家の実権を握ってからならともかく、養父・イズナリオ・ファリドが当主であった期間は、彼がマクギリスと鉄華団の連携を黙認でもしない限り、気づかれずにこれらの物資を横流しするのは不可能に近いと言える。だが、それだとイズナリオがクーデリアや蒔苗東護ノ介を護衛する鉄華団の存在を疎ましく思っている事と辻褄が合わなくなり、マクギリスの支援していた相手が鉄華団だと知らなかった場合なら話は別かもしれないが、それでも「マクギリスが嫌悪しているイズナリオに借りを作るリスクを冒してまで鉄華団への支援をするだろうか」という疑問も残る。
目新しい事業拡大を行っていない・堅実な(≒地味な)経営を行っているという状況は、「活動実績自体が無い事に対する方便」としても受け取れるものであり、「客観的に見れば特別に価値の無い地味な企業であったが故に、実態が広まる事も無かった」とも考えられなくもない(強引ではあるが)。
また、もう一つの仮説として、モンターク商会は確かに古くからの企業体として実在し、商会に勤める社員の殆どは堅実な業務に従事しているが、モンターク(=マクギリス)直属の一部門のみは、軍需物資の販売を隠れ蓑にする形で軍事技術の研究・開発に特化している可能性がある。
現実的にマクギリスが極秘裏に鉄華団に物資を提供するには、ギャラルホルンの艦隊は勿論、ファリド家の私設軍隊であっても使う訳にはいかず、かと言って物資の保管と品質管理、輸送船の手配、警備部隊の創設等の業務を一括して行える人材が一通り揃わなければ活動自体が成り立たず、いかにマクギリスが有能であっても、それらの業務を個人一人で行うのは、まず不可能と言わざるをえない。
その為の組織として用いられたのがモンターク商会であるのだが、もしモンターク商会が経営実態のないペーパーカンパニーであれば、マクギリスは物資を集積する為の倉庫・輸送船・警備部隊を急いで用意せねばならず、それらの業務を行う事が出来る人材も急いで集めなければならない。
無論、ペーパーカンパニーに過ぎないモンターク商会がその様な動きを見せれば、それらの動きは税務官庁・運輸当局はおろか宇宙海賊にまで知れ渡る事になり、税務官庁・運輸当局からは査察を受けるリスクが、宇宙海賊からは航行中の襲撃を受けるリスクが重なる事によって、暗躍していたマクギリスのギャラルホルン変革の行動は頓挫してしまう可能性が高く、これらの事からも、モンターク商会に経営実態が無かったとは考えにくい。
マクギリスが何らかの事情(例えばモンターク家当主の妾の子等)により一度モンターク家から放逐され、ストリート・チルドレンとして荒んだ日々を送った後、引き取られたファリド家の地位を得た事で、会社を乗っ取る形で復讐したという可能性も十分にあるのだが、公式資料による発表がない現状においては、どちらにしても真相は不明である。