「ガンプラは、自由だ!」
概要
2014年に放送された「ガンダムビルドファイターズ」の続編。
前作から7年後の世界を舞台にしており、「ガンプラで戦う」という前作の世界観を受け継ぎつつも、ビルダーとファイターの二人一組でのバトルを描いた前作の要素を発展させ、本作では「トライ」の名が示す通り三人一組でのチーム戦(=集団戦)が描かれる。
基本的には前作の知識なしで見れる独立した作風となっているが、前作の一部登場人物のその後が描かれたり、彼らの弟妹、弟子達が成長した姿で登場する。
監督は長崎健司に代わり綿田慎也が勤め、メカニックデザインは前作と同じ面子から阿久津潤一が外れ、新たにSDガンダムのデザインを手がけた今石進、寺島慎也のほか、電撃ホビーマガジン、モデルグラフィックスで作例を手がけるモデラー・NAOKIが加わる。
特にNAOKIのメカニックデザインは、ベースキットを改造する事から始めこれを基にクリンナップするという「ガンプラのアニメ」に相応しい手法を採っている。
MBS・TBS系列の『ガンダム Gのレコンギスタ』と共に、ガンダムテレビ作品の二作同時展開を担った片翼であり、異なる二つの作品を異なる局・番組枠で同時期に開始し、同時期に終了するというのはガンダムシリーズとしては初の試みとなった(同年放送は『機動戦士ガンダムSEEDDESTINY』『SDガンダムフォース』という前例があるがこの二作は放映開始時期が異なっており、完全な同期スタートは今回が初となる)。
また、これに伴ってコラボレーションキャンペーンも行われ、2016年8月には特別番組として「ガンダムビルドファイターズトライ アイランド・ウォーズ」が放送された。
本作では本編に登場させたい機体を決める『モビルスーツ総選挙』が行われ、また前作では登場しなかった『機動戦士ガンダム00(セカンドシーズン以降)』および『機動戦士ガンダムAGE』のモビルスーツも登場。前作ではサプライズ扱いだったSDガンダムもレギュラー枠として多種多様なキットが登場するようになった。さらにはレッドウォーリアやMS少女までが「ガンプラ」として登場する。また特定のモデルを持たない本作完全オリジナルガンプラも多く登場している。
ストーリー
イオリ・セイ、レイジ組が、第7回ガンプラバトル選手権世界大会で優勝してから、7年の月日が流れた。ガンプラバトル選手権は、主催がヤジマ商事に変わり、その試合形式やルールが一新、バトルの人気は、さらなる広がりを見せている。
だが、その流れに取り残された学園があった。イオリ・セイが、かつて在籍していた聖鳳学園である。学園のガンプラバトル部の部員は、部長である中等部3年のホシノ・フミナ、ただ一人。このままでは、3人1チームで戦う、全日本ガンプラバトル選手権、中高生の部に出場することすら、ままならない。
そんなフミナの前に、一人の転入生が現れる。師匠と共に修行の旅を続けていた拳法少年、カミキ・セカイ。
さらに、若きガンプラビルダー、コウサカ・ユウマが加わり、ついに3人の出場メンバーが揃った。
カミキ・セカイ。
コウサカ・ユウマ。
ホシノ・フミナ。
チーム、トライ・ファイターズの挑戦が、今、始まる――!
(公式サイトより)
登場人物
西東京ブロック
聖鳳学園
ガンプラバトル部 チーム「トライ・ファイターズ」
トライ・ファイターズの関係者
プラモデル部
聖オデッサ学園 チーム「北宋の壺」
宮里学院高校 チーム「Gマスター」
都立成練高専 チーム「SRSC」
区立常冬中学 チーム「フェイス」
全国大会出場チーム
静岡県代表 私立ガンプラ学園 チーム「ソレスタルスフィア」
キジマ・ウィルフリッド(CV:鈴村健一)
鹿児島県代表 鹿児島県立我梅学院 チーム「ホワイトウルフ」
マツナガ・ケンショウ(CV:小上裕通)
神奈川県代表 本牧学園 チーム「グレート・K」
新潟県代表 統立学園 チーム「SD-R」
大阪府代表 天大寺学園 チーム「ビルドバスターズ」
徳島県代表 グラナダ学園 チーム「フォンブラウン」
宮城県代表 天山学園 チーム「タイタン」
その他
登場メカニック(ガンプラ)
聖凰学園
選手権西東京地区予選参加機体
ガンダムEz-SR(イントルーダー/エリミネーター/シャドウファントム)
選手権全国大会参加機体
S×D×Gガンダム(スナイバル/ドラゴナーゲル/ギラカノン)
その他
アイランド・ウォーズ
ライトニングガンダムストライダー
ΖΖⅡ
ギャンスロット
インパルスジム
ガンダムダブルオーシアクアンタ
ベアッガイP
スクランブルガンダム
専門用語
- 次元覇王流拳法
主人公の一人であるカミキ・セカイが習得している拳法。その極意は、「拳で語り合い、相手を理解する」事である。
門下生であるセカイ本人の口からも「マイナー」と言われる程に知名度は低いが、その技はガンプラバトルに於いても高い威力を発揮する。
セカイ以外の人物では彼の姉カミキ・ミライと、天山学園のイノセ・ジュンヤがこの拳法を習得している。
次元覇王流には奥義はなく、あるのは極意のみ、とされている(技を放つごとに次元覇王流と叫んでいるのもその理由から)。ジュンヤは奥義を授けてくれないことを理由に次元覇王流から離反していた。
- 全日本ガンプラバトル選手権
日本一のガンプラビルダー・ガンプラファイターを決める大会。
公式大会の主催がPPSE社からヤジマ商事に変わった事もあり、公式ルールの変更によって小学生、中高生、一般とそれぞれに部門が追加された。
追加部門の公式ルールは3対3のチーム戦を基本とし、一試合15分のタイムリミットが設けられており、制限時間内に相手側の機体を全滅もしくは相手チームの機体を多く撃墜した側の勝利となるが、機体数が同数となった場合は代表同士による一騎討ちによって勝敗を決める。
また、VガンダムやΖΖガンダムのような分離タイプの機体は分離状態でも1人でこれを操作する必要がある。一方、大型モビルアーマーは三人一組で操作する(=1チームでガンプラを一種類しか使用できない)よう制限が加えられている。
一試合ごとに機体を交換する事は可能だが、試合中に於けるガンプラの変更は不可能。前述の延長戦においてもインターバル中の修理は可能だが、補修パーツの持ち込みなどは禁止されている。ただし試合に参加したガンプラのパーツを流用することは可。
バトルフィールドはコンピューターでランダムに決められる。また試合中に特定のオブジェクトを破壊することでステージが変化する場合もある。
主催であるヤジマ商事は世界大会で活躍出来るレベルのファイターの誕生を望んでおり、それを見越した上で全国大会の試合はバトルダメージレベルA設定で行われる。
また、部門の垣根を超えた個人フリー部門としてオープントーナメントも併せて開催されており、こちらは実力者も多く、一部からは世界大会への登竜門的に捉えられている。
- アシムレイト
ガンプラとファイターとの一体化現象。アシムレイトとは英語で「同化・同質化」を意味する。
ファイターが強力な自己暗示をかけ、プラシーボ効果を発生させる事によって五感をガンプラに投影させ、その性能を高める事が可能。具体的には反応速度など基本的な操縦技量だけでなく、粒子量も増大している様子。
効果時間はこれを用いるガンプラファイターの技量にもよるが、プラシーボ効果の反作用であるノーシーボ効果によってガンプラのダメージがファイターにも反映されるリスクを伴う。なのでこの状態での長期戦は不利になる。
- 聖凰学園
かつてイオリ・セイやユウキ・タツヤらが籍を置いていた中高一貫校。西東京に位置し、同地区にはオデッサ学園や宮里学院などがある。
OBであるセイやタツヤがガンプラ界隈で名を馳せているという事もあり、模型部に連なる部活動が活発。一方で、空手部や柔道部といった格闘技系の部活動はなく、格闘技系を希望した結果行き場を失ったセカイはフミナの勧誘によってガンプラバトルと出会うことになる。
- 聖凰学園ガンプラバトル部
聖凰学園に於いてガンプラバトルを行う部活動。
学園OBから二人の世界大会優勝者が輩出された事もあり、後継者の誕生を期待して設立され、存続が認められているものの、ここ数年は予選で一回戦敗退が続いている上にコンテスト出場に力を入れているプラモデル部に部員を引き抜かれるなど、優れたビルダーを輩出している学園の模型関連部でありながら強豪とは言いがたい。
部室は校舎の裏手に建てられたプレハブ小屋。プラモ制作用の工具やバトル用筐体が備え付けられている。使用するバトルシステムは、かつて模型部が保有していたPPSE製の物からヤジマ製の物に置き換えられている。
物語は、同部唯一の部員にして部長、フミナが選手権大会に出場する為に、廃部の危機に直面しながらもチームメンバーを集める所から始まる。
- 聖凰学園プラモデル部
通称「プラモ部」。ミヤガ・ダイキが部長を務める部であり、バトルはせず模型コンテストへの参加に注力している。所属部員の力量は高く、コンテストでも上位入賞者の多い強豪。ユウマも「アーティスティック・ガンプラ・コンテスト」でグランプリを獲得しており、部の歴史も輝かしいものらしい。
部長であるミヤガがガンプラバトル部から部員を引き抜くなどの妨害工作を行っている事から、バトル部(というかフミナ)からは目の敵にされている。
部室は、かつてユウキ・タツヤが部長を務めていた模型部のもの。
- ヤジマ商事
PPSEに代わりガンプラバトルを主催する企業。
詳細はヤジマ商事を参照。
- バトルダメージレベル
ヤジマ商事製ガンプラバトルシステムに於いて採用されている、ガンプラの損傷度を変更出来るシステム。
A判定とB判定、C判定の三種類が存在し、レベルA判定ではバトル中に受けた斬撃やビーム攻撃によるダメージがガンプラに直接反映されるが、B判定、C判定とレベルが下る毎にそのリスクは軽減されていく(但し、ダメージが基本反映されないとされるC判定でも細かいダメージの発生はある)。
ダメージレベルA判定は国際大会の開催規定となっており、全日本ガンプラバトル選手権の全国大会やガンプラバトル選手権世界大会などの大規模な公式大会に於いて採用される事が多く、予選大会等や練習試合では主にB判定によるバトルが基本となる。
- 聖オデッサ女子学園
聖鳳学園と同じ地区にある有名なお嬢様学校。
女子校ながらガンプラバトルの強豪であり、カオルコが率いるチーム「北宋の壺」は昨年度の西東京地区予選で聖鳳学園のガンプラバトル部を一回戦で下し、ベスト4まで勝ち残るという好成績を収めている。
- 都立成練高等専門学校
情報学科、電子工学科、商船学科など様々な分野のエキスパートを育てる高等専門学校。過去に西東京地区予選を制した強豪校の一つ。
模型部こそ無いものの、科学部チーム「SRSC」は部員達の専門知識やスキルを活かし、高度な戦術と連携を駆使する。
対戦相手に応じてガンプラを変更する事もあり、対戦するチームは事前に情報を得る事が出来ないという強みを持つ。
- 宮里学院高校
前回大会に於ける西東京地区予選の優勝チーム「Gマスター」の所属校。
前回大会にて全国大会初出場を果たすが、我梅学院に敗退。その際に全国大会出場校のレベルの高さを痛感し、リベンジを誓って今期大会に臨む。
- 中水中学
中水中学水泳部チーム「エンゼルフィッシュ」が所属する私立中学校。
模型部やその系列に属する部活動が多数出場するガンプラバトル選手権に於いて唯一水泳部として出場する異色のチーム。
ガンプラバトルでも水着に水泳帽子、水中眼鏡と言う出で立ちに加え、ガンプラも全て水中専用の機体を使用するなど、そのこだわりは強い。
「水中の中なら無敵」と豪語しており、事実水陸両用モビルスーツを駆使した戦闘で右に出る者は居ないが、逆に水が無ければ何も出来ない欠点を持つ。
- 区立常冬中学
チーム「フェイス」が所属する学校。
本大会初出場に加え、使用機体の全てが素組み、ガンプラファイター達もガンプラ初心者という異例のチーム。
素組みのガンプラを用いるが、元ボクシング中学チャンピオンであるシモンの活躍によって、強豪校を次々に撃ち破る活躍を見せる。
- 私立ガンプラ学園
かつてPPSE社と二代目メイジン・カワグチが拓いたガンプラ塾を母体に法人化した、プラモデル製作及びガンプラバトルの専門学校。
詳細はガンプラ学園を参照。
- 我梅学院
鹿児島県代表。全国大会の常連校。
同校のチーム「ホワイトウルフ」は前回の大会で宮里学院を破った実力者であり、全国大会には四年連続出場を果たしている。
- 本牧学園
神奈川県代表。全国大会の常連。前回大会では統立学園に敗れた苦い経験を持つ。
チーム「グレート・K」はリーダーのカリマ・ケイの意向により、大型モビルアーマーを用いた蹂躙戦を得意とする。
- 統立学園
新潟県代表。
同校のチーム「SD-R」は三つ子のシキ3兄弟が取り仕切っており、前回大会で本牧学園を破っている。
シキ3兄弟の長男、トシヤがガンプラ学園に対して強い恨みを持っている事もあり、ガンプラ学園打倒へのこだわりは他のチームよりも強い。
- 天大寺学園
大阪府代表。
チーム「ビルドバスターズ」は、予選の最中に関西を代表するモデラーであるサカイ・ミナトがメンバーに加わったことで一躍注目度を上げる。
- グラナダ学園
徳島県代表。
同校のチーム「フォンブラウン」は、フィンランドからの留学生としてヨーロッパジュニアチャンピオンのルーカス・ネメシスを擁する。
- 天山学園
宮城県代表。
同校のガンプラバトルチーム「タイタン」には二年前の全国大会でガンプラ学園と互角に渡り合った凄腕ファイターにして次元覇王流拳法の使い手であるイノセ・ジュンヤが所属する。
理事長はガンプラ界隈に強いコネクションを持ち、業界内でも極秘の機体であったディナイアルガンダムの原型機を調達できるほど深く内通している。
関連動画
外部サイト
関連項目
ガンダム ガンプラ ガンダムビルドシリーズ ガンダムビルドファイターズ 2014年秋アニメ
ガンダムビルドシリーズ
ガンダムビルドファイターズ→ガンダムビルドファイターズトライ→アイランド・ウォーズ/GMの逆襲