「さあ聞かせろよ! おまえの、拳の叫びを!」
CV:冨樫かずみ
人物像
聖鳳学園中等部2年。マイナー武術「次元覇王流拳法」の門下生として、これまで師匠と共に一年近く修行の為に各地を渡り歩いてきた少年。旅が充実していたのか、転入が決まってから1ヶ月遅れで聖鳳学園へやって来た。
同年代の少年少女と比べると小柄で、食欲や睡眠に素直なあたりはどこか小動物を思わせる。
ガンプラバトルが世界的な地位を確立している世の中に於いて、ガンプラはおろかガンダムの存在すら知らない、ある意味で「絶滅危惧種」とも喩えられる人間であり、モビルスーツをロボットと呼ぶなど、ガンダム関連に関しての知識に全くと言っていいほど疎い。
その一方で格闘センスに優れ、中学二年で既に黒帯を持つ有段者。日々の鍛錬も怠らず、早朝のランニングとトレーニングを日課とする。持ち前の向上心と潔さは、ガンプラバトルにおいてもスポーツマンシップとして表れている。
礼儀正しい熱血漢で、社交的な立ち振舞いを心得ている。特に「無礼には無礼で返す」「全力の相手に全力で当たらなければ失礼にあたる」「自分の強さを誇示する者は自分を大きく見せたいだけ」など、師匠の教えを尊重する。
姉はファッション誌の読者モデルをつとめるカミキ・ミライ。既に両親が他界しているため、セカイにとっては彼女が唯一の家族であり、保護者。自身が度々厄介事を起こすこともあり、何かと世話を焼かせているミライに対しては頭が上がらないが、彼女に対しては家族として全幅の信頼を置く。
聖鳳学園へ転入した際、聖鳳には格闘技系の部活動がないことを聞いて落胆していたところ、「究極のバトルができる」というホシノ・フミナの言葉に釣られてガンプラバトル部の部室へと誘われる。
「オモチャでバトルする」という実態に一度は立ち去ろうとしたものの、フミナの強引な勧誘と実演を経て心境が一変。システムの奥深さに感銘を受け、ガンプラバトル部への入部を決める。後にライバルであるコウサカ・ユウマも加わり、チーム「トライ・ファイターズ」を結成する。
ガンプラバトルの「全力で戦える」という魅力から、バトルでは規格外の大技も繰り出すなど、積み重ねてきた研鑽の成果を思う存分反映させていく。
反面、ビルダーとしては初心者そのものであり、レジェンドBB武者號斗丸を作り上げた事からガンプラ制作にも手を出すが、バトルで使用したそれはほぼ素組みの状態であった。
ただし元々不器用という訳ではなく、長年の修行生活もあって手先は器用。簡単な身の回りの物なら自分で作れた事もあり、合宿でシアから手解きを受けた結果ビルドバーニングの修理・整備を手伝う事ができる程度の技術が身についている。
精神面においても当初はガンプラバトルを「武術の代替」として捉えていた節があるが、様々なファイターと交流した結果、トーナメント終盤ではガンプラ制作方面への興味と憧れを口にすることが多くなっている。
色恋沙汰に関しては凄まじいほど鈍感で、お弁当を作ってわざわざ他校まで届けに来たサザキ・カオルコの好意に全く気付いておらず、周囲に呆れられている。
しかも、学園のアイドルであるミライが実姉である事や、学内で可愛いと評判のフミナと親しく、カオルコからも好意を抱かれるその姿は他の男子生徒からすれば文字通り「おいしすぎる設定」であり、嫉妬の念が彼に向けられる事も少なくはない。
一方で、ユウマがミライに想いを寄せていることを快く思っておらず、身内の色恋沙汰には割と神経質なあたりは姉譲り。
戦績
使用ガンプラはビルドバーニングガンダム。
当初はビルドバーニングガンダムがドムの外装を被っていたということもあり、これをドムとして使用していた。
ガンプラバトル初心者でありながら、格闘センスを十二分に活かせるガンプラを得たこともあって素人離れした動きを見せる。その姿はラルさんをして「レイジの再来」と言わしめており、メイジン・カワグチからも「炎の様な少年」と評されている。
自身が拳法の使い手である事もあり、ガンプラバトルに於いても武器を殆ど使用せず、次元覇王流拳法を用いた肉弾戦を展開する。
その一方で次元覇王流拳法の威力を最大限に発揮できるのが地上ステージのみに限られ、射撃が大の苦手であるなど、格闘戦や基本動作以外は初心者に毛の生えた程度(もしくはそれ以下)というアンバランスさを持ち合わせる。
初めてのガンプラバトルでガンプラバトル部を廃部に追い込もうと画策するミヤガ・ダイキのAEUイナクトを破る活躍を見せたが、その直後にユウマのライトニングガンダムに狙撃され思わぬ形で連戦となる。
この際、使用ガンプラであるドムが被弾しているにもかかわらずライトニングガンダムに突進し、ドムは大破するもののその爆発の中からビルドバーニングガンダムを出現させ、劇的なガンプラバトルデビューを飾った(なお、ユウマとのバトルはミライの乱入により中断されたため、決着はつかなかった)。
その後、サザキ・カオルコやサカイ・ミナトなどのライバルと交友を結び、自身の未熟さを痛感しつつもそれを克服するべく前進していく。
特にミナトとのバトルでの敗北は、セカイがガンプラバトルに於いてどのように戦えば良いかを見極めさせ、「ガンプラとファイターが一体化して戦う」というガンプラバトルの境地の一面を極めていく結果となり、それまで苦手としていた宇宙ステージへの適応やガンプラの可動範囲の理解などに繋がり、ガンプラバトル選手権緒戦で一気に注目を集めた。
準々決勝ではイズナ・シモンのその身の上を知りながらも本気でぶつかり合い、良好なライバル関係を構築し、決勝戦に於いてはスガ・アキラ、サカシタ・ヨミと激戦を繰り広げ、ビルドバーニングガンダムとのシンクロを極めた「アシムレイト」を発現させ、全国大会への切符を手に入れた。
その後ラルさんの紹介でヤジマ商事のニールセンラボで合宿を行う事になるが、そこでユウマの宿敵であるアドウ・サガと邂逅。彼とのバトルで敗北を喫し、全国の壁の高さを実感させられるが、それが逆に自らの向上心と闘争心に火を付ける事になる。
そして、アドウとのバトルでの敗北から間を置かずして訪れたキジマ・シア、キジマ・ウィルフリッドの兄妹との邂逅は、彼のガンプラビルダーとしての技量を大きく底上げし、更に全国制覇した強豪とのバトルは機体の限界を超えた大技を編み出すに至る。
全国大会では愛機ビルドバーニングガンダムを強化したトライバーニングガンダムに換え、シキ3兄弟の駆るスナイバル・ドラゴ・ギラに対して先鋒を務め、更には兄弟子イノセ・ジュンヤを激闘の果てに降し彼の目を覚まさせるなど、数々の活躍を見せ、また犬猿の仲であったユウマとの信頼関係も深いものとしている。
一方で戦いの最中、自分に才能こそあれどガンプラバトルでは未だスタート地点に立ったばかりの初心者である事を実感し、いつかトライバーニングガンダムを操るにふさわしい人間になる事を決意。
決勝戦に於いては、キジマ・ウィルフリッド操るトランジェントガンダムと一騎打ちを演じるが、試合時間超過による延長線に突入。その後仲間のガンプラのパーツを使い修復したトライバーニングでキジマを降し、全国制覇を成し遂げた。
その後、表彰式を待たずにシアの下でガンプラ修行を積み、メイジン杯で勃発したガンプラバトルに於いて自力で作り上げた新たな愛機カミキバーニングガンダムを披露し、皆を驚かせた(ただし、カミキバーニングガンダムの制作にはシアが携わっていた事もあり、フミナとカオルコの二人から嫉妬の念を抱かれたのはまた別の話である)。
それから1年後、フミナ、ユウマと共に第14回全日本ガンプラバトル選手権へ挑み、2年連続で西東京代表の座を勝ち取る。
全国大会の直前、ヤジマ商事に新型バトルシステムのテストパイロットに選ばれ、フミナと共にヤジマ商事所有の島に招待される。そこでガンプラに強い興味を抱く謎の少女と出会い、彼女が引き起こした新型バトルシステムの暴走事故を仲間達と力を合わせて収束させた。
ガンダムビルドメタバースでは
2話に登場。3話でも引き続き登場し、同じ続編系作品の主人公であるクガ・ヒロトと戦った。
使用機体は神バーニングガンダム
余談
言動は前作のレイジや機動武闘伝Gガンダムの主人公であるドモン・カッシュに通じるものがあり、不良相手に幼少期の姉と共に写った写真を見せ「この写真の女を見た事はないか?」と尋ねたり、バトル時には「水のひとしずく」の演出が入ったりと色々とセルフパロディをやらかしている。
なお、彼の師匠はドモンと瓜二つの人物である(頬の傷まで全く同じである)。
関連項目
サザキ・カオルコ イズナ・シモン アドウ・サガ キジマ・ウィルフリッド キジマ・シア イノセ・ジュンヤ
ビルドバーニングガンダム トライバーニングガンダム カミキバーニングガンダム ドム