注意
「ルシウス」とタグをつけている作品が多いが、「ルシウス・マルフォイ」とフルネームのタグ付けが利便性を考慮すると望ましい。
概要
『ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』の人物。魔法使いの男性。
『ハリー・ポッターシリーズ』に、ハリー・ポッターの敵ドラコ・マルフォイの父として登場。
純血聖28一族マルフォイ家の当主であり、死喰い人としての裏の顔も持つ。
本編初登場時(2巻)の時点で38歳。(5巻の1995年9月の新聞記事で41歳と報道されていることから逆算。)
プロフィール
Name | Lucius Malfoy
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誕生 | 不明 1953年9月から1954年8月の間 |
血統 | 純血 聖28一族 |
両親 |
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兄弟姉妹 | 不明 |
生家 | イギリス・イングランド、ウィルトシャー、マルフォイの館 |
配偶者 | ナルシッサ・マルフォイ(旧姓:ブラック) |
子 | ドラコ・マルフォイ |
ペット | 🦚白い孔雀(名前不明) |
屋敷しもべ妖精 | ドビー(1992年度まで) |
出身 | ホグワーツ魔法魔術学校 🟢スリザリン寮 |
在学中の地位 | 監督生 |
組織 | 死喰い人 |
杖 |
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守護霊 | なし |
技能 | 公式(出典) |
眼の色 | 灰 |
髪の色 | プラチナブロンド |
肌の色 | 白 |
映画版演者 | ジェイソン・アイザックス |
映画版吹替 | 諸角憲一 |
ゲームEA版CV | 大塚芳忠 |
容姿
プラチナブロンドに灰色の目、白い肌。息子ドラコとそっくりで、顎が尖っている。
映画版では長髪であり、二次創作(ファンアート)でもその設定が反映されることがほとんどである。『死の秘宝』では獄中生活後を反映してか、無精髭が生えていた。
人物
闇の権力者
魔法省や聖マンゴ魔法疾患傷害病院に多大な寄付を施し、コーネリウス・ファッジ魔法大臣の相談役になっている、政財界の黒幕。1992年度まではホグワーツ魔法魔術学校の理事も務めていた。
このように表の世界で権力を振るうだけでなく、裏の世界でも闇の帝王ヴォルデモート卿の部下「死喰い人」として「純血主義」の名のもと暴力を行使している。
死喰い人の中ではリーダー的存在であり、神秘部の戦いで倒れた古参のノットをあっさりと切り捨てていることから、彼よりも地位が高い可能性が高い。ヴォルデモートから彼の分霊箱の一つである「リドルの日記」を預けられるなど、信用されていたことが分かる。顔も広く、クラッブ、ゴイル、ノットに加え、ダームストラング校長のイゴール・カルカロフや魔法省の処刑人ワルデン・マクネアと親しい。セブルス・スネイプはお気に入りの後輩。
同じく純血当主だがマグル融和派であるアーサー・ウィーズリーとは犬猿の仲であり、公然と殴り合いをするほど。
妻と息子への愛
妻ナルシッサ・マルフォイと息子ドラコを溺愛しており、二人からも愛されている。
しかしそれはあくまで待遇面においてであり、躾や教育に関しては厳しい面も見せる。息子を遠方のダームストラング校に入学させようとしたり、マグル生まれであるハーマイオニー・グレンジャーに成績で劣った息子の言い訳を「穢れた血を馬鹿にする前に、それに負けたお前が恥じ入って然るべき(他者を蔑視する前に蔑視できるだけの実力を身に付けろ)」と一蹴したりしている。
ちなみに息子ドラコのミドルネームは「ルシウス」。
狡猾な保身家
とにかく地位に執着し失うことを恐れる性格であり、必ずしもヴォルデモートに忠実というわけではない。また、立場を私的な目的に利用することも多い。ヴォルデモートが謎の失踪を遂げた後は「インペリオによった協力を強制された」と言い訳をしてアルバス・ダンブルドアの側に真っ先に帰参した。ヴォルデモートの復活後はそのことを責められている。
来歴
生い立ち
1953年9月から1954年8月の間に生まれる。正確な誕生日は不明。マルフォイ家のアブラクサス・マルフォイの息子として誕生する。
アブラクサスはホグワーツ魔法魔術学校の「魔法薬学」教授にしてスリザリン寮監のホラス・スラグホーンの知己であり、時の魔法大臣でマグル生まれであったノビー・リーチを失墜させるほど権力を持つ男だった。
学生時代
ルシウスはホグワーツに入学すると、マルフォイ家の伝統に従い、スリザリン寮に所属。
監督生を任されるなど模範的な生徒だった。
後輩にセブルス・スネイプがいた。ルシウスは孤立していた彼を支援した。
死喰い人時代
第一次魔法戦争
歳下でブラック家の令嬢であるナルシッサと結婚、息子ドラコをもうける。
また詳細な時期は不明だが、第一次魔法戦争では後輩であるスネイプや妻の姉ベラトリックス・レストレンジなどと共に死喰い人として活動していた。しかし前述の通り、ヴォルデモートの破滅後には潔白を証明し裁判で無罪を勝ち取り、ダンブルドア側へと帰参した。
戦間期
表向きは闇の魔術や純血主義と距離を置きつつ、ヴォルデモートから預かっていたリドルの日記をウィーズリー家に忍ばせたり、クィディッチ・ワールドカップでは元死喰い人の仲間たちと集まってこっそりマグルの一家に暴力を振るって遊んだりと裏で悪事を働く。
第二次魔法戦争
ヴォルデモートが復活すると、死喰い人に復帰。その中心的な存在として死喰い人を指揮する。
しかし神秘部の戦いで敗退して(映画版ではアントニン・ドロホフとコンビを組んでハリーとシリウス・ブラックと交戦、シリウスにトドメを刺された。)アズカバン送りになったこと、そしてリドルの日記が破壊される原因を作ったことが明らかになったことでヴォルデモートの凄烈な怒りを買い、失墜。
その後は息子のドラコに「ダンブルドアを暗殺する」という無理ゲー任務を与えられたり、杖を奪われたりと、様々なパワハラを受けた。
そんな状況の中でも、ハリー・ポッターを差し出して復権を図るためベラトリックス・レストレンジと言い争ったりと地位のために足掻いていた。
最終的にはホグワーツの戦いに参加しなかったこと、そして妻ナルシッサがハリーを庇ったことによってハリー側へ帰参した格好になった。さらに戦後は死喰い人の残党の捕縛に協力したようで、無罪放免となった。
総評:マルフォイ家の体現者?
偶然もあったとはいえ、散々悪事を働いておきながら、周囲から多少冷たい目を向けられる程度で済んだのはとても世渡りが上手いと言える。続編の『ハリー・ポッターと呪いの子』ではドラコがマルフォイ家の当主となっているため、家も没落していない。ぶっちゃけ勝ち逃げに等しい。
マルフォイ家がそもそも中世くらいから純血主義を掲げつつ裏でマグルとも癒着する(国際魔法使い機密保持法にマルフォイ家当主は意外にも反対の立場を取っていたが、施行後は掌を返してマグル蔑視の典型的な純血一族をやっている)という余りに狡猾な家風。まさにルシウスは一族を体現した男と言えるだろう。
また、妻ナルシッサも同様だが、そもそも基本的に「家族>自分>純血主義やらヴォルデモート」なのであり、極端な話、純血主義や死喰い人の立場も地位のための手段でしかない。闇の陣営についたのは「旗色を明確にしなければ家族が危ない」「闇の帝王が強大なので抗うより従った方が勝ち馬に乗れる」と考えたからだろう。
そういう意味では真に邪悪な男でなく、息子のドラコが人殺しができないのも納得である。
といっても、暴力に頼り、死喰い人として数々の非道を犯してきたことは間違いないが。
また、息子のドラコやその妻アストリア・グリーングラスが改心したのにもかかわらず未だに純血主義を継がせようとしていたり、ヴォルデモート復活や時間軸の混乱といったリスクが高い逆転時計の制作をセオドール・ノットに依頼していたり、反省しているのか微妙な描写も見受けられる(もっとも後者に関してはルシウスの真意は明らかにはなっていない)。
「愛」は何より強い魔法であるウィザーディング・ワールドにおいて、家族愛だけは貫いたマルフォイ一家が破滅を免れたのも当然といえば当然の話である。
余談・裏話
- 原作での神秘部の戦いではベラトリックス・レストレンジの放った呪文を強引に屈折させる技を披露した。これが特別な技術なのかは不明だが、強力な魔女であるベラトリックスに魔法で対抗しているあたり、ルシウスの実力はイメージよりも低いものではなさそうである。
- 映画版では作中で死の呪文を初めて使おうとした人物。ハリーの策略によりドビーを解雇させられたことに激高して「アバダ……」と詠唱している。あくまで映画版の描写であり、流石に原作ではホグワーツ校内で子供に向かって死の魔法を放つとかいうイカれた真似はしていない。
- 映画版『不死鳥の騎士団』ではシリウスに対して不意打ちできる状況であったにもかかわらず、わざわざ「ブラック!!」と呼んで正面から正々堂々と戦おうとする一面を見せた。事前にシリウスから顔面パンチを喰らって、予言を落っことして壊してしまった(いずれもオリジナル脚本。原作では後者は、呪われてクイックステップをやらされたネビル・ロングボトムにぶつかった故の出来事。)こともあるかもしれないが。
- 彼の使用している杖は、グッズでは45.7センチ(18インチ)に設定されている。これは作中で長さが明らかになった杖の中ではルビウス・ハグリッドに次ぐ長さ。これはゲーム『ハリー・ポッター:魔法同盟』によればルシウス個人のものではなくマルフォイ家の家宝として当主に代々伝わる杖らしく、ギャリック・オリバンダー製であるかも不明(楡+ドラゴンの心臓の琴線の組み合わせ自体はオリバンダーも扱っている)。ヴォルデモートに借りパクされた挙句、ハリーの杖の対ヴォルデモート固有魔法である「黄金の炎」によって破壊され、次期当主ドラコの手には渡らなかった。
- だが映画版では『不死鳥の騎士団』の神秘部の戦いや、『死の秘宝Part2』のようにそれとは別の杖を所持している描写があり、詳細は不明だがそれが個人の杖である可能性がある。
- マルフォイ家の資産運用として「魔法界とマグル界の金銭価値の差額を利用して資産を増やしている」と考察され、二次設定として採用されることが多い。
- 図らずもだがリドルの日記を持ち出した事により、分霊箱の一つが破壊されグリフィンドールの剣がバジリスクの毒を吸収し、分霊箱を破壊する事が出来る様になったりと、間接的にだがハリーがヴォルデモートを打ち倒す力添えをしてしまっていた。(つまり図らずとも一家揃ってハリーの手助けをしてしまった)
関連イラスト
関連タグ
マルフォイ家 ルシナル ナルシッサ・マルフォイ ドラコ・マルフォイ マルフォイの館