スリザリンではもしかして
君はまことの友を得る
どんな手段を使っても
目的遂げる狡猾さ
概要
創設者・出身 | サラザール・スリザリン・湿原(イングランド) |
---|---|
四大元素 | 水 |
談話室・入り方 | 湖に面する地下室(dungeon)・石壁に合言葉 |
特徴 | 鋭敏・向上心・臨機応変・決断力・同胞愛 |
動物 | 蛇 |
色 | 緑と銀(エメラルドグリーンとシルバー) |
宝石 | エメラルド |
スート | ♦ |
創設者の品 | スリザリンのロケット(ロケットペンダント) |
寮旗 | 緑の地に銀の蛇 |
寮監 | セブルス・スネイプ・ホラス・スラグホーン |
ゴースト | 血みどろ男爵 |
解説
狡猾な者が集うとされる寮。
グリフィンドール寮とは因縁の仲であり、寮単位で仲が悪い。
またハッフルパフ寮やレイブンクロー寮との仲も良好ではない。
故に他の3つの寮と完全に決裂している状態に近く、連絡すらまともに取り合えなかった。
その一方でスリザリン生の結束は非常に強い。(個人主義的な寮として知られるレイブンクローとはこの点が対照的である)
しかし本編から1890年代が舞台のゲームホグワーツ・レガシーでは、純潔主義者こそいるが現代ほど排他的ではなく、困っている他寮生を助けようとしたり、他寮生と友人付き合いするスリザリン生も見受けられる。ただし原作者はゲーム制作に関与していない(ホグワーツ・レガシーに限らず、ハリポタのゲーム全般に言える)ので、公式設定と言えるかは際どいラインである。
ダンブルドア曰く、サラザール・スリザリンは自身の寮生に「機知に富む才知(適切な状況判断)、断固たる決意(決断力)、あえて規則を無視する傾向(目的達成志向)」などの才能を求めていた。
代表的なスリザリン生は熟慮の末に行動する現実主義者であり、慎重な立ち回りや、危険を蛇の様にすり抜ける鋭敏さが特徴として目立つ。
野心が強く、防衛に長けている傾向があるために政治家・指導者としての資質を持つものが多く、史上最も偉大な魔法使い・マーリンと史上最悪の魔法使い・ヴォルデモートはどちらもスリザリン出身である。
寮祖のスリザリンは魔法族のみを入学させようとしたことでも有名。そのためスリザリンはマグル生まれの入寮は極少数であり、スリザリン生の多くは純血主義でマグルに対して侮蔑的・差別的な態度を持つものも目立つ(ただし組み分け帽子の選定条件には血統・家柄は含まれない)。これはスリザリンの特性である保守・現実主義とも関連している。
またサラザールが持っていた蛇語もスリザリン生の象徴とされる。これはスリザリンが血統により受け継がれる才能を重視し、さらに畏怖と洗練の象徴として蛇をリスペクトしているからであろう。しかし蛇語は後天的習得が可能であり、邪悪な術には該当しない。
作中の主人公ハリー・ポッターはスリザリンに向いている生徒と組み分け帽子に判断されている。
これはスリザリンが教え子に求めた素質のすべて、大望(自分の実力を試したい欲求)などを当時のハリーが抱えていたからである。
なお組み分け帽子はハリーを「スリザリンが嫌ならば、それならむしろグリフィンドール」と宣言し入寮させた後も、彼がスリザリンへの適性があるという最初の判断も撤回していない。
シンボル
蛇、緑と銀、ダイヤ、エメラルド、水をシンボルとする。
いずれも優雅さや富、権力、洗練された要素である。
緑は古来より希望や調和・回復といったリラックス効果をもたらす癒しの色だが、国や文化によっては毒や魔物、腐敗・嫉妬を示す嫌われがちな色である。
蛇は神や悪魔、死と再生の象徴とされ、古今東西の宗教的象徴に用いられる。
創設者の遺品はロケットペンダント。
またスリザリン生や寮監には魔法薬に優れた者が多い。閉心術に長けた者も目立つ。
談話室
ホグワーツの湖に隣接する地下室で、大理石に囲まれた壮大な雰囲気。
地下にあるためか冷たく陰気な印象を受ける。
しかし緑色の優しげな光に包まれており、湖の内部を見るための窓から水族館感覚で湖内の生物を観察することも可能。
更に詳しく→スリザリン談話室
誤解?
作中の評価やスリザリンの差別主義的なエピソード、実際の多くのスリザリン生の善良とは言い難い人間性が描写されてきたため、多くの読者視点ではスリザリンは犯罪者養成機関のように映り、アウトロー的なイメージや偏見も根強い。これは邦訳の際に、談話室が「ダンジョン(dungeon)」(地下室)から「地下牢」などと物騒に訳されてしまった事も影響しているだろう。
確かに同寮からは闇の魔術師を多数輩出しており、寮内に純血主義や差別意識が蔓延っている事や、作中での悪行及び終盤に闇の魔法使いの根城と化していた事は事実である。物語のラスボス・ヴォルデモートや、闇の魔術師や死喰い人は殆どがスリザリン出身であった事から、この認識が誤りだと断定するのは難しい部分もあるかもしれない。
しかしスリザリンの求める資質はあくまで狡猾さ(鋭い洞察・機転が利く発想・俊敏な行動)や断固たる決意(目的達成の信念・崇高なカリスマ・仲間を守り導くリーダーシップ)であり、決して邪悪さや暴力、差別主義ではない。ヴォルデモートをはじめ多くの混血(設定ではマグル出身者もちゃんといる)が在籍してきており、スラグホーンのように自身が純血でも差別意識を持たないスリザリン出身者も存在する。
スリザリンの評判がここまで悪い、あるいは堕落したのは魔法界に古くから存在してきた純血主義をトム・リドル率いる死喰い人の集団が、テロ活動・扇動・マグル虐殺により悪質なイデオロギーにまで高め、一部の魔法使いの箍が外れたことが一因にある(魔術師を優先する思想や政策は、ヴォルデモートが閃いたアイデアではない)。またグリフィンドールやレイブンクローも悪の魔法使いを輩出している事を忘れてはならない。(しかしハッフルパフは最も犯罪に傾倒する者の輩出数が少ない)
ハグリッドは「間違った道へ進んだ魔法使いはみんなスリザリン出身だ」と言っているが、これは元グリフィンドール生であり、かつスリザリン生トム・リドルに恨みのあるハグリッドの主観と偏見である。実際のところ、卒業生の犯罪率がスリザリンの次に高いのはグリフィンドールであり、現にハグリッドも退学になったのはトム・リドルに嵌められたためではあるが、それがなくても退学にされかねないことをやっていた。
クィディッチにおいてもスリザリンチームは反則の常習犯であり、試合前に審判のマダム・フーチが主にスリザリンチームを睨みながら「正々堂々と戦うのですよ!」と釘を刺している。しかしこれはクィディッチがもともと怪我人が日常的に出る荒っぽいスポーツである上、反則行為による退場や出場停止といった罰則が無いというルール上の問題でもあるだろう。せいぜいボール(クアッフル)が相手チームに渡る程度のペナルティしか無いのであれば、それを受けることになってでも相手チームの勝利を阻止した方が合理的という発想が出てくるのも、無理からぬことではあるだろう。
さらにスリザリンの重んじる狡猾さや自己防衛、野心というのは現実世界では社会的・経済的成功者の多くが持つ資質である。それ故に妬み・恨みを買いやすく、道徳や正義感に欠けると評価されやすい。これはスリザリン出身の成功者であろうホラス・スラグホーンの言動を見ると明白だろう。皮肉だがサラザールが教え子達に求めた資質や美徳は、マグル=魔法のない人間に照らし合わせても、過酷な暗黒時代を生き残るに必要な才能でもあった。
スリザリンは(スリザリン贔屓の寮監がやたらと点を入れまくっていたのもあり)ハリー入学まで連続で寮杯を獲得しており、純血の地位が未だ高いことや、魔法省はヴォルデモートに陥落する前から純血優先・魔法使い優先・人族優先という保守的な気質であったことを踏まえると、スリザリンとはアウトローと言うよりむしろ上級階級的な気風を持つ、いわゆる既得権益層のエリートなのである。(モデルのイギリスの階級制度を考えても)
また、「スリザリン生はみな純血である」と主張するものも居るが、純血の家が28世帯しかなく、28家以外の苗字のものがスリザリンに多数存在する時点で論理が破綻している。作中の主なキャラクターではスネイプ、アンブリッジが該当する。
そのためファンの間では「新入生が入ってきた際、半純血や雑種(所謂純血等に拘らず自由恋愛で家が続いた普通の家)だと判明したとしても聞かなかったことにした上で、"よくよく家系図を調べたら純血だった"事にする暗黙の了解があるのでは?」という説が挙げられる。
スリザリンは身内に甘く結束が固い寮風である事から「血筋はどうあれスリザリンに組み分けされたからには仲間」として秘密裏に守っていたとしても特に違和感は無いかも知れない。実際学生時代のスネイプは、一部の爪弾きにこそ遭っても、ルシウス・マルフォイのような名士の好評を貰ったりマルシベールのような悪友が居たりした辺り、まるで肩身が狭かった訳では無かった。
歓迎メッセージ
おめでとう!私は監督生のジェマ・ファーレイ、スリザリン寮に心から歓迎するわ。スリザリンの紋章は生物の中でも最も賢い蛇、寮の色はエメラルドグリーンと銀、談話室は地下室の隠された入り口の奥よ。すぐに目にすると思うけど、談話室の窓はホグワーツ湖の水中に面しているわ。よく巨大イカが水を吐きながら通りすぎていくし、ときにはもっと面白い生物を見れるわ。神秘的な沈没船といった趣でみんな気に入ってるのよ。
さて、スリザリンについて知っておくべきことがいくつかと、忘れるべきことがいくつかあります。
まず、いくつかの誤解を解いておきましょう。もしかするとスリザリン寮に関する噂を聞いたことがあるかもしれないわね。たとえば、全員闇の魔術にのめり込んでいるとか、ひいおじいさんが有名な魔法使いでないと口をきいてもらえないとか、その手のやつよ。でも、ライバルの寮が言うことを信じればいいってものでもないでしょう。確かに、スリザリンが闇の魔法使いを出したことは否定しないけど、それは他の3つの寮だって同じこと。他の寮はそれを認めないだけなの。それに、伝統的に代々魔法使いの家系の生徒を多く取ってきたのも本当だけど、最近では片親がマグルという生徒も大勢いるのよ。
他の3つの寮があまり触れたがらない、あまり知られていない事実を教えてあげる。マーリンはスリザリン生だったの。そう、かのマーリン、史上最も有名な魔法使いが! マーリンは知識のすべてをこの寮で学んだのよ! マーリンの足跡に続きたいと思わない?それとも、かの輝かしい元ハッフルパフ生、自動泡立ち布巾の発明家であるエグランティーヌ・パフェットのお古の机に座ったほうがマシかしら?
やっぱりね。
スリザリンが何でないかについてはこれで十分ね。スリザリンが何であるか、つまり学校の先端をいく素晴らしい寮だということについて話しましょう。私たちは常に勝利を目指している。なぜなら、スリザリンの名誉と伝統を重んじるから。
それに、スリザリンは他の生徒から尊敬されているわ。確かに、闇の魔法にまつわる評判のせいで尊敬の中には恐怖が混じっていることは否めない。でも知ってる? ワルっぽい評判というのもときとして楽しいものよ。ありとあらゆる呪いの呪文を知っていると思わせるような態度を取れば、誰がスリザリン生の筆箱を盗もうなんて思うかしら?
でも私たちは悪人ではないわ。私たちは紋章と同じ、蛇なの。洗練されていて、強くて、そして誤解されやすい。
たとえば、スリザリンは仲間の面倒を見るけど、これはレイブンクローだったら考えられないことね。連中は信じられないようなガリ勉集団というだけでなく、自分の成績を良くするために互いを蹴落とすことで知られているわ。逆に、スリザリンでは皆兄弟よ。ホグワーツの廊下では不用心な生徒を驚かせるようなことも起きるけど、スリザリンが仲間なら安心して校内を歩き回れるわ。私たちからすれば、あなたが蛇になったということは、私たちの一員になったということ。つまりエリートの一員よ。
だってサラザール・スリザリンが、彼の選ばれし生徒に何を求めていたか知ってる? 偉大なる者の種よ。あなたがこの寮に選ばれたのは、文字どおり偉大になる可能性があるから。もしかすると、談話室にいる生徒の中には、とても特別な運命があるようには思えない人がいるかもしれない。でも、それは心の中にしまっておくべきよ。組分け帽子がこの寮に入れたということは、何かしら偉大な部分があるということなんだから、それを忘れないように。
偉大になる運命にない人たちといえば、グリフィンドールに触れていなかったわね。多くの人がスリザリンとグリフィンドールはコインの両面だって言うけど、私に言わせれば、グリフィンドールなんてスリザリンの後追いをしているだけよ。でもね、中にはサラザール・スリザリンとゴドリック・グリフィンドールは同じような生徒を大切にしたと言う人もいるから、もしかすると私たちは自分たちが思ってる以上に似ているのかもしれない。だからといって、グリフィンドールと慣れ合うわけじゃないわ。グリフィンドールは私たちをやっつけるのが好きなわけだし。もっとも、スリザリンのほうが少しだけグリフィンドールをやっつけるのが好きだけど。
もういくつか知っておいたほうがいいことがあるわ。スリザリンのゴーストは「血みどろ男爵」よ。彼に気に入ってもらえれば、たまに誰かを脅かしてくれるかもしれないわ。でも血みどろになった理由は聞かないこと。聞かれるのが好きじゃないから。
談話室に入る合言葉は2週間ごとに変わるわ。だから掲示板に気を配ること。他の寮の生徒を連れてきてはいけないし、合言葉を教えるのも禁止。談話室には、7世紀以上も部外者が立ち入っていないのよ。
まあ、こんなところかしら。私たちの部屋を気に入るはずよ。私たちが寝るのは、緑の絹の掛け布がついたアンティークの4本柱のベッド、ベッドカバーには銀色の糸で模様が入っている。有名なスリザリン生の冒険が描かれた中世のタペストリーが壁を覆い、天井からは銀のランタンが下がっている。きっとよく眠れるわ。夜、湖の水が窓に打ち寄せるのを聞いているととても落ち着くから。
主なスリザリン生
創世代・中世
- サラザール・スリザリン
- マーリン(ウィザーディング・ワールド)
- 血みどろ男爵/ブラッディ・バロン
高祖世代より上
高祖世代
- ホラス・スラグホーン
- フィニアス・ブラック二世
- モーフィン・ゴーント ※更に上の可能性もあり
曾爺世代
爺世代
- トム・リドル/ヴォルデモート
- エイブリー
- レストレンジ
- アブラクサス・マルフォイ
- オリオン・ブラック
- ヴァルブルガ・ブラック
- ルクレティア・ブラック
- アルファード・ブラック
- シグナス・ブラック
- セドレーラ・ブラック
- ノット・シニア
- アイリーン・プリンス
- ロジエール ※おそらく
- マルシベール ※おそらく
爺世代あるいは親世代
- ドローレス・アンブリッジ
- アミカス・カロー ※おそらく
- アレクト・カロー ※おそらく
親世代
- セブルス・スネイプ
- ルシウス・マルフォイ
- レギュラス・ブラック
- ベラトリックス・レストレンジ
- ナルシッサ・マルフォイ
- アンドロメダ・トンクス
- ロドルファス・レストレンジ
- ラバスタン・レストレンジ
- マルシベール
- エイブリー
- エバン・ロジエール
- ウィルクス
- スカビオール ※おそらく
兄世代
(ハリポタ本編)
子世代
- ドラコ・マルフォイ
- ビンセント・クラッブ
- グレゴリー・ゴイル
- パンジー・パーキンソン
- セオドール・ノット
- ブレーズ・ザビニ
- ミリセント・ブルストロード
- トレイシー・デイビス
- ダフネ・グリーングラス
- アストリア・グリーングラス
- ヘスティア・カロー ※映画のみ
- フローラ・カロー ※映画のみ
- ペネロピー・パジェット
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