概要
『ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』の人物。
魔法使いの男性。
死喰い人。
純血聖28一族レストレンジ家の出身であり、ハリーの名付け親であるシリウス・ブラックの従姉であるベラトリックス・レストレンジと結婚している。
プロフィール
Name | Rodolphus Lestrange
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所属 | 死喰い人 |
血統 | 純血 聖28一族 |
家族 | |
出身 | ホグワーツ魔法魔術学校 🟢スリザリン寮 |
来歴
生い立ち
フランス語のl'étrange『奇妙なもの』またはestrange『異邦人』を意味する名字を持つレストレンジ家は元々フランスの純血の魔法族だがイギリスにも分家が存在している。
ロドルファスと弟ラバスタン・レストレンジはイギリスのレストレンジ家の一員として生まれた。
ロドルファスとラバスタンの父親はヴォルデモート、本名トム・リドルが学生時代に率いていたグループに所属していた「レストレンジ」である可能性がある。
(リタ・レストレンジとは親戚にあたるが直系の子孫でないと思われる。)
学生時代
ロドルファスはフランスのボーバトン魔法アカデミーではなく、イギリスのホグワーツ魔法魔術学校に入学し、組み分け帽子にスリザリン寮に組み分けられる。
スリザリン生の中でもヴォルデモートの思想に傾倒するグループに属していた。
死喰い人時代
ホグワーツ在学中あるいは卒業後、純血の魔女でブラック家分家筋の長女であるベラトリックス・レストレンジと結婚するが、二人の間に子供はいなかった。
ベラトリックスも死喰い人であり、ヴォルデモートからの信頼が厚い夫妻だった。
ロングボトム夫妻への拷問
死喰い人としてのロドルファスの残虐さが窺えるエピソードは、ネビル・ロングボトムの両親、闇祓いのフランク・ロングボトムとアリス・ロングボトム夫妻の拷問であろう。
ヴォルデモートが1981年のハロウィーンの夜に姿を消した際、レストレンジ夫妻は弟のラバスタンとバーテミウス・クラウチ・ジュニアら四人で行方不明となったヴォルデモートの居場所を聞き出すためロングボトム夫妻を拉致し、磔の呪いで拷問をした。
ロングボトム夫妻の精神は崩壊してしまい、この残虐な犯罪は魔法界に大きな波紋を呼び、魔法省は世間の声に押されて犯人逮捕に乗り出した。捕まったロドルファスたちは魔法法律評議会で裁判を受けアズカバンでの終身刑を宣告される。
拷問の結果アリスとフランクはその後の生涯を聖マンゴ魔法疾患傷害病院で過ごさなければならなくなり、息子がいたことも思い出せなくなってしまっていた。
裁判の際、ルシウス・マルフォイのように多くの死喰い人たちはヴォルデモートに服従の呪文を掛けられていたために操られていただけだと弁明した中、ロドルファスの妻のベラトリックスは声高にヴォルデモートへの変わらぬ忠義を叫び彼がいつか復活するであろうと述べた。
憂いの篩で当時の裁判シーンを垣間見たハリーはベラトリックス、バーテミウス・ジュニア以外に「がっしりしていて虚な目の男」と「神経質そうに辺りを見渡す男」と見ているので、そのどちらかがロドルファスである。
ヴォルデモートの復活とアズカバンからの脱獄
1995年6月、肉体を取り戻したヴォルデモートは裁判の際に裏切った死喰い人の面々を糾弾した。
そして捕らえられ裁判にかけられても裏切らなかったベラトリックス、ロドルファスおよびラバスタンらレストレンジ家の面々をもっとも忠実なる従者であると表現し、栄誉を受けるべきであると述べた。
1996年1月、ヴォルデモートの手引きによりアズカバンで大規模な脱走が起こり、ベラトリックス、ロドルファス、ラバスタンら長期収監されていた十人の死喰い人が自由の身となり、大脱獄の末にヴォルデモートのもとに戻った。
ヴォルデモートの復活を認めようとしない魔法省大臣コーネリウス・ファッジの意向を受け、「日刊予言者新聞」はこれ以前に脱獄していたシリウス・ブラックが事件に関与した疑いがあると全くの間違いを報じている。
十人の死喰い人たちは犯した罪があまりにも残酷で悪名高いため、ロドルファスは妻と弟、仲間たちは指名手配の魔女や魔法使いとなり、魔法省からの逃亡の日々を送った。
神秘部の戦い
第二次魔法大戦の初の大規模な戦いと言える神秘部の戦いにロドルファスは妻、弟らと共に参戦している。
ヴォルデモートをかつて消滅させたハリー・ポッターを含めた六人のダンブルドア軍団メンバーはハリーが垣間見た夢からシリウス・ブラックの危機を察知し、魔法省の神秘部へと向かうが、その夢はハリーを誘き寄せ、関わる本人しか入手できないハリーの予言の玉を手に入れるためにヴォルデモートがあえて見せていた罠であった。
ロドルファスら死喰い人はハリーたちを待ち伏せ、戦闘となるが秘密裏に戦闘訓練を実施していたハリーたちは不死鳥の騎士団到着まで持ちこたえた。戦闘中に予言玉は壊れ、ヴォルデモートは魔法大臣らに目撃され11人の死喰い人が捕獲された。
ベラトリックスは逃げ遂せたものの、ロドルファスとラバスタンはアルバス・ダンブルドアに捕縛され、脱獄後1年も経たずに再びアズカバンへと収容されることとなった。
七人のポッター作戦
アルバス・ダンブルドアが殺され、魔法省がヴォルデモートの傀儡となり、1997年の7月にロドルファスら死喰い人たちはアズカバンを再脱獄。
その後、ロドルファスは七人のポッター作戦の襲撃に参加して、負傷したとされるが、それ以降の消息は描かれていない。
レストレンジ家はヴォルデモートからは分霊箱の守護を任されるほどの信用を得ており、作中ではレストレンジ家の金庫が登場した。
人物
妻との結婚、主への忠誠
作中に登場するブラック家の人間は特定の相手への深い愛情で知られており、ベラトリックスの妹たち、マグル生まれの魔法使いと駆け落ちをしたアンドロメダや、夫と子供の幸せを願うナルシッサの愛情の深さが作中で描写されている。
しかし、ロドルファスの妻、ベラトリックスは夫に愛情をしめしたことは作中一度もない。
それどころか夫でありながらベラトリックスとの会話シーンすら存在しない不遇な扱いを受ける。
ロドルファスとベラトリックスの結婚は純血を維持するために義務としての結婚、政略結婚だった。
同じ政略結婚でも夫と良好な関係を築くナルシッサに対し、ベラトリックスが愛を捧げたのはヴォルデモートに対してだった。
ロドルファス自身がベラトリックスに対して愛情を抱いていたのか不明だが、妻への叶わぬ愛と主への敬愛とを抱えていたとしたら上述の死喰い人としての活躍はかなりの献身ぶりである。
また邪推をすると、万が一、ベラトリックスが半純血のヴォルデモートとの子供を妊娠しても、ヴォルデモートの子供であることが公然の事実であろうと公式では夫であるロドルファスの子供となり、純血の魔法使い、魔女の扱いを受けることが可能となるため、夫としてのロドルファスはかなり不遇な境遇にあることがわかる。
名前
ロドルファスはルドルフのラテン語形で『高名な狼』、又はギリシャ語で『バラ色の頬』を意味する。
恐らく死喰い人のモデルであろうナチスの副総統ルドルフ・ヘスに因んだ命名であろう。
余談だが、弟のラバスタンはりゅう座ベータ星のラバスタンであり、アラビア語で「蛇の頭」を意味する言葉に由来すると思われる。
関連イラスト
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ネタバレ
後日譚の『ハリー・ポッターと呪いの子』ではなんとホグワーツ最終決戦後にベラトリックスとヴォルデモートの娘、デルフィーニの師匠となったという事実が明らかになった。
妻と主の忘れ形見を一体どのような思いで育てたのか、その心中は不明だが彼はヴォルデモートの復活を予見していたためその時のために血の繋がらない娘を鍛え上げた。
上述の予見から予言者(Seer、未来を見る者)の才能を保持していた可能性がある。