死喰い人
ですいーたー
闇の魔法使いの集団の一つ。闇の帝王ことヴォルデモート卿の配下たち。原語では「Death Eaters」であり「死喰い人」と訳出された。
主な目的は闇の帝王の悲願である「魔法族の民族浄化=マグルの虐殺」と反対する勢力の殲滅。そのためには死の呪文をはじめとする闇の魔術を躊躇なく多用する。
メンバーは仮面にフードのある黒のローブ、そして左腕には「闇の印」(原語では「ダーク・マーク」)を刻んでいる。
全盛期にはどこを本部にしていたか不明だが、闇の帝王の復活後はマルフォイ家を本拠地にしていたようだ。イギリスのウィルトシャー州にある広大な邸宅で、地下牢を備えている。会合の場はシャンデリアが掲げられた暖炉の広間で、長方形の机に卿を囲うように座る。
一時的な拠点としては、復活前のアルバニアの森とリドル家の屋敷、復活直後のリトル・ハングルトンの墓地、ホグワーツ決戦の際の禁じられた森、叫びの屋敷などが挙げられる。
また、後述するが闇の印による召集が行われた場合、闇の帝王を中心として決まった順の円で並ばなくてはならない。
騎士から捕食者へ
本性を現わす前の卿の信奉者「ヴァルプルギスの騎士」を前身としている。この騎士団はレストレンジやエイブリーといった闇の帝王の学生時代の仲間が初期メンバーであり、アントニン・ドロホフはこの時代からホグワーツ最終決戦まで戦い続けた古参である。
闇の大軍
全盛期には対抗組織不死鳥の騎士団の約20倍の人数であり、かなりの構成員がいたと思われる。
純血名門の当主や魔法省の官僚など、政財界に深く入り込んで権力を持つ者もおり、誰が死喰い人であるのかもなかなか把握されていなかった。死喰い人本人たちですら組織の全容を知ることはなく、闇の帝王のみが全員の名前と顔を知っていたという。
巨人と人狼という闇に関連づけられやすい種族も死喰い人に与していた。また吸魂鬼や亡者(原語では「インフェリ」。魔法で操られた屍)、巨大蜘蛛アクロマンチュラといった紛れもない闇の生物も死喰い人の戦力であった。
魔法省陥落後はドローレス・アンブリッジやアルバート・ランコーンなどの純血主義的な官僚、スカビオールなどの賞金目当ての人攫いも死喰い人に協力していた。また、スタン・シャンパイクやパイアス・シックネスなど服従の呪文により操られ戦わされた魔法使いもいた。
穢れなき血筋
一応、純血魔法使いの集いという体裁をとっているが、実は親や直系の先祖の中にマグルがいたりするメンバーも数多い。(というか実は当の闇の帝王が近親交配を繰り返す事で純々血を保っていたゴーント家の母親とマグルの父親の子供=半純血)
そもそも現在残っている純血は近親交配による障害児の増加等の所謂「血の呪い(同名の呪いがウィザーディングワールドにはあるがそれとは別の強烈なインブリードによる遺伝子学的な意味の"呪い")」を避けるため実はどの純血家もマグル生まれの血を多少なりとも入れており、厳密な純血などゴーント家などを除いて20世紀には絶滅しているのである
蛇の寮に学ぶ
スリザリン寮出身者が多いが、それは過去にサラザール・スリザリンがホグワーツ魔法魔術学校を創設する際に「魔法族のみに魔術を学ばせるべきだ」という主張をしたために純血主義者の多くがスリザリンに集まった事、更に主がスリザリン出身であることによる。しかし他の三寮や他の魔法学校の出身者も存在する。
スリザリン以外の出身の死喰い人
ちなみにハッフルパフは最も闇の陣営に与することが少ないらしく、本編全7巻においてもハッフルパフ出身と明言された死喰い人は登場しなかった。
しかし、逆転時計によって改変された世界では本来の歴史で死亡しているハッフルパフ出身者が死喰い人になってしまった描写があり、彼の貢献によりホグワーツの戦いにて死喰い人の勢力が勝利を収めている。
支配者か隷属者か
幹部や指揮系統などが明文化されておらず、良くも悪くも闇の帝王以外は皆手駒という体裁であるようだ。極端な話闇の帝王一人居ればいくらでも補充は効くうえ余程の特筆戦力にでも当たらない限りは時間稼ぎにもならない。
ただしベラトリックス・レストレンジは卿直々に魔法を教えた&愛称で呼ぶことからも分かるように「副官」として他メンバーとは少し扱いが違う。また、4巻〜5巻ではルシウス・マルフォイが指揮官としての役割を与えられていた。
闇の帝王は特に部下を大切にしておらず、ベラトリックスやスネイプなど数名を除いて「八つ当たりに拷問したり殺しても構わない程度の駒」くらいにしか思っていない。劇中でも無体な扱いを頻発した結果、最終決戦におけるルシウス達の離反へと繋がっていった。
もっとも部下は部下で下っ端連中はただ喧嘩や犯罪がやりたいヤンキーや、おこぼれにあやかり主君の威を借るコバンザメも多かったりするわけだが。不良や暴走族が金目当て&イキってヤクザに入ったらこき使われて酷い目に遭うといった例えがわかりやすいだろうか。
主への絶対の忠誠を要求され、一度死喰い人になれば辞表を出すことはできない。基本的には逃げ出しても刻まれた闇の印で追跡され大概は1年も持たず殺されるという。
ただし、それを抜きにしても心から生涯忠誠を誓っている者も少なくない。実際、ヴォルデモートが完全に倒されてアズカバンに長い間捕まった後でさえも、釈放後に主君の娘に闇の魔術を教え込んだり、それをトリガーに復活を目論んだりと、全く懲りていない者も。
逆にいえば、生半可な覚悟と実力では捨て駒にされるだけであり、前線を張っている死喰い人はそれほどまでに高い忠誠心や実力をもって主君の信頼を得ている、ということである。
つまり、愛する人の敵のもとに潜入捜査しても気付かれずに信頼を得てそれなりの地位に上りつめるということがどれだけ難しいか、それをやってのけることがどれだけすごいことか、改めて思い知らされることだろう。(ただし本気の忠誠心もやはりそれなりには持ち合わせてはいた様子。詳しくは該当記事を参照されたし。)
秘密主義の同盟
前述した通り、闇の帝王のみが死喰い人全員の名前と顔を知っていた。これは一人が魔法省や騎士団に捕まった時に他のメンバーの素性を売るのを防ぐためである。実際にカルカロフが捕まった際はこのシステムがある程度役に立った。
仮面をつけて活動していることもあり、死喰い人同士でも仕事場が同じでなければ互いの顔と名前が一致しなかったのではないだろうか。
一方で、元がスリザリン卒や純血の親戚たちの集まりということもあり、スネイプやマルフォイ周りの死喰い人は皆知り合い同士であり、互いの家にも出入りしている。
全員が戦士
役職も存在しないが、メンバーの得意分野に応じて異なる役割を与えられている。といっても、ほとんどが戦闘員を兼ねており、いざとなれば皆現場に出て戦うことを求められる。
戦闘以外の役割
- 潜入・工作:セブルス・スネイプ、ピーター・ペティグリュー、オーガスタス・ルックウッド、コーバン・ヤックスリー
- 家財の提供:ルシウス・マルフォイ、ロドルファス・レストレンジ
- 闇の生物との外交:ワルデン・マクネア、フェンリール・グレイバック
- 教育:アミカス・カロー、アレクト・カロー
闇の魔術の使い手
許されざる呪文
闇の魔術を躊躇なく使用する。特に三つの許されざる呪文を多用する。これらは魔力と相応の覚悟がなければ使いこなすことができないため、死喰い人の能力は決して低くないことが分かる。
このように闇の魔法使いのエリートという扱いなのだが、後述する卓越した決闘士以外は学生であるハリー達にはめられるなど、正直構成員の質を疑うような場面も多い。
尤も、ハリー達も秘密裏に訓練を積んでおり、本来一流の大人でも非常に苦労する守護霊の呪文の使い手を複数輩出するほどまで成長しているため、少なくとも学生にしては強すぎるというのもあるだろう。
盾の呪文も満足に使えない多くの魔法使いにとってはあんなのでも十分脅威だと思われる。
死の呪いであるアバダケダブラを乱射する描写があるのは闇の帝王とソーフィン・ロウル。服従の呪文インペリオを得意としたのはマルシベールで、拷問の魔法クルーシオはベラトリックス・レストレンジの十八番。
卓越した決闘士
闇の帝王を除けばセブルス・スネイプ、ベラトリックス・レストレンジ、アントニン・ドロホフ、エバン・ロジエールははかなり決闘に優れているようで、勝利数や殺害数が一つ抜けている。
闇の印
焼き印による召集
死喰い人の左腕には栄誉ある「闇の印」が刻まれており、闇の帝王が構成員の誰かの印に触れることで全員の印が焼けつく。これが召集の合図となっており、卿を囲むように決められた順番通り円を描いて立たなくてはいけない。もっとも前述した通り構成員全てを把握しているのが闇の帝王だけであり、いくつも円の並びのパターンが存在する可能性が高い。
また、自分の闇の印を押すことでご主人様へ直接呼び出しをかけることも可能。第7巻ではハリーを見つけた死喰い人がこれをやっていた。もちろん間違いで呼び出したら逆鱗に触れる。
闇の帝王の状態に影響を受けるようで、その復活が近づく頃には色が濃くなっていた。
空に浮かぶ恐怖
闇の印は魔法で空に花火のように打ち上げられることもあり、これは標的の殺害といった死喰い人の犯行の終了時に敵対者への誇示・威圧を目的に行われる。「モースモードル-闇の印よ」と唱えると杖先から髑髏と蛇の紋様が緑に輝きながら空を染める。この呪文は死喰い人以外には秘密とされる。
飛翔する死
主直伝の箒なしの飛翔魔法を使用するメンバーも存在する。本編ではセブルス・スネイプのみが使用したが、映画版では死喰い人はほぼ全員この移動方法であり、黒い煙のように姿を変えて飛んでいる。その姿は吸魂鬼(ディメンター)に似ている。
余談だが闇の帝王の名であるヴォルデモート(vol de mort)とはフランス語で「死の飛翔(飛翔する死)」を意味する。(最後のtは発音しないため厳密には「ヴォルデモー(ル)」)
主
その正体はかつてホグワーツに貢献した優等生トム・リドル。その事実や血筋の秘密(=スリザリンの直系の子孫+実は半純血)を知っている者はほとんどいない。
また、ヴォルデモートという名は秘密の部屋にて、若かりし頃のトム本人が語った通り、トムの本名「トム・マールヴォロ・リドル(Tom Marvolo Riddle)」のアナグラム「私はヴォルデモート卿だ(I am Lord Voldemort)」から取られており、学生時代から特に親しかった者にのみ明かしていたという
雌蛇のナギニを側に置いており、彼女が戦力となることもある。
主要な配下
最強の副官。闇の帝王失踪後、彼を探した一人。闇の帝王に対する忠誠心が非常に強い。帝王からはベラと愛称で呼ばれ、また直々に魔法を教わった弟子でもある。ロングボトム夫妻を廃人に追い込む、シリウス、ドビー、トンクス、フレッドの命を奪うなど、その凶悪な戦闘力はハリーたちに深い傷を残した。
卒業後に加わった。ダンブルドア側に寝返ってからは二重スパイとして主に情報収集を行っている。ヴォルデモートから信頼されており、6巻における功績(ダンブルドアの殺害)で7巻では死喰い人の中での立場もかなり上がっている。
家族にとって都合のいい純血主義がスローガンなために死喰い人になっている(そもそもマルフォイ家が儲けたのはマグルの金銭と魔法界の金銭の差額を利用した増殖バグの結果で、実は秘密保持法施工前はその施工に強烈に反対していたが、施工後は掌を返して純血主義を掲げている)が、特に闇の帝王へ忠誠心が強いわけではない。卿の凋落後に彼を探さず身の潔白を証明した。他の死喰い人を統率するなどかなり立場が強いようだったが、神秘部での失態(5巻)で立場が失墜。妻ナルシッサは死喰い人ではないが夫に協力している。
在学中は秀才であり魔法省官僚の息子として期待されていた。父との不和から死喰い人へ加わる。ベラトリックスと同様闇の帝王に絶対の忠誠を誓っており、失踪後も彼を探した一人。4巻ではホグワーツに潜伏。ワームテールと共謀し闇の帝王の復活に成功した。しかし帝王の最も忠実な部下として迎えられる前に吸魂鬼の接吻を受ける。
友を裏切り死喰い人になった。スパイとして活動し、結果ポッター夫婦を死へ追いやる。闇の帝王の肉体再生に貢献したが、100%恐怖ゆえの臣従であるためか立場が低い。6巻ではスネイプに召使のような扱いをされている。「ワームテール」というかつての友人からのあだ名でデスイーター内で呼ばれている。
正確には死喰い人ではないが、人狼のリーダー格ゆえに死喰い人のローブを着用することを許されている。闇の印を刻むことは許されていない。これは死喰い人が人狼を利用しているだけで内心差別していることの現れか。
当の本人も人狼を増やせるなら他者からの評価などは関係無いので、その事を気にしている様子は一切見せない
父ルシウスの責任を取る形でダンブルドア暗殺という任務を与えられる。死喰い人としては見習い的な立ち位置。
おそらく在学中に死喰い人になったシリウス・ブラックの弟。忠誠心が高かったが、あることがきっかけで裏切りその結果死亡した。詳しくは個別項目を参照。
その他の配下
闇の印を有していたかは不明。ホグワーツの教授で、霊体の闇の帝王に肉体を提供したがハリーに掛けられていた愛の護りの魔法により全身が焼け爛れ死亡。
後年明かされた設定により、彼はヴォルデモートに憑依・支配されていただけで死喰い人になろうとしていたわけではなかったことが判明した。
ダームストラングの校長を務めていた。闇の帝王の復活に怯え逃走するも始末される。
尤も彼はヴォルデモートが一度消滅した際に、保身のため司法取引で多くの死食い人を売っているため仮に馳せ参じたとしても殺されただろうが
魔法省の法執行部の官僚だが闇の帝王の配下。シックネスに服従の呪文をかけ傀儡政権の樹立に貢献する。
ベラトリックスの夫ロドルファスとその弟。ベラトリックスとバーティと共にロングボトム夫妻拷問事件の犯人。
スネイプの学生時代の仲間。先祖もまた死喰い人。
人攫い(原語ではスナッチャー)のリーダー格であり、死喰い人ではないがその手足として動く。賞金が目当て。上司は人狼グレイバック。
高い戦闘力を持つ。リーマス・ルーピンを殺害した。卿の名前が世間に広まり始めた時期からの古参。
ドラコの同期セオドール・ノットの父。ルシウスの友人。寡夫。卿の名が世間に広まり始めた時期からの古参。
- クラッブとゴイル
ドラコの同期ビンセント・クラッブとグレゴリー・ゴイルの父。二人とも巨体。ルシウスに従う。息子たちも死喰い人に協力。
魔法省の危険生物処刑人だが闇の帝王の配下。任務で巨人と接触する。
魔法省神秘部の「無言者」だが闇側のスパイ。カルカロフに告発される。
新体制のホグワーツを副校長として牛耳る。ずんぐりとした兄妹。
ブロンドの巨漢。死の呪いを乱射しギボンを殺す。ドロホフと組んでカフェにいるハリーらを襲撃した。
天文台の塔の戦いでロウルの誤射で命を落とす。
アラスター・ムーディの鼻を削いだ男。降参を拒んだため決闘の中でムーディに殺害された。おそらくスネイプやベラトリックスと同世代。
かつて闇の帝王凋落の前年に任務で死んだ死喰い人。スネイプやベラトリックスと同世代。エバン・ロジエールと年齢も死亡時期も近い。
ラブグッド家を襲撃した二人。トラバースはかつてマッキノン家を皆殺しにした、銀髪で王冠のような髪の男。セルウィンは荒々しい口調の男。
神秘部の戦いでのみ名前が確認される死喰い人。
- リー夫妻
ゲーム「ホグワーツミステリー」に存在。夫婦ともに死喰い人。バーナビー・リーの両親。
- スナイド夫妻
ゲーム「ホグワーツ ミステリー」に存在。夫婦ともに死喰い人。メルーラ・スナイドの両親。学生時代は二人ともクィディッチの選手だった。
第1巻の初期稿にのみ登場。白い手袋を嵌めている洗練された格好の男。ゴドリックの谷でシリウスと出会う。
四名ともファーストネーム不明。卿の学生時代からの最古参で、ヴァルプルギスの騎士のメンバーだと考えられる。ロジエールはドゥルーエラ・ロジエールの可能性あり。その中でもエイブリーとレストレンジは卿と共に「スラグ・クラブ」に参加していた学友。
ネタ系→仲良し闇陣営
【警告】これより先、もう一つの未来が記載されているため閲覧には注意されたし
- セドリック・ディゴリー
- デルフィーニ
セドリック・ディゴリーがネビル・ロングボトムを殺害したことで闇の帝王が勝利したもう一つの未来。
そこでは青銀髪の美貌の魔女がオーグリー様と称えられており、「闇の印」と共に彼女のシンボルである「オーグリーの印」がホグワーツや魔法省に掲げられている。
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