スタン・シャンパイク
すたんしゃんぱいく
『ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』の人物。魔法使いの男性。
迷子の魔法使いを乗せる夜の騎士バス)で車掌を務める青年。
初登場は3巻の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』。ハリー・ポッターをダーズリー家の近所から漏れ鍋へと届けた。
ロンドンの若者
コックニー訛りで喋る青年で、邦訳では江戸っ子訛りに訳された。
コックニーとはロンドン東部の労働者階級で話される方言。ちなみにイギリスでは階級制度の名残が強い。要はスタンはハイクラス(英国魔法社会で言えばマルフォイ家やブラック家といった「純血」たち)とはまるっきり違う世界の人物として描かれているわけだ。
口は災いの元
どうも誇大妄想ないし虚言癖があり、作中では下記の二つの嘘が描写される。
- 1994年のクィディッチ・ワールドカップの会場で、男を誘惑する魔法生物ヴィーラに対し「自分は次の魔法大臣になる」と述べる。
- 1996年9月14日、自分が死喰い人であると嘘をつき、それが原因でアズカバンに収容され、無実の罪で収監中となる。(ハリーはスタンを収監した事を怒っていたが、軽い気持ちでデマを流しいたずらに混乱を招く行為は犯行予告などと同じであり、残念だが当然といえる。)
第7巻では死喰い人に服従の呪文をかけられ、ハリーを襲うが武装解除される。
彼のその後については不明であるが他の犠牲者のようにヴォルデモートの死によって呪いから解放され仕事に戻ったと考えられる。
年齢と謎
スタンは逮捕された時、報道によれば21歳となっている。
したがって生まれたのは1974年9月15日から1975年の9月13日の間ということになる。
1975年の8月31日までの間に生まれたのならば、学年的にハリー・ポッターよりも5学年、9月1日以降ならば4学年年上となる。すなわち年齢的にはパーシー・ウィーズリーと同学年の可能性があるため、いわゆる、兄世代に分類される。
しかし、スタンは1993年に初めてハリーを目撃しているとある。
スタンは生粋のロンドンっ子であり、通常魔法力があればホグワーツ魔法魔術学校に入学することとなる。ホグワーツに在学していた場合、入学式で組み分けの儀式は基本的に全生徒が見ている中で行われる上に注目度の高いハリーの組み分けを見ていないとは考えられない。なぜなのだろうか? まぁスタンがテキトーな性格だったからという可能性も高いが、以下の仮説も成り立つ。
①スクイブ説
片親が魔法族であれば、魔法の力は優性遺伝のため高確率で子に魔法の力は遺伝する。
しかし、魔法の力を持たないマグルから魔法の力を持つマグル生まれの魔法使い、魔女が誕生するように魔法族から魔法の力を発揮できないスクイブが誕生することがある。
魔法界において障がい者に相当するスクイブは魔法を使うことは全くできず、杖を買うことや魔法学校に行くことは許されていないため、スタンが学校に通っていないことが説明が付く。
また作中スタンは原作、映画版の両方で夜の騎士バスの車掌の仕事でハリーの大荷物を自力で運んでいる。
魔法族ならば浮遊魔法(物体を浮かせる魔法)を使うところだが、ハリーの場合はまだ学生で未成年であるためにマグルの暮らす場所で魔法を行使できないという事情がある。
対してスタンの場合は、初登場時17歳ないし18歳であったため、魔法族ならば成人とみなされる年齢でマグルの共同体の中でも魔法の存在を秘匿するというルールに従っていれば臨機応変に魔法を行使できる年齢だったにもかかわらず自力で荷物を運んでいるためスタンがスクイブという可能性はかなり濃厚となっている。
上述の通りスタンは死喰い人だと虚言を言った後に死喰い人によって服従の呪文を掛けられ、ハリーに襲い掛かっている。
ではなぜ死喰い人が魔力の無いはずのスタンを生かしているとすれば、利用価値があったか、血統自体は純血ないし混血だったからだろう。(スクイブのアーガス・フィルチも死喰い人に殺されていない。)
②未就学説
前述の通りロンドンの労働者層を想起させるキャラクターであるが、ホグワーツの学費は魔法省が負担しており、教材費の援助のシステムもあるため、少なくとも経済的な理由ではないだろう。一応ホグワーツ入学は義務ではなく、自宅学習や留学(ボーバトン・アカデミーやダームストラング・インスティチュートなどに入学)も可能である。
ホグワーツは小中高一貫校であると同時に、魔法界の最高学府すなわち大学機関に相当する。(ホグワーツの教職員は原語ではProfessorつまり教授扱いである。)
そのためホグワーツという「大学」以外にも、高校や専門学校、短大に相当するような魔法学校が存在し、スタンはそこに通った可能性もある。
(ややこしい話なのだが、「ダームストラング専門学校」と訳されたダームストラング・インスティチュートは別に日本でいう「専門学校」とは違う。インスティチュートは海外の工科系の「単科大学」の意味であり、ダームストラングはホグワーツやボーバトンと同じく大学相当である。)
③中退説
ホグワーツに入学はしたが、家庭の問題で卒業を断念した可能性もある。
(前述の通りホグワーツの学費は魔法省が負担している、いわゆる公立学校であるため、孤児で財産もないトム・リドルが通えていることからもわかるように少なくとも経済的な心配はない。)
また、ハリーが入学する以前に退学処分となったのかもしれない。虚言がきっかけで逮捕されているくらいだし、あり得なくはないだろう。
出番が多いとは言えないサブキャラクターだが、映画版の影響もあり二次創作では一定の人気がある。ホグワーツのハッフルパフの出身と創作されることが多いようだ。(その場合ニンファドーラ・トンクスと学年が近い同寮生となる。)
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