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「そうだ。最後にして最悪の呪文。『アバダ ケダブラ』…………死の呪いだ」

概要

ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』における魔法のひとつ。

「Curse (呪い)」そして「Dark Arts(闇の魔術)」に分類される。

「Unforgivable Curses(許されざる呪文)」にも指定されている。

文字通り対象の命を奪う殺人魔法。故に最強の攻撃魔法とも言える。

邦訳版の公式名称は「アバダ ケダブラ」であり、中にスペースが入る。Pixivではスペースなしの「アバダケダブラ」表記のタグが一般的。スペースの代わりに中点を入れた「アバダ・ケダブラ」表記のタグが使われることもある。

闇の帝王ヴォルデモート卿を象徴する魔法。涼しい顔で連射する姿は邪悪の一言に尽きる。

魔法の効果

発動

呪文は「Avada Kedavra(アバダ ケダブラ)」。

杖は稲妻(⚡️)を描くように振る。

(ちなみにハリーの額にあるのも稲妻型の傷跡だが、関連性は不明。)

これに「理論の理解」と「強力な魔力」、そして「相手への本気の殺意」が合わさることで、杖からまばゆい緑の閃光が放たれ、当たった相手は苦痛を味わう間もなく即死する。

そして、当然ながらこれで死した人物はいかなる魔法を用いても蘇生できない。

対象

死ぬ際は肉体は内外ともに欠損せず、五体満足健康な死体が残る不思議な状態になるのが特徴。そのため魔法の知識が無いマグルでは死因を特定出来ない。

現に作中でマグルの医者がこの魔法による被害者に対して「死んでいる以外は健康そのもの」と診断している。

無痛だが、例外的にこの魔法から生き残ったヴォルデモートとハリーは「痛みを超えた痛み」「鉄塊にパンチされたような」と表現している。 但し当時どちらも魂が特殊な状態にあり、前者は魂が分裂状態で、後者は自身の魂に別の魂の破片が憑いていた。このことから魂を直接破壊することで肉体を傷つけずに即死させていると推測される。

じゃあ「アバダ・ケダブラを食らったゴーストとは?」と思うかもしれないがウィザーディングワールドにおけるゴーストは死者の魂そのものではなく、生前の完全コピーの残留思念(太った修道士や校長室の肖像画のようなもの)でしかないので本人の魂は欠片も存在しない。

意思だけが世界に焼き付いた存在であるため、成長せず心境の変化もしない、そのため魂が無くても、相応の無念や未練があるとゴーストにはなりうる。

一方で無機物に対してはある程度物理的な破壊力が働くようで、閃光が物に当たると緑色の爆発が起きたり、炎が発生する描写がある。

ポッター家が半壊したのもヴォルデモートがこの魔法を行使した結果である。

防御

プロテゴをはじめとするあらゆる防御魔法を貫通する。(反対呪文が無い。)

これは原語ではバーテミウス・クラウチ・ジュニア

「…And there’s no countercurse. There’s no blocking it.

という台詞で説明されており、いかにこの呪文を正面から使われることが絶望的かがわかる。

魔法史上、呪文を受けて生還した例は1981年「生き残った男の子」ことハリー・ポッターが初めて。後の分析により「古代の魔法に属する犠牲の守り」こそが、この死の呪文に対抗し得る唯一の手段であると判明した。とはいえ向けられた相手を命懸けで護ることも厭わない者の死を大前提とするため結局犠牲を減らすことにはなっていない。

また、軌道上に障害物を置くなど、物理的に防御することは可能。

つまり基本的には「物陰に隠れる」「かわす」といったマグル式の対抗手段しか無いことを意味し、確実な回避には純粋な反射神経と周囲にある物を利用する咄嗟の状況判断能力が求められる。

ちなみに、アルバス・ダンブルドア不死鳥に食べさせるという奇策で呪文を防御したことがある。

また、極めて稀な例だが、兄弟杖から同時に発された呪文がぶつかり合うと直前呪文の黄金の糸に置き換えられる。

欠点

もうこれだけで良いんじゃないかなという効果だが、いくつかのデメリットがある。

  • 強大な魔法力がないと唱えても発動しない

他の許されざる呪文同様、明確な殺意を持って唱える必要があるのに加え、使用者に莫大な魔法力が備わってないと発動しない。そのため使用に足るのは一流の魔法使いのみ。作中でもムーディ(に化けたクラウチJr.)曰く「お前たちが使ったところで鼻血すら出させることもできない」と指摘している。

この呪文を無制限に放つには無尽蔵で無差別的な殺意を抱いた上で莫大な魔力も要する。作中でも連射したのはヴォルデモートとソーフィン・ロウルのみ。最強クラスの魔法力を持つヴォルデモートですら無言呪文や無詠唱での使用は滅多に行わないことから、必要な魔法力の大きさがうかがえる。

  • 場合によってはコストパフォーマンスが悪い

魔法使い同士のタイマン性能では間違いなく最強であるが、致死性の閃光を一本放つのみであり、複数人を同時に殺害する事はできない。

故に使い勝手そのものは「当たれば必ず死ぬ拳銃」程度のものでしかない。

そもそも人を殺傷するに足る魔法はディフィンドコンフリンゴエクスパルソなどいくらでも転がっており、弱い相手にこの魔法でいちいち殺すのは魔法力の効率が悪い。マグル相手にあえて使うとしたら、ヴォルデモートクラスの魔法使いが意図的なオーバーキル、見せしめとして行うぐらいの用途しかないと思われる。

もっとも、この呪文をかけられた相手は確実に死ぬ為、戦闘時に先制できれば100%敵は排除できる。臆病なヴォルデモートとしてはあながちあり得なくない攻撃手段なのかも知れない。

また魔法界では例え重傷を負っても、物理的な怪我なら即死を除き大抵治療できるため、確実に殺せるというメリットはあるだろう。

ただし、前述したように無機物を破壊する作用もあるので、ヴォルデモートがポッター家を半壊させたように、相手を殺す以上の規模の攻撃になり得ることもある。

歴史

中世

吟遊詩人ビードルの物語』によれば、このおぞましい呪文が発明されたのは中世も初頭の頃だった。

国際魔法使い機密保持法の制定に伴いイギリスの魔法使い評議会がイギリス魔法省に再編されると、いくつかの魔法はより厳しい規制を受けることになった。

そして省により「Unforgivable(許されざる)」と指定されたのが、死の呪文磔の呪文服従の呪文の3つであった。

1717年より、死の呪文含む許されざる呪文の使用は基本的に違法行為となったのである。

ちなみに1717年までは決闘で好まれて使われたらしい。

ただし、あくまで呪文が違法化されていなかっただけであって、殺人行為そのものが合法だったわけではないので、一般の魔法使いがこの魔法で自由に他人を殺害して良い時代だったわけではないと思われる。

とはいえマグルの歴史でも、双方合意の上での決闘であれば殺人の罪に問われなかった時代はある(サムライ同士の果たし合いや仇討ちは言うに及ばず、ヨーロッパでは19世紀まで拳銃での決闘が合法だった)ので、魔法使い同士もそうした決闘で命を散らしたものと思われる。

第一次魔法戦争(1970~1981)

闇の魔法使いによる許されざる呪文の濫用への対抗手段として、魔法法執行部部長バーテミウス・クラウチ・シニア闇祓いが死の呪文を含む許されざる呪文を使用することを合法化。血で血を洗う戦争へと発展していった。

あくまで防御不能の即死呪文を連射してくるチート集団に対する特例措置であり、戦争が終焉を迎えた後に廃止された。

第二次魔法戦争(1995~1998)

ヴォルデモートが魔法省を掌握していた間、許されざる呪文の使用がすべての魔法族に合法化された。

ホグワーツでは「闇の魔術」教授となったアミカス・カローから履修する呪文となる。

戦後キングズリー・シャックルボルト大臣のもとで再び許されざる呪文は違法化された。

派生作品における扱い

原作との違い

映画版・ゲーム版など派生作品では、かわすだけだと演出上つまらないと判断されたのか、武装解除呪文などの通常呪文で相殺可能となっている。

あらゆる防御手段が効かないという一番厄介な部分が下方修正され、恐ろしさがスポイルされてしまった

加えて一部のゲーム版では即死という効果すらナーフされていたりする。

当然、原作準拠の考察や二次創作において映画やゲーム感覚で相殺できると書き込んだりしたら総ツッコミを受けるリスクがあるので気をつけよう。

EA版およびLEGO版ゲーム『ハリー・ポッターシリーズ』

EA版『賢者の石』において、終盤の戦いの最中クィリナス・クィレル緑色の煙状の呪文をハリーに放つ。

これがなんの呪文なのか明示されることはなかったが、クィレルの後頭部めがけてみぞの鏡で呪文を跳ね返すとヴォルデモートを倒すことができる。

またLEGO版『炎のゴブレット』で原作のフランク・ブライスの代役として登場した牛乳配達員が緑色の煙状のアバダケダブラで殺害される。

映画版『ハリー・ポッターシリーズ』と映画『ファンタスティック・ビースト』

最強の攻撃呪文ということは変わらないが、前述の通り通常呪文で相殺可能。

また、呪文が行使されてもリリー・ポッターは数秒ほど生きており、思いっきり悲鳴を上げて苦しんでいる。

ゲーム『ハリー・ポッター:魔法の覚醒

警告:この呪文は闇の魔術に対する防衛術の練習にのみ使用してください、使用の際は細心の注意を払うこと

「死の呪い(Avada Kedavra)は、3つの許されざる呪文の最初の呪いである。これを使用すると杖は鮮やかな緑色の光を放ち、対象を跡形もなく即座に破壊する。この呪文を人間に対して行使した場合、アズカバンでの終身刑の判決が下される。」

カード名アバダ・ケダブラ
黑巫師柑橘黑巫師柑橘by
説明対象に中ダメージを与える。これを用いて4度相手ユニットを倒すと、この呪文に即死効果が付与される
種別Spell
レア度Taboo
ダメージ200
20
攻撃対象空、地面
コスト6

魔法覚醒においては単なる手札であり、メインストーリー以外ではだいたい使用可能な呪文。

上述した通りアバダ・ケダブラのカードにはそれらしい但し書きが書かれてはいるが、プレイヤーがいくらこれを使おうとストーリーには何の影響もなく、今作の決闘クラブ(オンライン対戦)ではこのおぞましい閃光が平気で飛び交う。

死の呪文で倒そうが倒されようがバトルが終了すれば復活するし、死んだはずの人間をフィールドに喚びつけたり暴力的な黒い霧に変身できることにくらべればぜんぜんperfectly normalなことなのかもしれないが……

バトルはある程度ストーリーから切り離されていると言えるかもしれない。

ゲーム『ホグワーツ・レガシー

このゲームの舞台は1890年代のホグワーツなので、すでに違法となっている時代だが、プレイヤーの選択次第で法律などおかまいなしに習得できる。プレイスタイルによってはゴブリンや密猟者たちをこの呪文で虐殺する闇の魔法使いが仕上がる。

習得を拒否することもできるが、習得・使用してもゲーム上のデメリットは存在しない

世界観の再現度の高さが評価されるゲームだが、この呪文の説明文も「瞬時に敵を殺す」という非常にシンプルなものとなっており、その通りの効果を発揮する。

映画版と同様に被術者は苦しんでいるかのような声を洩らす。

さすがにボスキャラには効かない(効いたらゲームにならない)が、その代わり主人公の持つ古代魔術の才能を解放することで、呪い状態の敵全てに効果を伝搬させられるようになる。

一発撃つと再使用まで90秒かかるのが難点。

なおCMでも堂々と使用。闇の魔法使いサイドのファンへの販促だろうか?

余談・裏話

語源

JKローリングによると、アバダケダブラは現実にアラム語のまじないとして存在した言葉がもととなっている。それがかの有名な「アブラカタブラ」である。アブラカタブラは「それを滅ぼせ」を意味し、滅ぼされる「それ」とは病のことである。しかしローリングはこれをあえて捻ることを決め、それは「病」ではなく「術者のまえにいる人」に変わった。(Edinburgh Book Festival interview)

ちなみにアブラカタブラのまじない意味の所説にひとつには「雷石を投じて死に至らしめよ」というものも有り、即死呪文であったり、稲妻型に杖を振るのはこれも関係していると推測されることもある。

青緑の閃光?

セブルス・スネイプが当人同士で示し合わせてアルバス・ダンブルドアを殺害する際に死の呪いを使った。その際の閃光の色が映画版では緑ではなく青緑であり、それはスネイプにダンブルドアへの殺意(害意)が無かったから、とする説がある。

しかし、これはファンの妄想、考察に過ぎない。原作および映画版において閃光の色が変化する設定はないし、強い殺意が無ければ呪文は発動しない。

そもそも青緑に見えなくもないが、普通に緑である。

考察

前述の通り、この呪文で命を奪われた者を蘇生することは不可能である。

しかし死の秘宝にてハリーは、本来修復不可能なはずの杖を、ニワトコの杖により強化されたレパロで修繕している。もしかすると、正式な所有者がニワトコの杖で蘇生呪文(リナベイトやエネルベート等)を使えば蘇生できるかもしれない。

とはいえ、いくら魔法界でも死者の蘇生は(ゴーストや蘇りの石など特殊な例を除き)世の理を覆す禁忌な上、ニワトコの杖自体世に出してはいけない程厄介な代物なので、あくまで理論上の話である。

関連タグ

ウィザーディング・ワールド

許されざる呪文

リベル・レギス:ただしこちらはAbrahadabra

ソウルスティール(ロマサガ2)…防御も回避も不能な問答無用の即死技。主人公を殺めた忌むべき技だが、その家族の捨て身の策によって破られる。どことなく術者の風貌も似ているが、命を軽んじる邪法の影響だろうか。

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