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曖昧さ回避編集

  1. 狼の要素をもつ獣人 → 本記事で主に解説
  2. テーブルゲーム汝は人狼なりや?』の通称。『人狼ゲーム』とも。
  3. ホラー小説『屍鬼』に登場する存在 → 後述
  4. 押井守原作のアニメ映画 → JIN-ROH
  5. 墓場鬼太郎』の登場人物。読み方は「ひとおおかみ」 → 人狼(墓場鬼太郎)

なお、2に関してはマイナス検索の観点から誘導先のタグを使う事を推奨する。




概要編集

の獣人を指す言葉であり、最も有名な獣人


大抵、狼の頭と獣の後ろ足を持ち、二本足で直立し、全身が体毛に覆われた姿で描かれる。ただし、作品によっては四本歩行する完全な狼に変身する存在として描かれることもある。


伝承では普段は人間の姿をしており、満月の夜に正体を現す事が多い。

人間時の性格は冷静であったり、粗暴であったり様々だが、非社交的な点は共通している。


その素性においては、元々人狼の血を持つ一族であるケースが多い。


起源など編集

ワータイガーセルキーなど人が動物になる、あるいはそのまた逆のパターンは世界中で確認されているが、人狼の場合、ヨーロッパ各地の伝承が合わさって生まれたものだと考えられる。

北欧に目を向ければオーディンの加護を受けて変貌した狂戦士や、呪いで狼に変じたシグムンド、魔法で狼に変じたシゲイル王の母親の逸話が、ギリシャに目を向ければゼウスに人肉を捧げた罪で狼に変えられたリュカオン王の伝承などが確認できる。いずれも人間が神や呪いの力で変じるパターンである。ヘロトドスの「歴史」によれば、黒海の北に住む民族ネウロイ人が狼に変じると記されているが、こちらでは特に呪いなどに関する記述はない。


逆に狼が人間に化ける話もある。グリム童話『赤ずきん』に登場する赤ずきんちゃんの祖母を食らって変装した例や、日本では年老いた狼が老婆を食い殺して成り代わる鍛冶が嬶の伝承が残されている。こちらのパターンは食い殺した人間に成り代わる傾向にあるようだ。


変化球として自分を狼男だと思い込んでいる異常者の逸話もあり、旧約聖書のネブカドネザル王の話がそれである。


また、狼男の名前を関する病が存在しており、発毛が激しくなる「多毛症」の別名が狼男症候群と呼ばれていた時期もあった。この他にも狂犬病と結びつけられたりと何かしらの病との関連性を指摘する説もある(実際に「病」の概念は世界各地で妖怪怪物伝承の起源に関わりがある)。


余談であるが、肉食系男子を少し前の日本では「オオカミ」などと呼んでいたりする。初期の赤ずきんちゃんに登場する狼にも「そのような意味が込められていた」との説もある。


吸血鬼との関連性編集

欧州では吸血鬼と関連付けられている。

特に東欧では “人狼が死ぬと吸血鬼と化す” や、バルカン半島では “吸血鬼は一定期間、狼として生きる” 等々の伝承もある。

また、ギリシャで伝承される悪魔・ヴリカラコスを邦訳すると「吸血鬼」と「人狼」と両方を指しているため、上記の伝承を後押ししている

ただし、同じ欧州でも地方によっては “人狼と吸血鬼は敵対関係にある” との伝承も存在する(※上記の説はいずれもイーグルパブリシング出版『萌え萌えヴァンパイア辞典』を参照)。


銀の弾丸が弱点?編集

また近年の創作ではに弱い伝承あるいは設定がある。

これは1941年に公開された映画『狼男』における設定が元になっている。しかしながら、銀の弾丸が魔性に特攻を持つ伝承は近世による創作だけとは限らず、古くから銀がヒ素に不純物として付着している硫黄に反応する性質を利用して毒物の検出に使われたり、グリム童話では銀のボタンを弾丸にして魔女を撃ち落とす話があるなど、銀は神聖なものとして扱われてきた歴史があるからである。


創作における問題編集

創作上の生物であるため、創作において作者によって身体の部位の描き方が微妙に異なってくる。


例えば、狼(=イヌ科)の足指の数が4本であるため、狼男へ変身した後に狼には存在しない足の親指をどういう扱いについて悩みの種である。足の形を狼の後足に近づけつつも指の位置を調整して5本指にするもの、親指は狼爪にして後足から事実上分離させるもの、変身中は親指そのものを退化させて一時的に消滅させるなど、作者によって様々である(これは手を狼の前足もしくはそれに近い形状に変化させる場合でも発生する問題である)。


また、雌の狼男、すなわち狼女の胸の描き方も悩みの種である(これは獣化transfur界隈共通の悩みとも言える)。狼により近づけるために乳房をほぼ消滅させて厚い胸板に変えてしまう作者もいる。乳房を残す場合でもその大きさや毛皮を何処まで覆うのか(乳頭まで完全に隠すのか、乳頭は見える程度に覆うのか、乳頭を中心としか一部もしくは全く覆わないのか)についてもそれぞれの作者によって異なっている。更に腹部に副乳を発生させるのか、その場合の大きさや個数についても作者によって異なってくると言える(一般的に狼の乳頭は左右4対もしくは5対、すなわち8個または10個とされている)。


そして、人間と狼では頭部の構造が大きく異なるため、狼男映画における特殊メイクのように人間の頭部を基本としながら狼のパーツを付けていくのか、(マズル)を伸ばしたり耳の位置を変えるなどの頭蓋骨の変形を伴うような変化を付けてより狼に近づけていくのかも作者によって異なってくる。


つまり、狼男をはじめとする獣化・transfur系作品における変身シーンは作者の発想によって無数のバージョンが存在し得ると言えるのである。



別名・表記揺れ編集

狼男 狼女 銀狼

ワーウルフ

ライカンスロープ

ルー・ガルー:こちらは西インド諸島に伝わって変じたもの。


各言語での呼び名編集

言語カナ表記綴り
英語ウェアウルフ / ライカンスロープWerewolf, Lycanthrope
ドイツ語ヴェアヴォルフWerwolf
スペイン語オンブレ・ロボHombre Lobo
バスク語ギソツォGizotso
ポルトガル語ロビスオーメンLobisomem
フランス語ルー・ガルーLoup-Garou
イタリア語ルポ・マンナロ / ウオモ・ルポLupo Mannaro, Uomo Lupo
フィンランド語イフミッスシIhmissusi
ハンガリー語ファルカシェンベル / ヴェールファルカシュFarkasember, Vérfarkas
ラトビア語ヴィルカシスVilkacis
トルコ語クルト・アダムKurt Adam
ヒンディー語ベリヤーマーナヴBheriyamanav
タイ語マヌッマーパー / マヌットマーパーManut Mapa
ベトナム語グォイ・ソイ / マー・ソイ / ホン・ソイNguoi Soi, Ma Soi, Hon Soi
マレー語スリガラ・ジャディアンSerigala Jadian
インドネシア語マヌシア・スリガラManusia Serigala
タガログ語タオン・ロボTaong Lobo
スワヒリ語ムトゥ・ンブワMtu-Mbwa
アイヌ語ホロケウオッカヨ(男性) / ホロケウマッ(女性) / ホロケウメノコ(女性)Horkew Okkayo, Horkew Mat, Horkew Menoko
韓国語ヌッテインガンNeukdaeingan
広東語人狼(ヤンロン)Jan Long
中国語狼人(ランレン) / 人狼(レンラン)Langren, Renlang

人狼をモチーフとしたキャラクター編集

狼男狼女の記事も参照

特撮編集

スーパー戦隊シリーズ編集

仮面ライダーシリーズ編集

アニメ編集

ゲゲゲの鬼太郎シリーズ編集

ゲーム編集

文学、漫画等編集

海外編集

その他編集

キャラクター(人物)以外編集



関連タグ編集

獣人 ケモノ  人狼化


似たもの

ウールヴヘジン リュカオン

アヌビス/ウプウアウト:イヌ科動物の頭を持つ神様。

犬人:似てるようで違うもの。


小説『屍鬼』における人狼編集

死亡後に蘇生し、超常的な力を得た人間「屍鬼」の中でも、屍鬼の持つ弱点の多くを克服している存在を指す。


屍鬼は吸血鬼に近い特性であるのに対し、人狼は屍鬼にはない耐久性(漫画・アニメ版ではそれを上回る能力)を持っている。

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獣人 じゅうじん

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