「貴様を倒すのはこのオレ様だ!」
概要
CV:江川央生(64版)、大場真人(アサルト・スマブラX)、高口公介(3DS版・ゼロ・スマブラSP)
スターフォックスのライバルチーム「スターウルフ」のリーダー。
根っからの悪党ながらも(本当の意味では言い切れない)潔い性格で度量の広い親分肌であり、その男気溢れる生き方に惚れ込み、彼に賛同した者は少なくない。本来ならば自分より格上の存在を認めないレオン・ポワルスキーからも信頼が窺えるなどカリスマの持ち主。スターフォックスにおけるダークヒーローと呼べる存在でもある。
またパイロットとしての腕も、ライラット系でも一二を争うだけの実力を持っている。
スターフォックスのリーダーであるフォックス・マクラウドとはお互いを敵と認め合うライバル同士。フォックスの父ジェームズ・マクラウドとは何らかの因縁があるらしいが、その詳細は過去に交戦したこと以外は不明。
ちなみに海外版では「フォックスの才能を見抜いて敢えてチームを離脱した」という設定を持っている。
またアサルトのバトルモードでは、特定の条件を満たすと固有キャラクターとして使用できる。直接戦闘に関わる能力が高く、歩行速度、耐久力は最高値で、ウルフェンの操縦では他の追随を許さないが、スターフォックスの使用するマシンの操縦は不得手。
作品ごとの活躍
『スターフォックス2』におけるウルフ
開発順での初登場は『スターフォックス2』。
当初の彼は、チームのリーダーであることに変わりはないが、彼のみがアンドルフに直接雇われていると思われ、残りのメンバーは彼の部下という設定である。実際、他のメンバーが攻略途中で邪魔をしてくるのに対し、ウルフのみはアンドルフの本拠地に向かおうとするフォックスチームの前に立ちはだかり、最終決戦の前哨戦を仕掛けてくる。アンドルフ軍殲滅→ウルフ襲撃→最終決戦の流れになるのだが、ウルフ襲撃の直前に一切回復できないため初見殺しになっており、実際ここでパートナーを失ったプレイヤーも結構いるとか。
彼の機体は他のメンバーより性能が高く、またメンバーの中で唯一生き残っている。科白を見るかぎり、スターフォックスチームをライバル視する点は他の作品とほとんど変わっていないようだ。
他のシリーズ作品と決定的に違うのは、彼らが「純粋にアンドルフに雇われただけの傭兵」だということ。そして、スターフォックスチームもまた「ペパー将軍に雇われただけの傭兵」である。交戦中に彼はスターフォックスチームを「ペパーに乗せられていい気になりやがって、いけ好かねぇ野郎だ!」と言っており、敵キャラクターである彼の科白を通して、プレイヤーはスターフォックスチームがあくまでも彼らと同じただの傭兵だと認識させられるのである。
そして最大の違いは彼の性格であろう。度量の広い親分肌という設定は全くなく、それどころか自分の利益の為なら仲間や雇い主の命でさえ平気で狙う、極悪非道のならず者なのだ。
後発の作品で言えばピグマに近い面を持つが、ピグマとて雇い主を手にかけるほど大胆ではない。より悪辣かつ相応の胆力を持ち、それでいて強い相手はきちんと認めるという、悪のカリスマとしての性格がかなり強いキャラクター設定になっている。
『スターフォックス64』におけるウルフ
親分肌という設定が初登場したのは本作から。ただしこの段階ではあくまで裏設定の域を出ず、イベントシーンなど含めてもそれらしい描写は特になく、主人公に対する敵意と執着を見せる敵軍の精鋭部隊隊長としての一面が目立つ。
表向きは、スターフォックスをライバル視するウルフによって結成されたならず者たちの遊撃隊だが、その実態は、アンドルフの手先となったピグマがウルフを担ぎ上げた末に作らせたアンドルフ直属の精鋭部隊。ジェームズとは因縁があり、彼の息子であるフォックスを執拗に狙う。一方でフォックスの実力については「さすがだよ、言う事ねえ」など評価している(ただし「俺よりは下」というニュアンスである)。
初登場はステージ3の「惑星フィチナ」から。基地に仕掛けられた時限爆弾を解除しようとするスターフォックスを妨害するべく襲い掛かって来る。執拗にフォックスの後ろについて狙い撃ちして来るため、まだゲームを始めたばかりのプレイヤーでは対処に困った者もいるはず。宙返りを決めて後ろを取ると「何っ!?」と驚愕する(3DS版では「ちッー!!」舌打ちも追加)。
時間内にスターウルフを全滅させるか、時間切れになるかでルートが分岐する。
防衛衛星ボルスにもフィチナを経由しなければ全員、経由していれば残存メンバーが登場する(全滅していれば現れない)。
真ラスボスルートを進んだ場合、最終ステージ「惑星ベノム」にて再びスターウルフと戦うことになる。ウルフェンは改良が施されて性能が上がっており、スターウルフの面々もサイボーグ化されている(初見でフィチナを経由せず進んだ場合、初登場にもかかわらず全員サイボーグ化されている)。なお、他の面々は痛々しい手術跡が残るのに対し、ウルフだけはなぜか顔中に絆創膏が張ってあるだけというギャグみたいな見た目になっている。N64版はまだ金属パーツに見えなくもないのだが、3DS版はどっからどう見ても絆創膏である。ここでウルフを撃破すると「ばっばかな、俺よりも上なのか・・・・」と現実を突きつけられながら退場する。
『スターフォックスアサルト』におけるウルフ
眼帯のデザインが機械的な物に変わっている。
ならずもののたまり場のコロニー「サルガッソー」を根城にしており、最初はピグマを追ってやってきたフォックス達の前に普通に敵として現れる。
後にコーネリアにおいて自分以外の敵に倒されるのが嫌だったからか、アパロイドの攻撃によりアーウィンを失い窮地に陥っていたフォックスを手助けする事になる(本人曰く「機械野郎に落とし前をつけに来ただけだ」)。
オービタルゲート周域においてはいつの間にか味方ポジションとなっており、ミサイルの撃墜を手助けしてくれる(ちなみにウルフが狙うミサイルを先手で撃墜すると「オレ様の獲物と知ってのことか?」と言われる)。
敵大型ミサイルが接近した際は「ゲート周辺の敵はまかせておけ」とフォックスに大型ミサイルの撃墜を託す、撃ち落とせないでいると「なにもたもたしてやがる、さっさとおとせ!」と苛立つ(=フォックスならミサイルを撃墜できると思っている)など、フォックスの腕をかなり認めている節が出てきている。
アパロイド本星においても(いつの間にゲートを通過したのか)増援として登場し、最後はフォックス達にアパロイドマザーの撃破を託し、そのまま消息を絶つ。
下記のコマンドで生存自体は確認されているが、この時に奮闘空しく撃破されたのか、無事脱出できたのかは定かではない…。
『スターフォックスコマンド』におけるウルフ
序盤早々指名手配になる。その為、ウルフは汚名返上の為に仲間達と行動する。話によっては汚名返上できぬまま出番終了になったり、フォックスを出し抜いて汚名返上を成功させ英雄になったり、フォックスらと一緒に黒幕を倒したりする。
『スターフォックスゼロ』におけるウルフ
ストーリーがリブートされ、『64』とほぼ同様の役回りで登場。
セクターβ宙域から他のメンバーより遅れて参戦し、戦闘が長引いた場合はペッピーをタイタニアへと撃墜、コーネリア防衛軍の砲撃を掻い潜りつつ部隊の引き上げを行う。
サブステージ「ハンター」では互いの味方機が一切登場しない、フォックスとの完全な一騎討ちが展開される。
戦闘時はウルフェンの新機能である対地強襲用歩行形態ハンターや、赤く発光しつつ高速の突進技を繰り出すライトニングトルネイドを使いこなす。ライトニングトルネイドはウルフ機専用の機能であり、どちらの形態でも使用してくる。
F-ZEROファルコン伝説
ジェームズ・マクラウドの戦友の1人に“オドネル”という人物がいたことが語られている。
作中では既に故人であり、上官の裏切りによって見殺しにされてしまった。
このことがきっかけでジェームズは強い人間不信に陥ってしまうこととなる。
オドネルとしか表記されていないが、今村孝矢氏によればウルフとして設定したとのこと。
外部出演
大乱闘スマッシュブラザーズ
第3作『大乱闘スマッシュブラザーズX』、第5作『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』に参戦。
ダッシュのフォックス、ジャンプのファルコに対し、ウルフは空中スピードに優れる。
通常ワザはグローブに付けられた鋭い爪で引き裂いたり、牙で噛みつくなどといったワイルドな攻撃を主体とし、スピードとパワーを兼ね備えている。
必殺ワザはフォックスやファルコと同じような構成だが、彼らと比べるとやや変則的な性能を持つ。
詳しい解説はウルフ(ファイター)を参照。
ちなみにその前の『DX』ではオープニングムービーに登場しており、確認できる限りはフォックスの色違いのような外観だった。
スターリンク バトル・フォー・アトラス(Switch版)
サイドストーリーでスターフォックスの因縁の宿敵として登場。ゼロでは見れなかった全身を本作で確認できる。
アトラスにおける古代のロボット兵器の一種「レギオンプライム(以下プライム)」に目を着け、量産したプライムでコーネリアの支配を企む(コレクションでのキャラクター紹介文によると昔から銀河征服を狙っている様である)。
スターフォックスの追跡には気付いており、手駒に加えていたキャッシュ・グアヴォ、ゾンナ・ヴァンゴア、コーヴァル・グリム等大勢のアウトローには足止めを命じている。
終盤、プライムを括り付けた戦艦をスピンドライブでライラット系にワープさせる準備に移っていたが、スターリンクの助力を得たフォックス達に発見される。シールドジェネレーターやアウトローで時間を稼ぐも、最終的にはスピンドライブとプライムを逆に利用され戦艦は大爆発。計画を潰されたことで恨みを晴らさんとばかりにウルフェンに搭乗して襲い掛かってくる。戦闘BGMはスターウルフのテーマをアレンジしたもの。
DLCの追加ストーリーでも終盤に登場。
一切の収穫も無しにライラット系へ帰る気はなく、巨大戦艦を引っ提げてエキノックス(主人公サイドの母艦)を手に入れようとスターウルフの全員で襲いかかってくる。
新たな必殺技として、一定のダメージを受けた際に獣の頭部を模った巨大なエネルギー状の攻撃を放ってくる。命中してしまうとごっそり体力を持っていかれるため注意。
こちらでの戦闘BGMは戦闘宙域のアレンジ。
関連イラスト
pixivにおけるウルフは、基本的にスマブラ仕様で描かれている。
- 貴重な原作版