概要
『バイオハザードヴィレッジ』に登場するクリーチャーで、本作におけるゾンビの立ち位置に当たる敵。
人狼のような姿をしており、本作の舞台となる村に多数巣食っている。非常に獰猛な性格をしており、鋭い爪や牙、俊敏な動き等を武器に獲物へ襲い掛かる。
ガナードやマジニ、ジュアヴォと同様に人を殺傷するための知性を維持しているらしく、武器を手にしたり、馬に騎乗する等の行動をとる。
正体はマザー・ミランダが、特異菌の菌根の線虫から作り出した寄生体「カドゥ」を用いた人体実験によって生み出したB.O.W.である。
元は現地の村人達であり、1918年から1920年にかけて流行していた疫病・スペイン風邪の治療法と偽り、ミランダが多くの村人を被験者としてカドゥを植え付けた。
カドゥがどう作用するのかは不明だが寄生されたものはスペイン風邪の病症から回復しており、救世主としてミランダが信仰される要因となった。
しかし、時間経過と共にカドゥの寄生が進行。大抵の村人の肉体はカドゥとの適合率が低く、結果として高い攻撃性や凶暴性を持ちながらも、知能の低い怪物(大部分はライカンだが一部例外もある)へと成り果てた。
「原始的なゾンビ」をコンセプトにデザインされ、ライカンという名称はギリシア語で「狼人」を意味する「リュカントロポス」=「ライカンスロープ(lycanthrope)」に由来する。
種類
- ライカン
通常タイプのライカン。群れをなし、鋭い牙や爪での肉弾戦に加え、剣や弓矢などの武器で武装して、複数の群れで獲物に襲いかかる。
特に最初に遭遇した個体は、不意討ちでイーサンの左手に噛みつき、小指と薬指を諸共に食い千切るという強烈な登場を果たした。
動きはなかなか素早く、反射が鈍いと対処に手こずることになるだろう。
劇中で村人がライカン化する場面に遭遇するが、ゾンビと同様にライカンに噛まれた人間は特異菌に感染してライカン化するのか、はたまたミランダ一派によって既にカドゥを注射され遅かれ早かれライカン化する定めであったか、真相は不明。
また、スタッフロールの絵から確認できるが、娘より後にカドゥを注射された父親が娘より先にライカン化の症状が出ている事から、ライカン症状が発症するまでの時間に個人差があると思われる。
※娘が疫病から回復している描写があることから、娘はカドゥに適合していた可能性もある。
- ライカン(大型)
通常のライカンよりも大柄な体格の個体。頭に獣を模したと思われる鉄兜を被り、両腕に複数の刃物を束にして巻き付けている。
その見た目通り、通常のライカンよりも高い体力や攻撃力を誇る。鉄兜は攻撃により弾き飛ばすことが可能。
ライカンから派生した凶暴なクリーチャー。モローがライカンにオオカミの遺伝子を組み込むことで生み出した。なお実験で、モローの助手を食い殺している。
ライカン(大型)よりも大きな体格を持つ他、口が大きく裂け、体毛と髪の毛の境がなくなり、その姿は完全に狼男そのものである。体にかかる負荷により、体毛が白くなっている。両足も狼に似た構造に変化しており、その体格からは予想できない程の俊敏な動きを繰り出し、鋭い牙と爪で攻撃を仕掛ける。
- ヴァルコラック・アルファ
モロー撃破後、ルイザの家の前に一体だけ出現するヴァルコラックの派生クリーチャー。歴戦の猛者らしく、身体中に武器が刺さっている。
ライカンのボス的な存在であるクリーチャー。顔全体を長い体毛や髪の毛で覆っており、ライカン(大型)の2倍程の巨体。
手には巨大な槌を持ち、凄まじい怪力で振り回して敵を粉砕する。更に高い跳躍力を誇り、高く飛び跳ねてからの槌の一撃は脅威的である。
初期設定では、村の長の成れの果てをイメージしていたとのこと。
- ウリアシュ・ストレージャ
ウリアシュの派生クリーチャーで、菌根の番人としてミランダによって配置されている。ウリアシュに似ているが、背中から細い触手が何本も生えており、持っている武器が棘付きメイスに変更されている。
実はウリアシュの素体となった人間とは兄弟関係である。
余談
- 本作の公式イメージソングとして何と吉幾三氏が起用され、『俺ら東京さ行ぐだ』の替え歌が披露された。歌詞では「ライカン毎日ぐーるぐる」というものがあり、最後に吉氏がゾンビに襲われライカンと化すなど、このゲームを代表する敵であることが窺える。
- ちなみにこの歌の中でも、ライカンは漢字で「人狼」と表記されている。
- ライカンスーロプはギリシャ語で「狼」を意味するリュコス(lýcos)と、「人間」を意味するアントローポス(ánthropos)の造語を由良とするため、
ライカン(lycan)のみだとせいぜい「狼にn」になる。