モールデッド
ぶさいくなともだち
バイオハザードシリーズのナンバリングタイトル第7弾である『バイオハザード7』に登場するクリーチャーであり、従来のシリーズにおけるゾンビの立ち位置となる。
植物のツタが束になって人の形を模したようなおぞましい姿をしており、顔には目と思わしき黒い穴のようなものが空いていて、手と口には鋭い爪と牙があり、これらを用いて攻撃してくる。
更に体験版において、攻撃を受けると主人公は何らかのウィルスに感染して徐々に侵食されてしまうことから、かつて人間だった感染者の成れの果ての姿と思われる。
開発スタッフによれば、「“モールデッド”という名前の中に本作の多くのヒントがある」とのことである。
※以下、バイオハザード7の深刻なネタバレ注意
実はモールデッドの正体は、“コネクション”と呼ばれる組織が研究していた『E型特異菌』という新種の“カビ”に近い真菌の菌糸の集合体。劇中では超個体と説明されている。
英語版ではモールデッドの表記が(The) Molded、つまり「カビ化した」クリーチャーとのこと。
この真菌は、一度感染すると体がボロボロになって死に至るのだが、少しでもこの菌に対する耐性を持っていると、変異(作中ではこの変異を“転化”と呼称する)を起こしてこのモールデッドの姿となり、各所を彷徨い歩くことになる。
また、至るところに浸食している菌糸の塊からも直接発生する他に、既に死亡した者に対しても転化を促す事が可能であり、作中ではジャックに殺害されたデイビッド保安官補佐は死後に菌が身体を侵食、更に時間が経過した際には死後硬直や腐敗が始まりながらも、ジャックに切断された箇所を中心に頭部の半分がモールデッドに変化しつつあった。
本編中では
- 通常タイプ、モールデッド
最も多く見掛ける通常タイプ。
- 強化タイプ、フューマー
DLC『Not A Hero』で登場した、通常タイプの強化型。研究所エリアで発見出来る写真によると、識別コードは「WM-002」。
体格は通常タイプよりやや大きいくらいの違いだが、体色は白く身体からは特異菌か高熱によるものなのか、白煙が立ち込めているのが特徴。通常の弾丸を撃ち込まれても即時再生する回復力を持つ。ラムロッド再生阻害弾で即死させる事が可能。
- 片腕が巨大な刃状に変形したタイプ、ブレードモールデッド
寄生体の力を開放したジャック・クラウザーを彷彿させる刃に変形した右腕を持ち、人体を容易に切断する。作中で最初に遭遇した個体は、トラヴィスという男性が“転化”したもの。
- 強化タイプ、ダブルブレード・モールデッド
DLC『End of Zoe』に登場した、両腕が刃に変形した強化個体。他の違いとしては、頭部には赤みを帯びた角のような突起物がいくつも生えている点。
- 四つん這いで動くリッカーのようなリッパータイプ、クイック・モールデッド
- ゲロを飛ばして遠距離攻撃を仕掛け倒すと爆発する肥満タイプ、ファット・モールデッド
- 強化タイプ、ママ・モールド
DLC『Not A Hero』に登場。言うなれば、フューマーの再生能力を備えたファット・モールデッド。識別コードは「WM-001」。
ゲロ飛ばしや突進攻撃、最後っ屁の爆発以外に、後述のリトル・クロウラーという小さな攻撃生物を生み出す事も可能。一発では倒せないが、ラムロッド再生阻害弾を撃ち込んで回復能力を封じれば、通常の弾丸でもダメージを与えられる。
- 派生タイプ、リトル・クロウラー
DLC『Not A Hero』に登場。主にママ・モールドから産み落とされる、過去作の『0』に登場した変異ヒルのような小さなモールデッド。識別コードは「WM-001α」。
母体と違って再生能力を持たず、ハンドガン一発だけで倒せるほど脆弱。一方で飛び掛かっての体当たりからの自爆攻撃はダメージが大きく、必ず集団で襲ってくるためショットガンや各種グレネードなので纏めて素早く倒さないと危険。
といった、様々なタイプが出現する。
特にリッパータイプは体力こそ少ないながらも、攻撃力と機動力が高くしぶといために苦戦することが多く、特に高難易度では非常に危険。
噛みつきや爪での斬撃を攻撃手段とし、足を破壊してもリヘナラドールのように飛びついて噛みついたりしてくる。
作中では“大型肉食獣に匹敵する“とされているだけはあって、見た目よりも耐久性があり、バイオシリーズの雑魚敵の中ではかなり手ごわい部類に入る。
至近距離での顔面ショットガンやマグナム、ハンドガンでのヘッドショットなどが有効なのだが、当たり所が悪ければ何発も撃ち込まねば倒せず、尚且つ今作では弾薬や精製素材(ガンパウダー・薬剤等)の入手量が限られている事もあって、一々相手にしていると弾切れに追い込まれる事もある。
出現方法も直前まで音を立てずに急に角から出てきたり、天井からいきなり降ってきたり、壁をぶち破って現れたりと、ありとあらゆる恐怖をかき立てる手法で襲ってくる。
また、弱点である頭部を片手で庇ったり、リッパータイプなら横に素早く飛び退いたりと防御行動をとるだけの知能を持つものの、いずれのタイプもドアの開閉を理解出来ないために、ドアを閉めて進路を塞ぐだけで、ドア越しで待っているとやがて消滅する。その為、弾薬のやり繰りを考慮すると可能な限りは無視する事も求められる。
体験版では標準固体が1体だけ登場するが、体験版では武器があまりに貧弱なものしか無く倒すのにかなり苦労する。
仮に倒したとしても、モールデッドの攻撃を1回でも受けてしまうと問答無用でバッドエンドが確定してしまうので、さっさとやり過ごすのが一番である。
こんな不気味かつ獰猛な怪物であるが、DLC『ジャック55thバースディ』では、ジャックの誕生日を祝うためか、中折れ帽やパーティー帽子、アメフトのヘルメットなど様々な帽子で仮装して登場。よく見ると、パーティー帽子はこのモードでジャックが被っているものとお揃いだったりする。
中にはどう見ても帽子のサイズが合ってない個体もおり、本編などとは打って変わって愛嬌溢れる一面を見せている。……それでも手強い難敵である事は変わらないが。