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ウィザーディング・ワールド」の「ハリー・ポッター シリーズ」に登場する、主人公ハリー・ポッターのセリフ。


媒体によっては「スリザリンはダメ」とも。

英語だと「not Slytherin」。

コピペ改変されたりと何かとネタにされている。


スリザリン=悪の寮という風評被害の原因でもある。



スリザリンは、嫌なのかね?編集

原作においてハリーがスリザリンを嫌がったそもそもの発端、それはダイアゴン横丁の洋装店で出会ったスリザリン志望の少年(後にドラコ・マルフォイだと分かる)が、初対面からして血統主義丸出しでハグリッドを蔑んだことにある。


その後、ハグリッドから自らの両親の仇ヴォルデモートの出身であるのと、「闇の道に走った者は皆スリザリン出身」だと聞かされ、ハリーのスリザリン嫌悪は決定的になった。

さらにダメ押しはグリフィンドール家系のロン・ウィーズリーと仲良くなったことと、またしても現れたドラコ・マルフォイがロンを嘲笑したこと。


これではハリーがスリザリンを嫌になるなと言う方が無理である。


しかし……。



スリザリンに入れば君は偉大になれる編集

Slytherin Potter (Practice work)

いざハリーが組み分け帽子を被ると、なんとスリザリン行きを勧められてしまう。それに反発して出たセリフが、本記事「スリザリンは嫌だ」である。


帽子曰くハリーはスリザリンに入る素質を備えていた。それどころか、ハリーはスリザリンに入ることで偉大になれる道が開けるらしい。


しかしハリーが嫌だと言うので、「それならむしろグリフィンドール」と叫んだ。無事ヴォルデモートやドラコと同じ寮を回避したのである。


大事なのは選択編集

このエピソードで大切なのは、ハリーが「選択」をしたということである。どう生まれ育ったのかではなく、何を選ぶのか。ダンブルドアの言う通り、それが大切なのである。


作中でも読者にもよく誤解されるが、組み分けの本質は適性よりも本人の前向きな理想にこそある(適性を見ないわけではないが、希望も汲み取って勘案する)。

だからネビル・ロングボトムが「逃げ」からハッフルパフを希望した際は帽子は辛抱強く彼を説得したし、ピーター・ペティグリュースリザリンと迷われながらも最後にはグリフィンドールに行けたのである。


扇面

血統や伝統から派生する繋がりを重視するスリザリンと、騎士道という理想に向かって行動するグリフィンドールの違いも影響しており、「どうありたいか」を帽子に向かって主張するハリーの姿はまさしくグリフィンドールの理想であった。


こいつらは誤解されとる編集

しかし組み分け帽子が推奨したように、ハリーがスリザリンの素質を持っていたことも事実。


そして、スリザリンはハグリッドが言ったように「全員が悪の道に行く」訳ではない。(この発言もぶっちゃけ偏見や差別も良いところである。)


つまりスリザリンも歴としたホグワーツの学寮の一つであり、別に犯罪者養成寮とか学内刑務所とかではない(スリザリン談話室は邦訳の際に「地下牢」と訳されてしまったが、ダンジョンつまり城の地下室であり、まともな住空間。窓がの中に面しており水族館のようなお洒落なラウンジである。だいたいスリザリン談話室が地下牢なら、ハッフルパフの談話室だって地下にあるので地下牢と言える)。

確かに右寄りというか保守的な嫌いはあり、作中では排外主義的な一面がクローズアップされているが、ちゃんと原作を読めば、誤解されているだけで至極真っ当な寮だと分かる。


そもそも読者とハグリッドを始めとするグリフィンドール出身者に誤解されたり多分に贔屓されているだけで、魔法界の世間一般的には優れた寮だと考えられている。スリザリン家系のマルフォイ家ブラック家といった純血は大金持ちだし、魔法省はスリザリン的な政策をとっている。(アーサー・ウィーズリーは省内では冷遇され閑職である。) それにハリーが入学するまでは7年連続で寮対抗戦を制していたのだ。


スリザリンが悪名高くなってしまったのは、単なる研究としての意味合いに過ぎなかった闇の魔術を実行に移し、魔法界に混乱と破壊を齎したヴォルデモートとその支持者の存在に拠る部分が大きい(詳細は後述)。スリザリン出身者が多く、今やヴォルデモート支持者の代名詞とも言えるレストレンジ家も、嘗ては家父長制の強い面こそあったが、博愛の精神を持つ魔法使いの兄弟同家の女性に想いを寄せるほど、優れた人物を輩出し、世間に名だたる家柄を誇っていた。



自己向上のためにあらゆる手段を使う覚悟があり、血縁や地縁による保身を大切にする…… このようなスリザリンの特性は明らかに社会的成功者、経済的成功者の資質である。スリザリンとはアウトローと言うよりむしろ既得権益者と野心家の寮なのだ。

そして基準に合わない者を疎外する一方で、一旦心を開き、仲間と認めた者や親愛の情を持った相手には非常に寛容且つ親身に接する同胞愛を持つ者も多い。マグル生まれであってもリリー・エバンズを一途に愛し続けたセブルス・スネイプや、半純血でもスネイプの才能を高く評価していたルシウス・マルフォイが代表的である。

基本猜疑心に満ちた例のあの人でさえ、一部の部下には多大な信頼を寄せていることがあった。

(原作を読まずに「スリザリンに入ったら就職苦労しそう」とか「スリザリンはいじめられそう」とか言う人がいるが、実態は真逆なのである。)


即ちグリフィンドールとはコインの表裏である。すなわち、表向きはまるっきり対照的でありながら、根本にあるものが似ているのである。

スリザリンは同族の栄光を求め、グリフィンドールはこの世の理想を求める。

そしてそのためにどちらも決然とした態度を取れるのだ。


だからハリーがスリザリンに行ったとしても、それはイコール闇堕ちではない。グリフィンドールに入った時とは少し違う影響を受け、少し違う形で「偉大」になることはあり得るだろうが……。




救えぬもの編集

犠牲のち愛

ただ残念ながらスリザリンについては闇の魔法使いであるヴォルデモートを抜きにして語ることは出来ない。なぜスリザリン寮がこれ程までに闇のイメージを帯びるようになったかと言えば、闇の帝王とその配下である死喰い人の存在はやはり大きい。

スリザリンの末裔にして継承者を名乗ったトム・リドルこそ、スリザリンの質を悪化させ堕落させた張本人だからである。


そもそもヴォルデモート以前に権勢を奮っていた闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドダームストラング中退であり、ホグワーツやスリザリンとは無関係である。ヴォルデモートという化け物が現れたことでスリザリンの「手段の選ばなさ」が暴走したのだ。


マルフォイ家などを見る限りスリザリンの一般人が世界の浄化をどこまで本気で求めているか怪しいものである。マグル生まれによって自分たちの地位が脅かされることに不安はあっただろうが、「魔法省を陥落させて純血が世界の征服者になる」というのは完全なテロリズムであり余りにも過激である。


不安と力を持て余した純血右派・スリザリン閥が、サラザール・スリザリンの権威と膨大な魔法力を持つ男に焚き付けられ、反社テロ組織にまで堕ちていった可能性は高い。


つまるところトム・リドルはスリザリンの最悪の部分が凝縮したような人物だったのだ。


臆病者?編集

繰り返すが、闇の陣営に与したり、ハリーへの嫌がらせをするばかりがスリザリン生ではない。

ここでは典型的なイメージを再考するきっかけになるかもしれないスリザリン生を挙げておく。ただしリストの全員が「善人」というわけではないし、途中で生き方が変化した者も含まれている。



余談編集

掲示板やTwitterなどで他作品キャラクターが帽子を被って「スリザリンは嫌だ」と懇願し、「アズカバン!」に入れられるというネタがある。

そのキャラが作品の内外から嫌われていたり、酷い目にあわされるのがお決まりだったり、実際にとんでもない犯罪者である場合がほとんどである。


関連タグ編集

ハリー・ポッター ウィザーディング・ワールド

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