ニュート・スキャマンダー
にゅーとすきゃまんだー
映画版演者 | エディ・レッドメイン(少年期:ジョシュア・シー) |
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映画版吹替 | 宮野真守 |
『魔法ワールド』の人物にして、『ファンタスティック・ビースト』シリーズの主人公である魔法使いの男性。
フルネームは「ニュートン・アルテミス・フィド・スキャマンダー」。
1897年2月24日生まれ。
物語開始時点では、魔法省の魔法生物規制管理部に所属する役人兼、魔法動物学者。
自宅は南ロンドンにあるアパートで一人暮らしだが、下記のトランクのようにアパートには魔法による隠し地下室を設けているようで、そこにはあらゆる魔法生物を匿う病院のような施設になっている。(彼が不在の際は、アシスタントのバンティ・ブロードエーカーが動物達の世話をしている。)
後にマーリン勲章勲二等を受賞。
学生時代
1908年にホグワーツ魔法魔術学校へ入学、ハッフルパフ寮に組分けられる。(在学中から使っているとみられるハッフルパフカラーのマフラーを現在も使っているあたり、物持ちがいいのかもしれない。)
しかし、在学中にある問題を起こして退学。
魔法省入省〜旅立ち
経緯は不明だがその後に魔法省に入省。「屋敷しもべ妖精転勤室」で2年間勤務した後、魔法生物規制管理部の動物課に異動。そこで目覚ましい業績をあげて昇進した事から漸くその才能が周知され始め、1921年に「魔法動物学者」としての認定を受けた。
その後、とある出版社の人間から「魔法動物に関する著書を出版してみないか」と持ち掛けられ、魔法動物の探求とその当時は勤務における週給が2シックルという安月給の現状だったニュートはこの依頼を承諾。1年を通して魔法のトランクを携え、世界各地を旅することに。
1926年 ニューヨーク
1926年12月、彼が世界中を巡り終えてから「ある目的」の為にアメリカのニューヨークを来訪し、誤ってトランクの中の魔法動物を逃がしてしまう。様々な出来事が重なって巻き起こる状況の中でティナ、クイニー、ジェイコブという仲間と出会い、危機に立ち向かっていく。(『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』)
1927年 パリ
1927年に『幻の動物とその生息地』の初版を出版。瞬く間にベストセラーとなった著書の作者として脚光を浴びるものの、本人は前作で約束を交わしたティナの為にニューヨークへ戻ろうと必死。しかし、先の事件の事もあって国外渡航を禁じられていた。
そんな中、ゲラート・グリンデルバルドの逃亡やクリーデンス・ベアボーンの生存が発覚。恩師の手引きにより、仲間たちそしてティナとの邂逅のため、フランス・パリへと渡ることとなる。(『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』)
1930年代
前作から少し時が流れたが相変わらず魔法動物学者として活躍する裏で、ダンブルドアの指示の下でグリンデルバルドの魔法界支配の目論見を阻止するべく動き始める。その作戦実行の為に集められた魔法使いとマグルの寄り合いである「デコボコチーム」内では、表向きではあるがリーダーの役割を担う。全世界の魔法族を束ねる国際魔法使い連盟の代表選挙を前に、世界を巡りながらグリンデルバルド及びその信奉者達による妨害に立ち向かっていく。(『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』)
彼の持つトランクは、マグルの前では何の変哲もない中身に切り替えることができるが、実際は検知不可能拡大呪文をかけられた代物で、中には沢山の魔法動物達を保護・育成するための住居(バイオーム)となっている。彼の現在の住居の地下もほぼ同じ作りなので、トランクの方はその簡易版といった所か。遠出をした際にニュートはこのトランクの中の小屋とその生息地において動物達の保護や研究、そして本の執筆をしている。
第1作目では長旅の影響か鍵が壊れかけており、独りでに開いてしまう場面があった。そのせいでニフラーが脱走し騒動を起こす事になる。
第2作では鍵は無事に修復されたらしく、さらに外側にピンセットのような小さなものを入れるポケットも追加。
そして第3作では…なんと有事の際はトランク自身に手足が生えて動き回るようになった。
彼の最大の特徴として魔法動物をこよなく愛しており、それらに関する知識が豊富という点があげられる。
魔法動物学に興味を抱いたのは、彼の母親がヒッポグリフのブリーダーを職業としていたのが発端。在学中も魔法動物飼育学を熱心に学び、成人して魔法動物の探求を続けていく上で独自の発見もしている。彼の着用しているコートの裏には、様々な事態に対処できるように多くの道具が仕舞われている(魔法によるものだろうが、ヘルメットやチョッキなども収納している)。
魔法の腕は今の所未知数だが、姿現しを連続使用し崩壊寸前のアパートの一角を丸々修復呪文で修復したり、(防戦一方とはいえ)北アメリカ最強と言われる魔法使いの攻撃をどうにか盾の呪文で防ぐ、果ては熟練の闇祓い達さえ逃げの一手だったグリンデルバルトのプロテゴ・ディアボリカを防ぐなどしているため、並の成人魔法使い以上の実力者であることは間違いない。また、魔法動物の部位や魔法植物を使った魔法薬においても知識は得ていると思われる。
もともと行動力が高いのでかなり大胆な立ち回りもする。普通ならひた隠しにすべき魔法を白昼堂々、マグル(ノー・マジ)の施設の中でマグル相手に使用したり、相手によっては魔法動物捕獲の為なら店のガラスを割って不法侵入もする。そして(魔法動物の手を借りてはいるが)杖無しで杖を持った魔法使いに対抗する場面も見られるので、実は素の腕っぷしはかなり強そう。
上記のように基礎体力もあり、世界中を巡っての旅生活ができる程のアウトドア系の彼が苦手としているのが事務作業及び事務職。それ故に見た人間の怖いものに変身する特性のあるまね妖怪・ボガートは学生期のニュートの前では事務机に変身していた(つまり彼が将来最も就きたくない仕事という意味か)。
だが、ニュートは学校を退学した後に魔法省に入省し、最初の2年間を「屋敷しもべ妖精転勤室」という(本人曰く退屈極まりない部署から恐らく)事務職系の仕事に就いてしまっているので、その当時の彼の心境を思うとかなり泣けるものがある。
非常にマイペースな性格。時折詰めが甘くおっちょこちょいな所があり、長らく魔法動物を追い求めて旅をしてきたせいか人見知りのきらいも少々見られる。元々、ニュートの幼少期から学生時代、そして劇中の時代に置いては魔法界において魔法動物を危険視する風潮が色濃く、そういった点で同じ魔法族の中でも魔法動物に関心の無い者から「変わり者」と揶揄され、本人もその自覚がある。人間嫌いではないものの、人間といるよりはそれ以外の動物達といる方が落ち着くらしい。
一見して受け身の印象が強いが常にそういうわけでもなく、アメリカの魔法界事情を知らない事を追及された際はそれを「時代遅れ」と非難したり、相手が格上の魔法使いであろうとも自分が間違っていると思えばそれを口に出して訴える事ができるくらいに肝は据わっている。
そもそも、彼の魔法動物に対する関心や愛情は言ってしまえばルビウス・ハグリッドに近しいくらいであり、魔法動物がたとえ怪物クラスでもまず観察するくらいには恐れ知らずといってもいいのかもしれない。
劇中で彼は不安がるジェイコブ・コワルスキーに向けて「心配すれば二度苦しむ事になるだけだよ」と発言している。つまり、取り越し苦労と実際の苦労をどちらも受けるくらいなら前者について考えても仕方ないといった事だろうが、ニュートの場合はそんな台詞を言いながらも着々とジェイコブに防護チョッキやヘルメットをつけてやっているのである程度の備えをした上での上記の台詞だと思えば、肝の据わり具合も人より上であって不思議ではないのかもしれない(但し相手が通常の生物の規格外である事が圧倒的なのでやはり常人/魔法使いと比較して変わってはいる)。
魔法動物の事や、有事の際になれば頭の回転や状況判断も素早く、自分の決めた行動に一切迷いなく動ける強さを持つ。まさに単独行動においては有利であるが、その反面魔法省のような「組織」に順ずる事を厭うため、恩師曰く「どんな状況下においても『正しい(正義)』と思う選択を見極める素質があるものの、指示をした所でその通りに動く男ではない」との事。
家族
ニュートの兄。スキャマンダー家は純血の名家で、親族は魔法省に務めているものが多い。両親以外では8歳年上の兄、テセウスがおり、彼は第一次世界大戦において英雄らしく第2作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』で彼が当時のイギリス魔法省での闇祓い局の局長という事が明らかになっている。(ちなみに戦争中はニュートも従軍の経験があり、彼はウクライナ・アイアンベリー種のドラゴンを使った極秘作戦に参加していたとの事)。
兄弟仲は元々二人の自己スタンスが正反対な事もあってそりが合わず、リタの事も含めてその関係はかなり拗れている。ただ、全く愛情が無いわけでもなくテセウスの方は魔法動物云々はともかくとして弟をかなり気にかけているのに対し、ニュートもその点を非難する事は無いが少々オーバー気味な所に難色を示している。
第3作ではそれまでのわだかまりが幾分か解消されたのか、冗談や痴話喧嘩を交えた兄弟らしいシーンが増えている。
ホグワーツ時からの関係者
ニュートと同学年。スリザリン出身の魔女。ニュート曰く「お互いはみ出し者同士」という点でホグワーツ在学中の3年生時から交流を深め、大変仲が良かったが第1作中ではニュートが退学してから長く疎遠になっているとの事(下記の事から本人の言い分が真実かは不明)。それでも彼女の写真を今でも大事にしているあたり未練があるのかもしれない。
……と思っていたら、第2作で母国に戻ってみればその彼女が実兄と婚約するという状態でさらに複雑なものとなっている。それでも、再会した時に二人きりで話している様子は昔と変わらず穏やかで、お互いを案じる所も変わっていない様子。
彼の学生時代には「闇の魔術に対する防衛術」の担当教師であり、恩師。後にニュートが魔法動物が絡んだ事故による退学処分において猛抗議をしており、その頃から恩がある様子(但しその理由はニュート本人も知らない)。また、第2作・第3作で秘密裏に再会し、彼からグリンデルバルドを倒すという密命を受けている。
ニューヨークで出会った仲間たち
アメリカ・ニューヨークに訪れた際、アメリカ人の魔女の姉妹ティナとクイニー、マグル(アメリカではノー・マジと呼ばれる)のジェイコブらと出会い、魔法動物ひいてはアメリカの魔法・非魔法界を巡る騒動に巻き込まれていくことになる。
ニューヨークの銀行でニュートと似たトランクを所持していた事から中身が入れ違い、予想だにしない大騒動に巻き込まれる羽目になったマグル(ノーマジ/只の人間)の男性。
対人関係に難のあるニュートも、騒動を通して彼の大らか且つ陽気、そして懐の広い人柄に信頼と友情を抱くようになる。二人が共に行動している様は、まるでシャーロック・ホームズとワトソンのような関係にも思えてくる。
ニューヨークの騒動からある程度の月日が経ってもその友情は保たれ、イギリスで再会した際は(片方が半ば魔法がかっていたとはいえ)盛大にハグをして再会を喜び、今度はヨーロッパを舞台に旅路を共にする。その最中、大体ジェイコブには魔法界についての解説を行うニュートがごくごく一般的な恋愛相談を彼に持ちかける場面が見られ、この何気ない会話からも二人の信頼関係が深い事が窺える。
第1作でニュートがニューヨークで一番初めに出会う魔法族の魔女。MACUSAに務める元・闇祓い。その出会い方は非常に最悪で、違う国の魔法使いという事もあって魔法動物や魔法界事情に関する認識や価値観が合わなかった…というより、逃げ出した魔法動物の心配が先んじて早く彼女の監視から逃れたがっていた。
騒動を経ていく内に彼女が魔法動物に対する態度を改めたり、成り行きで彼女の過去の事情を垣間見て知った事情で徐々にこちらも信頼を抱くようになる。
第2作では第1作の終盤で交わした約束の為にNYにいるであろうティナの元に戻りたいと思っている程に、本人の中でティナへの想いは大きなものとなっている。尚、数か月程はふくろう便による文通交流をしていた模様。
しかし、発売した本の予想以上の反響による多忙さと先のNY事件に関する咎めも相まって渡航に許可が下りない状況下の中で、悪い事に本人の与り知らない処で大衆雑誌の婚約報道(誤報)によるティナの勘違いで交流を断ち切られていたことが発覚するが、一枚のポストカードによってティナがパリにいる事を知ると、魔法省の提案や恩師の依頼にも靡かなかったパリ行きを決行する。
第3作では彼女が登場しない代わりに、前作以降の何れかのタイミングで彼女から貰ったのか、アメリカ魔法省ロゴ付きの証明写真をトランクの蓋の裏に貼り付けている。また、卒業校・所属寮が同じで友人のユーラリー・ヒックスが、彼と行動を共にしている。
このシリーズの時代背景が闇の魔法使いの脅威が増してきている時間軸なので続編次第でどうなるかはわからないが、彼の著書の前書き通りなら後程この二人はその通り公式が最大手となる。
ティナの妹でMACUSAに務める魔女。開心術の使い手であり、アパートに連れ込まれた際に早速心を読まれて「(イギリス英語)訛りが酷い」と言われてしまう。そしてアパートから逃げ出そうとした際にはさりげない質問で阻止されたり、相手が開心術の使い手だと解ると警戒するなどしている(但しクイニーには「誘惑していないわよ」と当然だが見破られている)。
MACUSAからの逃走と魔法動物捕獲の後にも開心術で心を読まれたりはしたが、過去の事を話したり「お互いの出身学校が世界一だ」と張り合ったりと不思議な距離感で交流をしていた。
その他
1930年代の時点でイルヴァーモーニー校で呪文学の教師をしている魔女。その傍らで『呪文学』の本を執筆しており、互いの本が当時人気があった事とその仕事ぶりや価値観を認め合っている事から文通による交流をしていた模様。そして第3作において作戦を実行する同士としてついに対面する。
名前
ロン・ウィーズリーは、現在ではホグワーツ魔法魔術学校の教科書として採用されているニュートの著作『幻の動物とその生息地』に「(ニュートの)名前がイカシテル」と落書きしている。
というのも彼の名前が下記の通り動物を連想させる名前で構成されているためだ。また彼の妻のポーペンティナ夫人はヤマアラシの意味を持つ。
ニュートン
| 万有引力で知られるアイザック・ニュートンの名字と同じく『新しい街』を意味する古英語由来の名前。アイザック・ニュートンはニコラス・フラメルに触発されて賢者の石に関する原稿を残している。愛称のNewt(ニュート)は英語でイモリの意味。 |
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アルテミス
| ギリシャ神話に登場する月の女神であり、狩猟の女神。また野生の生き物を調教する力を有している。孫の妻となるルーナ・ラブグッド同様に月に縁がある名前。 |
フィド
| ラテン語起源で『信頼』の意味。日本でいうところのポチのように、ラテン語と関わりのある言語文化の国々においてペットの犬を連想させる名前。 |
スキャマンダー
| ギリシャ神話の河の神、スカマンドロスに由来する名前。小アジアのトローアス地方を流れるスカマンドロス河(現在のカラメンデレス川)の河神である。しかしこの名字は炎を纏ったトカゲのような魔法生物、サラマンダーと語感が似た名字であり、愛称のニュートと相まってロンがイカシテルとコメントするのも頷ける。 |
声優
吹き替えの宮野真守は過去にパーシー・ウィーズリーも担当していた。
『ハリー・ポッターシリーズ』本編との繋がり
映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』にて登場した「忍びの地図」によく見るとニュート・スキャマンダーの名前が載っている。どうやら映画版の時空では、ニュートは1990年代にホグワーツに訪問していたらしい。
またハリー・ポッターの1年後輩の友人レイブンクロー寮所属の生徒ルーナ・ラブグッドは、原作本編終了後にニュートの孫ロルフ・スキャマンダーと結婚した。
最近の動向
彼の著書は2017年3月にこのマグル(非魔法族)世界でも出版された時点で改訂53版となっている。其処には2001年に出版された改訂52版には無かった、ニュート本人の新たな前書きが追加されており、これは劇中の重要なエピソードが2017年において初めて著者本人の口から世間に公表されたという設定となっている。
以上の点から、2017年時点でもニュートは魔法動物学者としては引退しているものの存命しているという事がわかる。尚、1926年時点で29歳という設定なので、現在の彼は2017年時には120歳。さすが魔法使い、長寿である。
著者説明の文章が変わっていないところからすると、現在もイギリスの片田舎で夫人と3匹のニーズル(魔法界の猫)と共に隠居生活をしているようだ。
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