概要
アメリカに暮らす「ノー・マジ(イギリス圏でいうマグル、魔法使いでない人)」で、単なる一般人。
第一次世界大戦に従軍した後アメリカに帰国、缶詰工場で働いていたが、パン屋を開きたいと夢見るようになり、銀行の融資を受けに行った際にニュート・スキャマンダーと出会う。
外伝作品だが、ハリー・ポッターシリーズにおいて初となる生粋のマグルのメインキャラクターである。
活躍
1926年12月、銀行へパン屋を開くための融資を受けようとするも受理されず、さらに持参した自作のパンを入れたトランクがたまたまニュートのトランクと似ていた事から両者のトランクが入れ替わり、魔法動物の絡んだ事件がニューヨークに広がって自身も巻き込まれる事になる。後に事情を受け入れるとこれを助けようと奮闘する。また、その最中で魔女クイニー・ゴールドスタインと惹かれ合う。(第1作『魔法使いの旅』)
1927年、前作の出来事は、「怖くはあったが『悪い』思い出ではなかった事から忘却薬の効果対象にならず、しかし自分が覚えていると魔法使いの仲間にとって都合が悪い事を受け入れた」結果として夢と捉えられていたが、念願のパン屋を営む最中でのクイニーとの再会によって現実だったと再認識(1作目のエンディング)。
どのような経緯があったかは不明だがその後彼は彼女に連れられてロンドンにあるニュートの自宅を来訪。クイニーとの結婚記念旅行という事で訪れたというが、実際はクイニーに魔法をかけられて無理やり連れて来られていた。ニュートによって魔法を解かれた後は彼女と口論となり、パリへ向かう彼女に置き去りにされてしまうがそれでもクイニーを追い掛けようとニュートと共に旅立つ事に。(第2作『黒い魔法使いの誕生』)
1930年代、第2作にてクイニーと別れてしまった事にショックを受け、アメリカに戻ったもののマグル界の世界恐慌の影響もあってすっかり落ちぶれた店内で一人塞ぎ込んでいた。しかし、ダンブルドア及びニュートの希望でやってきたイルヴァーモーニーの教師、ユーラリー・ヒックスの説得により再びクイニーと相まみえる事を決意し、唯一の純マグルでありながらデコボコチームに参加。その際、ダンブルドアから魔法の杖を贈られる。(第3作『ダンブルドアの秘密』)
性格
第1作から(主にニュート絡みで)たびたび不運に見舞われるが、それでもニュートに協力したり、レジリメンス(開心術)の才能を持つクイニーにその心根を面白く楽しい人として評価されるなど、その人物像は根っからのお人好しで善人。しかし、戦争の経験からいざとなると体を張った行動もでき、劇中ではそれが突破口になった事もある。
当初はあまりにも不可思議な出来事の連続にニュートたちとの出会いは全て夢の中での出来事だと思い込んでいたが、騒動に巻き込まれていく内に一連の出来事を事実として受け入れるようになるなど、魔法に関しても順応性が高い。
1作目では「魔法使いになりたい」「素晴らしい」と賞賛していた彼だったが、それはニュート達のような善良な魔法使いを見た上での印象であり、2作目では魔法使い達のマグルとの関係における闇の側面を目撃する事になる。
クイニーに関しては所謂一目惚れであり、出会って一日も経ってない内に相思相愛となった。しかしアメリカ魔法界が非魔法族の魔法界干渉に厳しく、自分と交流することでクイニー達が罰せられるのと知ると自ら泣く泣く離れる事を選んだ。
だが第2作では上記の姿勢をクイニーから「臆病」と言い切られ、流石に癇に障った彼も売り言葉に買い言葉で「イカれてる」と考えてしまった(考えただけで言ってはいないが、クイニーのような能力者には言ったも同然と思われた)事が二人の関係に溝を広げる事となるが、それでもクイニーに対する想いは全く変わらず「ハニー」と呼んだり心を読んだりする所も「ちょっとした問題」と発言したりなどして受け入れていて、純粋に愛している。
余談
- 家族構成
詳しくは不明だが、鳩を飼っていたという祖父と彼にパンを焼く楽しさを教えた祖母がいた。物語開始時点はニューヨークの安アパートで一人暮らしをしている。
コワルスキーはポーランドの姓であり、劇中でジェイコブが製作したパンの中で自信を持って薦めていたのもポンチキというポーランドのドーナツである。これは彼の祖母直伝のレシピという事から、ジェイコブはポーランド出身の移民と思われる。
- 婚約者
未公開シーンや関連書籍によれば、ジェイコブは劇中時点でミルドレッドという名の婚約者がいたが、ジェイコブが銀行の融資を受けられなかった事をきっかけに「貧乏な暮らしはもう沢山だ」といって彼に婚約指輪を突き返し、そのまま破局してしまう。尚、劇中のミルドレッドの服装はどこかクイニーの服装に似ている。
そして、物語終盤でパン屋として成功したジェイコブに後程ミルドレッドは寄りを戻そうとしたようだが、ジェイコブはこれを拒否したという。
- 居住地
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」での小道具等の設定における彼の居住区及びパン屋の住所はリビンクトン街となっている。
「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」で「お国は?」と訊かれて「クイーンズ」と答えるシーンが有るが、ニューヨーク市クイーンズ地区はフィクションにおいて「住民は地元愛が強いが治安は悪い」「白人でも後期移民やその子孫または有色人種が多い」と云う描写がされる場合が多い。ジェイコブの経歴からして「それっぽい」場所と言える。