概要
イルヴァーモーニーとは『ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』におけるイルヴァーモーニー魔法魔術学校の略。
魔法世界における魔法学校の一校であり、『ファンタスティック・ビースト』に登場したアメリカの魔法使い、魔女たちの母校として名前が挙げられた。
日本語 | イルヴァーモーニー魔法魔術学校 |
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英語(現地語) | Ilvermorny School of Witchcraft and Wizardry |
学校の特色
歴史
イルヴァーモーニーの歴史には創設者の一人、純血の魔女、イゾルト・セイアの半生に深く関わる。
伯母であるゴームレイス・ゴーントからの迫害から逃れ、アメリカへと渡りついたイゾルトはマグルの青年、ジェームズ・スチュワードと結婚し、孤児の魔法族の兄弟、チャドウィック・ブートとウェブスター・ブートを養育した。
幼少期からホグワーツ魔法魔術学校に憧れを抱いていたイゾルトはチャドウィックが11歳、イギリス・アイルランドならばホグワーツに通える年齢になったのを契機に魔法学校を創設した。
創設当初は優れた杖職人はいなかった上に、教師もイゾルトと魔法の使えないジェームズの二人に生徒のブート兄弟二人が学ぶ、粗末な小屋に過ぎなかった。
しかし、ウェブスターが11歳になることには評判が評判を呼び、学校は拡大していき、創立から約二世紀を経て世界で最も優れた魔法教育機関の一つに数えられるようになる。
学校の形態
国際魔法使い連盟に登録済みの11の由緒正しい魔法学校の一校であるイルヴァーモーニーはイギリスのホグワーツ魔法魔術学校に倣って創設された。
ホグワーツの四つの寮に肖り、創設者の四人の好きなアメリカの魔法生物に因んだ名前の寮、サンダーバード、ワンプス、ホーンド・サーペント、パクワジが創設される。
当初は教員がたったの二人だけの粗末な石造りの小屋だったが、魔法教育の需要に応じて教員が増え、北米中の魔法族の子供たちが通うようになると学校はホグワーツ同様に全寮制となった。
また四人の創設者の内の一人、ジェームズ・スチュワードが魔法の使えない非魔法族、ノー・マジ(マグルの北米表現)であったことからも推察できるように全世界の魔法学校の中で最も民主的な校風で知られている。
またイゾルトと友好的な関係にあったパクワジのウィリアムはイゾルトとジェームズ・スチュアード夫妻に大量の金貨を対価に学校専属の番人・管理人となって以降、イルヴァーモーニーには今日に至るまで多くのパクワジたちが働いている。パクワジたちの多くがブツクサと文句を言い、こんなところにもう働きたくないと言いつつも何年も働き続けている。
その中でとりわけ年老いたパクワジがおり、ウィリアムと呼ぶと答えてくれるらしいが、生きていれば300歳以上となるパクワジのウィリアム本人が生きているのか、そもそもパクワジの寿命がどの程度なのか謎なので真偽のほどは不明。
所在地
アメリカ合衆国、マサチューセッツ州、グレイロック山の山頂に校舎が立てられている。
ホグワーツのように強い呪文でノー・マジの目から隠すために彼らの目にはうっすらとした雲の輪のように見えるようになっている。
イルヴァーモーニー創設時の校舎は石造りの粗末な小屋だったが、拡張されて花崗岩で出来た大きな城になった。
また、敷地内にはイゾルトが植えたスリザリンの杖から生えたスネークウッドの一種と思われる見知らぬ樹木が生えている。
木や枝は切り倒せないが、その葉には強力な薬効がある。
制服
イルヴァーモーニーの制服は創設者にして初代校長であったイゾルトとジェームズ・スチュアード夫妻を讃え、「青」と「クランベリー色」となっている。
青は伯母に捕らえられていたイゾルトが幼い頃に入学を夢見たホグワーツ魔法魔術学校の寮の一つ、レイブンクロー寮のシンボルカラー、クランベリー色はジェームズの大好物のクランベリーパイから採用された。
また制服の前を金色のゴルディオス結び目デザインのブローチで留めるのは、イゾルトの母親の形見である金のブローチに因む。
イルヴァーモーニーの寮
四つの寮
イゾルトの養子であるチャドウィック・ブートが創設した寮で、チャドウィックは好きな動物の名前にちなんで命名した。
「魂」を象徴し、「冒険者」タイプの生徒を好んで選ぶ。
サンダーバードはネイティブ・アメリカンの伝説の鳥。
イゾルトの養子であるウェブスター・ブートが創設した寮で、ウェブスターは好きな動物の名前にちなんで命名した。
「身体」を象徴し、「戦士」タイプの生徒を好んで選ぶ。
ワンプスは豹に似た生き物。
イゾルトが創設した寮で、イゾルトが幼少期に憧れたホグワーツのレイブンクローを髣髴とさせる寮。
「頭脳」を象徴し、「学者」タイプの生徒を好んで選ぶ。
ホーンド・サーペント(角水蛇)とは北米ネイティブ・アメリカンに広くみられる蛇神、竜のこと。
イゾルトは祖先の能力を受け継ぎ、蛇語(パーセルタング)を話せる蛇語話者(パーセルマウス)であり、あるホーンド・サーペントから、「私がおまえの家族の一部になるまでは、おまえの家族は暗い運命を背負っている」と語りかけられたエピソードが存在する。
イゾルトの夫であるジェームズ・スチュアードが創設した寮で、ジェームズは妻から聞いたパクワジのウィリアムにちなんで命名した。
「心」を象徴し、「癒者(魔法世界の医者)」タイプの生徒を好んで選ぶ。
組み分け方法
新入生は大広間に集まり、名前を呼ばれた者は石床の中央に嵌め込まれたゴルディオス結び目のしるしの上に進み出る。
そして四方に飾られた魔法のかかった彫刻の反応を待つ。
サンダーバードが受け入れれば翼を羽ばたかせ、ワンプスが欲しがれば吠え、角水蛇に適性があれば額に嵌め込まれた水晶が輝き、パクワジが認めたならば矢を高く掲げるように動く。
二体以上が同時に特定の新入生を入寮させたがった場合、どちらに入寮するか決定権は新入生に委ねられる。十年に一度の頻度で四つの寮が受け入れたがる新入生が現れ、MACUSA議長を務めたセラフィーナ・ピッカリーは同世代でただ一人その栄光を受け、ホーンド・サーペント寮を選択した。
校歌
映画『ファンタスティック・ビーストシリーズ』の第一作の円盤特典に収録された未公開シーンの中でゴールドスタイン姉妹がイルヴァーモーニーの校歌を歌う場面が存在する。
歌詞に登場する『よき魔女モリガン』とはイゾルト・セイヤのことで、モリガンは動物もどきであった祖先に因んだ愛称であった。
主な関係者
教師
- イゾルト・セイア(イゾルト・スチュアード)
- ジェームズ・スチュアード
- ユーラリー・ヒックス※卒業生にも該当
卒業生・生徒
名前の由来
イゾルテはかつて両親と過ごした家の名前にちなんでイルヴァーモーニーと命名した。
語源は、フランス語で『殺風景な緑の島』を意味するÎle Verte Morneに由来すると思われる。