概要
パクワジもしくはパクブジー(Pukwudgie/Puk-Wudjie/Puck-wudj-ininee)とは、デラウェア州およびプリンスエドワード島に住んでいた先住民ワンパノアグ族の伝承や民話に登場する、身長2~3フィート(約60~90cm)の小さな人型の魔物で、英語では「リトル・ワイルドマン・オブ・ザ・ウッズ・ザット・ヴァニシス(消えた森の小さな野生人)」とも呼ばれている。
背中にヤマアラシのような棘を生やした小鬼のような姿で、自由自在に姿を消したりピューマなどの動物に変身する不思議な力を持ち、様々な魔法の力で火を起こしたり、毒矢を使って敵を倒すといわれている。
昔は人間に対して友好的だったが、いかなる理由かは不明だが(英雄マウショップが怒りっぽい彼らを巨人に頼んで排除しようとしたからともいわれる)現在は敵対的であるので、彼らにちょっかいをかけた者はつきまとわれることとなる。
機嫌を損ねさせた愚か者がいると、そこら中に罠を仕掛けられ、崖があれば突き落とされ、砂があれば目を潰され、槍や短剣で襲撃を受けると信じられ恐れられた。
また同じ集落の者が急に居なくなるのは、彼らによってどこかに連れ去られてしまったからであると信じられている。
文化英雄であるマウショップや、知恵者のスクワニット婆さんと敵対する民話が伝わっており、特に先住民に敬愛されたマウショップに嫉妬し、先住民には危害を加えてこの地から追い払い、マウショップの5人の子およびマウショップ自身も殺害したというバリエーションもある。
なお五大湖周辺に住むオジブワ族やアベナキ族は、悪戯こそすれどそんなに悪辣な存在ではないと伝承している。
創作での扱い
北アメリカ原産の、魔法族にとっても危険な魔法生物で、屋敷しもべ妖精にも似た姿の灰色の肌を持つ小鬼の近縁種。
彼らの名は、北アメリカにあるイルヴァーモーニー魔法魔術学校の寮の一つの名前として知られており「心」を象徴している。
ちなみに組み分けでは「癒者」タイプの生徒を好んで選ぶという。
この寮は、学校創立者の魔女イゾルト・セイアが、アメリカ大陸に訪れた際に出会い、ウィリアムと呼ぶようになったパクワジの事を聞いた、彼女の配偶者のジェームズ・スチュワードによって名づけられ創設された。
その後合流したウィリアムは、自らの種族の名を冠する寮がある事を喜び、さらに報酬を得ることで一族をもってこの学校の番人および管理人となった。
シーズン8の「School Daze:Part2」で敵として登場している。