ウェンディゴ
うぇんでぃご
ウェンディゴ(Wendigo、またはWindigo)とは、カナダのネイティブアメリカンに伝わる冬の魔物、あるいは精霊の事である。
民間伝承由来のためその姿については諸説紛々であり、人間より大きい・人間より小さい・雪男・霊体・映画『チル(原題:WENDIGO)』で登場した鹿の様な怪物・姿はなく声のみなど統一はされてない。いずれにせよカナダの厳しい冬を象徴する魔物であるため、人間にとっては脅威となる存在である。
また伝承によればウェンディゴは非常に抜け目が無く、その姿を人に見せない術を心得ており、一人旅をしている旅人の背後に忍び寄り、その気配だけを悟らせるが、どれだけ素早く振り向いてもその姿を見る事は叶わず、それが何日か続いたのちに、旅人がその不気味さに耐え切れなくなるまで、はっきりとは聞こえない微かな声で囁き続けるとされる。
かなり陰湿な嫌がらせではあるが、これはほんの序の口であり、ウェンディゴに取り憑かれた者は食人衝動にかられ、最終的にはウェンディゴと化してしまうという。ただしウェンディゴ自身が直接危害を加えてくることは無い。
またミネソタ州では死を予兆する幽霊とされ、これが出現すると必ず死者が出るといわれている。
ちなみにイラストでは大抵は巨大な雪男として描かれ、ゲームでは氷系のモンスターとして扱われる。
英単語の語源はアルギック語族アルゴンキン語派に属する言語であるオジブウェー語の「ウィーンディゴー」(または「ウィーンティコー」)/wiindigoo/。クリー語ではウィーホティコー/wīhtikoo/と呼ばれる。アルゴンキアン祖語でフクロウを表すウィンテコワ/*wi·nteko·wa/が語源と思われる。
似たような存在として、ナ・デネ語族アサバスカ諸語を話す人々に伝わるウェチュゲ(英語:Wechuge)という魔物がいる。
カナダのネイティブアメリカンには、稀に冬季に欝状態の後に人を殺して食う者が出る。このような状態をウェンディゴ憑き(ウェンディゴ症)と呼び、ウェンディゴに取り憑かれたために起こるとされる。
ウェンディゴ憑きは、食人前に熱した脂肪を食べさせると治ると言われている。
H・P・ラブクラフトやその友人達が作り上げた架空の神話体系クトゥルー神話には、オーガスト・ダーレスがウェンディゴを基に作ったイタクァ(Ithaqua)という邪神が登場する。
イタクァは「風に乗りて歩むもの」とも呼ばれ、主に北極圏やその近くに出現する。その姿は骸骨のようにやせ細った巨人で、人前に姿を現すときは目の位置に星の輝く人型の雲の姿をとる。
この邪神は冷気を吐く他、自分を目撃した人間を攫って異世界を連れ回して地上に放り捨てたり、人間を眷属の小型のイタクァに変えたりする。
女神転生シリーズにおいて
初登場はデジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ。種族は一貫して邪鬼で(偽典・女神転生では邪神イトハカ(イタクァ)も登場)他の悪魔の色違いだったが、ソウルハッカーズでヘラジカの角を生やし腹部に模様をもつ独自のデザインになった。女神異聞録デビルサバイバーでは序盤の強敵として登場し主人公一行と対峙する。
スーパーロボット大戦において
ツェントル・プロジェクトで開発された人型機動兵器。
猿と骸骨の中間のような見た目が特徴であり、文字通り猿のような素早い動きをする。
また、隠密性にも優れており、特殊なジャミング装置による電波妨害する煙幕を発生させる。
開発者はドナ・ギャラガーであり、試作機が4体まで製作され、その内の1体にはドナの息子であるトニーが乗せられているが、ドナ自身は全身不随で身体を動かす機能を失ったトニーの肉体の代わりとして製作した。
なお、パイロットのトニーはコクピット内の背骨状のパーツを背筋に接続した状態となっており、肉体は完全に脳神経を保存する為の容れ物と化している。
作中ではその性能を示すため地球連邦軍にウェンディゴを仕向けるが、カイ・キタムラが搭乗する量産型ゲシュペンストMk-Ⅱとの戦闘で敗北。乗っていたトニーはカイの手でコクピットブロックごと引きずり出されて保護された。
マイリトルポニーにおいて
「マイリトルポニー~トモダチは魔法~」にウィンディゴ(Windigo)の名で登場。
外見は下半身のない透明な幽霊のような馬。憎悪をエネルギーにする冬の精霊であり、友情の炎でしか打ち負かせない。
Fate/Grand Orderにおいて
期間限定イベント「オール・ザ・ステイツメン!」にてエネミーとして登場(グラフィックはゴブリン)。
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