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餓鬼

がき

餓鬼(梵語:Preta 音写:薜茘多=へいれいた)とは、仏教に由来する妖怪の一種。
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概要編集

六道では地獄の上・畜生動物)の下に位置する。

責め苦がない分地獄よりかは楽だが、食の自由は動物に劣る。

生前、食べ物や財産に対する感謝をせずに、好き勝手に振舞っていたものが落ちる道とされる。


釈迦十大弟子の1人であるモッガラーナ(目建蓮あるいは目連)の母親も死後にここに落ち、それを救う為に始まったのが施餓鬼供養。だが近代になってインドにこの話(盂蘭盆経)が無い事実が判明し、中国で作られた逸話の模様。


江戸時代初期のある年末、現在の滋賀県に位置する加多山興善寺の僧が墓地で餓鬼に出会った。その餓鬼が食物を強請ってきたので鉦に水を汲むと、餓鬼は食物が欲しかったため水を飲み干した後に鉦に噛み付いた。僧が読経すると餓鬼は消えたという。

神奈川県のヤビツ峠に現れる餓鬼は三増峠の合戦で敗走して餓死した武士の霊とされる。人々はヤビツ峠を通行する時は食物をお供えしてからにしていた。ヤビツ峠に差し掛かると急な空腹で歩けなくなくなりそうな状態に見舞われる場合がある。

島根県の海上には餓鬼の火と呼ばれる怪火が現れる。餓鬼の火には赤と青のものが存在し、船に近づいては消えたり再び遠方に現れたりする。念仏を唱えながらぬるま湯を海に捨てるとこの餓鬼は去っていくという。

餓鬼に関する伝承かは不明だが、兵庫県の天神川の辺りにはガキイドという詳細不明の井戸がある。ガキイドは水は青く澄んでいるが怖い井戸だということしか人々に知られていなかった。だが、とある一人の婆さんだけは「ガキイドの水が飲みたいと病人が言い出すともう寂滅や」と囁いたという。

新耳袋 第二夜』には現代の神奈川県での餓鬼の目撃談がある。それによれば、痩せ細った全裸の体は汚れており、腕は異常なほどに細く、頭部は異様に大きく、頭頂部は尖っており、眼球の無い大きな眼窩はアーモンド型であり、全身を金色に光らせることができた。

茶碗を箸などで叩くとその音は地獄まで響いていてそれを聴いた餓鬼が餓鬼が寄って来るという俗信がある。


子供は貪るようにガツガツと食べる様子から、俗称としてこう呼ばれる。 →ガキ


餓鬼の種類編集

餓鬼には36種も居るが多過ぎて大変なので、ここでは大まかな3分類のみを表記。


  • 無財餓鬼

いわゆる『飲食が出来ない』存在で、一般的な餓鬼のイメージに最も近い最下等の餓鬼。

唯一、施餓鬼供養を施された飲食物だけは飲食出来る。


  • 少財餓鬼

糞尿・嘔吐物・死体等の不浄なものだけを食べられる餓鬼。


  • 多財餓鬼

飲食に困らず裕福に暮らせるが、どんな贅沢をしても満足しない

しかし天部にも行ける最上級の餓鬼。

ある意味、最も不運な餓鬼。


創作での扱い編集

水木しげる作品編集

ゲゲゲの鬼太郎』では3期鬼太郎77話「妖怪手の目と地獄の餓鬼」(原作「迷路」)に登場。入らずの山の奥にある神殿で、若返りの水を使い不老不死の存在となっていた。地獄が舞台の「鬼太郎地獄編」にも登場している。

また『縄文少年ヨギ』にも登場している。

地獄先生ぬ~べ~編集

第21話「餓鬼魂の巻」に登場。一般的なイメージ通りの容姿で描かれており、取り憑かれた人間はガリガリに痩せ細り、食べても食べても満足できず、カビが生えたものや観葉植物、動物標本まで食べるようになってしまう。作中では最初、女子中学生に憑依しており、ぬ~べ~によって除霊されるが、生き残った一匹が彼のクラスの生徒・白戸秀一に取り憑いてしまう。大量に増殖するために、結界に閉じ込めて共食いをさせ、最後の一匹を鬼の手で潰すことで除霊された。

秀一の初登場エピソードであるが、ゴールデンタイムで放映するには相応しくないと判断されたのかアニメ化はされなかった。

桃太郎伝説シリーズ編集

原作者のさくまあきらが仏教関連の古書を集めて設定しただけあり、『新桃太郎伝説』ではこちらの回復道具を食べてしまう「餓鬼」をはじめ、「食吐餓鬼」「食水餓鬼」「食血餓鬼」「殺殺餓鬼」「食火炭餓鬼」が登場する。

女神転生シリーズ編集

詳細は →幽鬼ガキ

ボーティーズでボクと握手!

忍者戦隊カクレンジャー編集

妖怪軍団ガキツキとして登場。フードファイターをカリカチュアしたような姿で(裏モチーフは『餓狼伝説』のテリー・ボガード)、憑りついた人間を大食いにしてしまう。ニンジャイエローセイカイが取り憑かれ、巨大化させられてしまった。

ガキツキ

侍戦隊シンケンジャー編集

スス子誕生祭!!!!!

餓鬼の伝承の元になったアヤカシスナススリとして登場。

遠目には大きな口のように見えるが、歯に見える部分には小さな顔が並んでいる。このアヤカシの舌から出る砂をかぶってしまうと空腹になってしまう。それも飲み食いする度に悪化し、食欲に負けて食べてしまった日には更なる苦しみに見舞われる。

プレータ編集

海外版の『女神転生シリーズ』では梵語のこの名前が使用されている。

インド神話風の世界が舞台の『サンサーラ・ナーガ』では「由緒正しいインドの餓鬼」と呼ばれ、荒野等でインドでの浮遊霊の伝承を元にした姿で登場したが、特徴が少なくGBA版では削除され出てこない。

プレータにであってしまった!

夜廻深夜廻編集

本作及び次回作にて街の商店街を彷徨うお化けとして登場。痩せこけた茶色い人型の身体に対して異様に飛び出たお腹と、特徴的なむき出しの大きな歯で少女を喰らおうと襲いかかってくる。


また、作中お化け達の中でも猟奇霊と肩を並べるレベルで足が早い為、1度捕捉されると逃げ切るのが非常に困難なお化けでもある。


余談編集

指定難病で『脂肪萎縮症』と呼ばれる症状があるが、この罹患者は脂肪が全く付かない為に、臓器が収まる胴体以外の部位が痩せ痩けている

その上、脂肪から分泌され満腹中枢を刺激するホルモン・レプチンの分泌がほぼない為に一旦食事を始めると、文字通り貪るように飲食を行う

恐らくだが餓鬼のモチーフには、同症例の罹患者が入っていると推測される(太昔故の発症者達への配慮のなさから)。


関連項目編集

仏教 地獄 妖怪

ゾンビ グール 

ベルゼブブ マモン

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