概要
主に東北地方において関連の伝承が多く、柳田國男の『遠野物語』においても詳しい記述がなされている。
地域や登場する書物・作品によって性格や姿形は異なるが、「わらし(童子=子供)」だけに共通して子供の姿をしている。
また座敷以外の家のどこか、時には蔵に住み、いたずらをしたり、人間の子供達と遊んだりしており、大切に扱うとその家に幸福をもたらすといわれる。
いろいろなお仲間がいるようで、「チョウピラコ」という髪の白い座敷童子や、「コメツキワラシ」、「クラボッコ」、「ノタバリコ」、「ウスツキコ」と呼ばれる土間の座敷童子がいるそうである。「赤シャグマ」も関連しているとされる場合がある。
また、日本以外にもコボルドのように似た特徴を持つ存在は伝わっている。北海道のアイヌに伝わる「アイヌカイセイ」や沖縄の「アカガンター」も座敷童子の一種とする見方もある。
正体?
縁起物としてありがたがられる座敷わらしだが、その正体(というかルーツ?)はなかなか悲惨なものだとする説もある。信じるかどうかはアナタ次第。
- 精神・知的障害などを持っていて、家族によって部屋・蔵に幽閉された人
障碍者への偏見や差別は今も昔もあるもので、世間からの目は冷たいものであった。
それ故に「恥」だと考えて幽閉しつつも、その気まずさや後ろめたさを誤魔化すために「座敷わらし」をでっち上げた説。時代背景を考慮すれば労働力としてはほぼ期待できず、穀潰しでしかない彼らを養えるだけの余裕があるということで、それを家の繁盛・運気上昇とこじつけたという説。
- 間引きされた子供の幽霊
地方の貧しい家では、労働力にもならない乳幼児は口減らしとして殺害(間引き)し、それを土間などに埋葬するという悲惨な風習があったとされる。
無責任に造られて、養えないからと殺されるのでは化けて出るのも道理だが、当事者の罪悪感やトラウマから見えた子供の幻覚が、福の神的な存在だと箔付けされたのが座敷わらしのルーツだという説。
登場作品
近年の作品では5~10歳の幼童で、着物姿又は赤いちゃんちゃんこを着た赤ら顔のおかっぱ頭の女児というイメージで登場する事が多い。作品によってはお調子者的な性格付けがされている事も。
大体が比較的可愛らしい姿で登場するが、幽霊の類ということでかなり不気味な容姿で描かれることもあり、例えばシルエットこそ人間の子供だが肌が異様に青白く目が虚かもしくは白目の無い黒目、体そのものが透けている等。
また、人によっては例え幸福をもたらす存在だったとしても、恐ろしい姿の怪物よりも人間と変わらない姿なのに幽霊という事に逆に恐怖を感じるという意見もある。
ホラー系では怨霊と化した水子の類という設定もあり、登場人物たちに危害を加えようとしたりする。
商業BLでも座敷童子と称するキャラが登場する作品も多いが、どう見ても成熟したかっこいい攻め系青年がほとんど。わらしとは……?
- ゲゲゲの鬼太郎:水木御大は四角い禿頭、顔が赤いおかっぱ頭の子供、髪を結っている子供などメディアや作品毎に複数デザインで登場させており、5期鬼太郎ではより人間の子供に近しいデザインになっている。
- まんが日本昔ばなし
- モノノ怪
- AxisPowersヘタリア
- ぬらりひょんの孫
- おじゃる丸
- 妖怪ウォッチ
- 忍者戦隊カクレンジャー → ザシキワラシ(カクレンジャー)
- 妖怪のお医者さん
- ぺとぺとさん
- 妖逆門
- インテリビレッジの座敷童
- クレヨンしんちゃん → 知らない誰かがいるゾ
- 地獄先生ぬ~べ~ → 座敷童子(地獄先生ぬ~べ~)
- うしおととら → オマモリサマ
- XXXHolic → 座敷童(xxxHOLiC)
- 鬼灯の冷徹 → 座敷童子(鬼灯の冷徹)
- ゆらぎ荘の幽奈さん → 仲居ちとせ
- 妖狐×僕SS → 童辺あゆむ
- おそ松さん → おそま
- SHOWBYROCK!! → まりまり
- 遊戯王OCG → 屋敷わらし
- 妖怪ウォッチ → ざしきわらし
- 陰陽師(ゲーム) → 座敷童子(阴阳师)
- 東方酔蝶華 → 奥野田美宵
など他多数
都市伝説の座敷童子
現代になると座敷童子は家のみならず人々が寝泊まりする旅館やアパートから、人の集まる学校や会社、さらにはネットワーク上にも居着くようになった。「座敷」わらしってなんだろう?
オフィスわらし
会社に現れる座敷童子。
オフィスわらしが会社やその保養所などに居着くと業績が上がり、居なくなれば業績は落ちてしまう。
とあるサラリーマンが深夜に座敷童子を目撃したり、とある仕事場の塩煎餅が半分盗まれたのが座敷童子の仕業だとされたり、渋谷区代々木のスナックには座敷童子が度々訪れるという話もある。
学校わらし
学校に現れる座敷童子。
とある小学校では夜になると座敷童子が入り込んで遊んでいたり、とある学校に現れる座敷童子が子供たちと一緒に遊んでそして肩を叩かれた者はラッキーなことが続くとされたり、とある学校の宿直室に教師が泊まって布団で寝ていると四隅から四人の座敷童子が布団の角を持って180度回転させる悪戯をしたりすると言われた。
とある高校の三年四組には座敷童子が居着いているとされた。その高校の音楽部には夏休みに学校で肝試しをする行事があり、一年生が各教室を回り、教室に隠れて一年生を驚かせるお化け役は二年生がやっていた。ある年、どの教室が一番怖かったかと尋ねたら一年生は全員揃って三年四組と答えた。だが、座敷童子の現れる三年四組に二年生のお化け役は誰も隠れていなかったという。
LINEわらし
座敷童子はとうとうネットワーク上にも適応した。
とある男の子がLINEでグループを作って友人たちとメッセージをやり取りしていた。するとある日、グループに見知らぬ女の子の名があった。だが見知らぬ女の子はよくメッセージを送ってきたので、話している内に仲良くなった。彼女のことが気になった彼はグループの友人に尋ねたが、友人たちは口を揃えてそんな女の子は知らないと答えた。彼がスマホを起動してLINEを開くと、彼女の名はグループから消えており再び現れることも無かった。
開運商法に使われる座敷童子
メルカリでは、無数の自称霊能者や祈祷師による座敷童子の高額販売が行われており、新たな座敷童子も誕生している。販売者によると「招福童子」は、チョウピラコより上位の座敷童子であり、全ての座敷童子の頂点に君臨する最高位の座敷童子とのこと。
大金運のご利益をもたらすとされ、高額な霊石が多数販売される現象が起きているが、そのほか「花の座敷わらし」「光の座敷わらし」「海の座敷わらし」「虹の座敷わらし」「桜の座敷わらし」「宇宙の座敷わらし」「龍神と座敷わらし」 等々、もはや名称つけ放題でやりたい放題である。
関連イラスト
関連タグ
ノーマル
四季童子(プロになる前に、『THE 四季童子』と書いて『ざ しきわらし』と読ませていた。)
ユキワラシ - 座敷童子がモチーフの1つになっている、こおりタイプのポケモン。
ユタと不思議な仲間たち…三浦哲郎原作の文学作品で、後に劇団四季によりミュージカル化された。
タタリモッケ:東北地方に伝わるオバケ。
フクロウの姿をしているが、その正体は口減らしで始末された赤ん坊で、フクロウがホーホー鳴くのは赤ん坊の鳴き声を模したものだからと言われる。
※実際にホーホー鳴くのはミミズクで、フクロウはゴロスケホッホと聞きなしされる
金霊:かなだま。住み着く家は大金持ちになれるが、離れると一気に没落するという意味では座敷わらしに似ている妖怪。ただしこちらはヒト型ですらなく、無数の小判や財宝が集まったような姿をしているとされる。