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「僕と遊んだ子は、幸せになれるんだ。楽しくて、夢が膨らんで、一生の思い出になるんだ!」


演:牧野一進/CV:沢田澄代


概要編集

妖怪の1体。まるでグレイ型の宇宙人を思わせる外見をしており、背中に唐草模様のマントを羽織っている。


原典の「座敷童」は子供の姿をしており、家の中に隠れて子供達と楽しく遊んだり悪戯をする程度で無害な妖怪。このザシキワラシもその例に漏れず、子供と遊ぶのが好きで戦いを好まない善良な妖怪で、劇中ではジライヤと心を通わせるのだが、後述の理由で貴公子ジュニアの手で洗脳され凶暴な姿にされてしまう。


戦闘形態とされるその時の外見も、まず頭部は大きく肥大化し、二人の人間が縦に組み合わさった所へ赤いラインが目元に1本ずつ、そして額にクロスして入った形に変化。そして胴体も全身にまるでゲームのコントローラーを思わせるアーマーが装着された姿になる等、善良だった頃の面影が殆ど失われた悍ましい物となっている。


その正体はキノコの妖精であった。


活躍編集

人間の姿で子供達と遊んでいる所をカクレンジャーに見つかり、その超人的な能力から妖怪だと疑われて尾行される。


それに気付いて自転車を走らせ、ビルの屋上まで逃げるが貴公子ジュニアに捕まってしまう。ザシキワラシが戦いを好まない妖怪である事を気に入らない貴公子ジュニアは、彼を悪い妖怪に改造しようとしていたのである。

上記の反論に対し、「お黙り!!さぁ、こっちへいらっしゃい。お前を悪い妖怪にしてあげるわ」と返されると、そのままドロドロに襲われるザシキワラシ。だが、そこへ駆け付けたカクレンジャーによって身柄を保護される。


「バカね、カクレンジャー。ここは一旦引き下がるけど、ザシキワラシは必ず頂くわ。楽しみに待ってるのね」


ジュニアがそう言い遺して撤退した後、ザシキワラシはジライヤと共に子供達の遊びに交じり、交流を深めていくも突然ガシャドクロの顔が上空に出現。地割れから炎を起こして攻撃し、ドロドロまで襲ってきた。他の4人がその場を引き受けて、ジライヤと共に逃げるザシキワラシだが、逃げた先にガシャドクロが現れて行く手を阻む。即座にジライヤはニンジャブラックにスーパー変化して応戦するも、ガシャドクロの圧倒的な力に敵わず、変身を解除させられ絶体絶命のピンチに陥ってしまう。


「やめて、ジュニア!僕はどうなっても良いから、お兄ちゃんを助けて!」


ジライヤの命を救う為、自ら犠牲になろうとするザシキワラシ。


「ヤメロザシキワラシ!ワルイヨーカイニサレテシマウ!ヤメロォォッ!」


必死になって制止の言葉を投げ掛けるジライヤに対し、ジュニアは言う。


「お黙り!今の言葉は本当ね?ザシキワラシ。良いわ。お前は嘘を付けない妖怪。その言葉を信じて、こいつを助けてあげる。命拾いしたわね、ジライヤ。せいぜいザシキワラシに感謝する事ね。ザシキワラシ!それじゃ、屋敷で待ってるわ」


ジュニアが姿を消すと、ザシキワラシは妖怪の姿となってジュニアの屋敷へ向かい、そのまま凶暴な妖怪へと変貌させられてしまう。

巨大化して地割れから現れ、街を破壊して回るザシキワラシ。彼が優しい性格である事を知るカクレンジャーは攻撃出来ずにいた。覚悟を決めてザシキワラシを倒そうとするサスケに対し、彼に命を救われたジライヤが「タオサナイデクレ!」と懇願する中、「ザシキワラシを助けて!」と子供達が駆け付けて来た為、5人はザシキワラシを助け出す事を決意する。


スーパー変化したカクレンジャーは同時に子供達を避難させ、隠流獣将ファイター之術で獣将ファイターを召喚及び一体化し、ザシキワラシを止めに向かう。だがやはり縦横無尽に暴れ狂うザシキワラシに手出しする事は出来ずにいた。

そんな中、自身が破壊したビルの瓦礫が子供を押し潰した際に彼等の悲痛な叫びを聞き、一緒に遊んでいた時の事を思い出すも、すぐに凶暴化して暴れ出してしまう。

バトルカークが瓦礫を退かして子供達を救出すると、立ち上がって彼等はザシキワラシに元に戻るように訴え掛けた。

するとザシキワラシは苦しみながらも元の大きさに戻り、とうとう涙を流して少年の姿となった。ザシキワラシの元へ駆け寄るカクレンジャーと子供達だったが、彼が齎してしまった被害は大き過ぎた……。


「人の気持ちが妖怪の心を動かすとは、意外だったわね」


他人事のようにそう呟くガシャドクロの声を耳にすると、ザシキワラシは怒りで再び巨大化。妖怪の姿となって無謀にも立ち向かって行くが、両目からの光線を喰らって返り討ちに遭い、爆散してしまう。


沈む夕陽の中、ジライヤは倒れたザシキワラシに駆け寄る。


「お兄……ちゃん、ごめんなさい……。でも……これで良かったんだ……」


彼と一緒に遊んだ他の4人の子供達も駆け付け、悲しみの涙を流す。


「皆…あ……りが……とう……楽しかっ…た………」


きのこ君


そう言い遺したザシキワラシは遂に力尽き、光に包まれたその身体はキノコとなるのだった……。



余談編集

妖怪モチーフは座敷童。他にもグレイ型の宇宙人やゲームのコントローラー(洗脳後)も含まれる。


今エピソードはシリーズ恒例である、ヒーローと怪人の交流回となった。


声を演じた沢田女史は今作がスーパー戦隊シリーズ、延いては特撮初出演。


ザシキワラシが子供達やジライヤと遊ぶ場面では岡村孝子氏の『心の草原』が挿入歌として用いられた。


ザシキワラシが悪の妖怪に変えられた際の呪術は大地の悪霊の力を借り、生ける者の全ての怒りと憎しみを収束させて骨を突き刺すというものであったが、終盤では妖怪が人間の負の情念から誕生したものである事が判明しており、なんらかの関連があるものと思われる。しかし、妖怪でありながら、善良であったザシキワラシはどのようにして誕生したかについては不明なままである(キノコの妖精であるという点は判明しているのだが…)。


関連タグ編集

忍者戦隊カクレンジャー 妖怪(カクレンジャー) 座敷童 善玉怪人

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