曖昧さ回避
- ガシャドクロのモチーフとなった伝承上の妖怪→がしゃどくろ
- 特撮テレビドラマ『手裏剣戦隊ニンニンジャー』に登場する敵怪人、および巨大戦力の一つ→巨大妖怪ガシャドクロ
- ゲーム『女神転生シリーズ』に登場する悪魔。→邪鬼ガシャドクロ/外法属ガシャドクロ
概要
「三太夫、ツバサマルを連れて来たのは上出来だったけど、一足遅かったわね。
祈祷は完了したわ。我等が大魔王様が甦るのは時間の問題よ」(第23話)
登場話数:第14話「俺は貴公子だ!!」~第31話「見たか!!新将軍」
本作に登場する妖怪の一体で、「妖怪軍団」を当初率いていた貴公子ジュニアの正体に当たる。
その姿は、ジュニアが登場した当初より既に明らかにされており、軍用のヘルメットを被ったような頭部や、左半身に施された迷彩柄等、「ミリタリーテイストな骸骨」ともいうべき出で立ちが特徴である。
原典となった「がしゃどくろ」は、「小山ほどある巨大な人骨の妖怪」であると伝わっており、そうした部分を反映してなのか、作中でも巨大化とは別に自身の巨大な顔を、幻影として空中に出現させる能力を持ち合わせており、幻影の状態でも特定の対象を転移させたり、天変地異を起こす等して敵を攻撃することもできる。
また、生きている人間を見つけては襲いかかり、これを握り潰したり食い殺すといった原典での行動や、父親である大魔王の血を受け継いでいる点を反映してか、ガシャドクロもまた怒ると何をしでかすか分からない、妖怪世界の中でも最も凶悪な存在として、配下の妖怪達からは恐れられている。
武器として、ジュニアが携えているエレキギターが変形した骨型の剣を振るい、鋒からは破壊光線を放つこともできる。これ以外にもチェーンソーを使った攻撃、両目からの赤色電撃光線と念力、左手から放つ破壊光線等、多彩かつ強力な攻撃手段を備えている。電撃で相手を縛り上げることもでき、この技でニンジャブラックを徹底的にいたぶった。
カクレンジャーともこの姿で度々干戈を交えており、ニンジャレッドことサスケとの最初の一騎打ちではこれを完膚無きまでに叩きのめし、さらに第1部終盤(第24話)での直接対決では(大魔王の助力もあったとはいえ)獣将ファイターが束になってかかってもこれを一蹴してみせるなど、等身大・巨大戦を通して他の妖怪の追随を許さぬ高い戦闘力を発揮し、幾度となくカクレンジャーを苦戦させた。
彼等との最後の対決においては、新武器・雷鳴剣ヒカリマルを駆使したニンジャレッドとの2度目の対決に敗北を喫するも、直後の巨大戦ではユガミ博士の最大の発明であるジェットブースターとバズーカ砲を装備してパワーアップを果たし、バズーカ砲からの火炎放射やクラッシュビームで、立ち向かった超忍獣さえも圧倒してみせた。
が、その超忍獣が隠大将軍に合体すると一転して劣勢に立たされ、鉄拳ゴッドフィニッシュでバズーカ砲を破壊されるに留まらず、ツバサマルとさらなる合体を果たしたスーパー隠大将軍との空中戦においても大した抵抗もできぬまま、必殺の鉄拳フライングフィニッシュの最初の犠牲者となった。
余談
原典であるがしゃどくろが、昭和期に入ってから創作された妖怪であることもあってか、妖怪軍団の中でも若い部類に入るとされており、そうした背景もあってか物語前半において各回に登場する妖怪の解説役であった講釈師も、初登場回である第14話の時点ではガシャドクロの存在は知らなかった様子を見せている(解説自体は後の第23話にて実施)。
デザインは篠原保氏が担当しており、元々は『恐竜戦隊ジュウレンジャー』への参加時に、ドーラモンスターの一案として描いたものがベースであるといい、提出を見送ったまま何となく自分の中で燻っていたものを「ちょうどいい機会だから出してみるか」と、ガシャドクロのデザインに転用したという経緯がある。
元々のデザイン案の時点ではヘルメットは存在せず、また左右の色分けも単純に紅白に塗り分けた程度であったというが、ガシャドクロとして手直しするに当たってヘルメットや迷彩柄など、多少のミリタリー的要素が追加される形となった。またデザイン画稿からは額の右側に「Go to Hell!」の書き込みや、右腰に装着されたマシンガン状の武器が確認できるが、いずれも造形の段階でオミットされている。
海外版
スーパー戦隊シリーズの英語版ローカライズ作品『パワーレンジャー』シリーズにおいても、シーズン3より「リト・レボルト」の名称で登場。
同作では、シーズン1から登場するリタ・レパルサの弟という位置付けで、彼女がロード・ゼッドと結婚した際に初めて姿を現し、結婚祝いとして戦闘員「テンガ・ウォーリアー」の卵を持参、地球侵略の助っ人を買って出た。
さらにパワーレンジャーとの初陣では、モンスター軍団を率いてサンダーメガゾードとホワイトタイガーゾードを破壊せしめるという大金星を上げるが、彼らがニンジャパワーを手にしニンジャメガゾードを繰り出すと敗北を喫し、以降は姉夫婦の元に留まったまま地球侵略活動に従事することとなる。
奇矯な行動が目立ちながらも切れ者であった原典とは異なり、本作では頭の悪さや力任せな性格が目立っており、登場当初を除いてはほぼコメディリリーフとして扱われている。こうしたキャラクター付けについて、当時『パワーレンジャー』に関わっていた坂本浩一が語るところによれば、当時のサバンにはドクロなどの外見が恐ろしい悪役には「バカらしいことをさせなければならない」という決まり事があったという。シーズン3の終盤では父であるマスター・ヴァイルの作戦で子供になったパワーレンジャーにすら勝てない等、前述した強さは何処へやらな醜態を晒した末に、コマンドセンター基地の爆発に巻き込まれるという憂き目に遭ってしまう。
シーズン4に当たる『パワーレンジャー・ZEO』では、同じく爆発に巻き込まれたゴルダーと共に辛うじて生き延びていたものの、その際のショックで記憶喪失に陥っており、物語前半では紆余曲折を経てバルクとスカルの手下としてこき使われる羽目になってしまった。後に記憶を取り戻して姉夫婦の元に戻ると、敵対するマシン・エンパイアに対する刺客として開発されたルイ・カブーンの起動を任されるのだが・・・あろうことかここでもまたミスを犯し、カブーンの暴走を招くに至ってしまう。
リトが登場したのは『ZEO』までで、初期シリーズの完結編に当たる『パワーレンジャー・イン・スペース』にも登場予定こそあったものの、スーツの破損のために見送られている。また、『パワーレンジャー・オペレーション・オーバードライブ』に登場したスラックスは、リトにとっては甥(姉夫婦の息子)に当たる。