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「脳天にズキンと来たぜ!」(第35話)

「今度こそ俺が新しい皇帝になり、宇宙の支配者になるのだあああ!」(同上)


登場話数:第35話「過激な爆弾野郎」~第41話「危険なふたり!!

CV:檜山修之


概要編集

皇帝バッカスフンド亡き後のマシン帝国バラノイアを、一時的ながらも牛耳った「宇宙の爆弾野郎」。

青を基調としたミサイル型のボディから、そのまま手足と頭部を生やしたような姿をしており、また胸周りの意匠も、ノーズアートシャークマウス)のように顔を象っているのが特徴である。背中から発射する小型ミサイルを武器としている他、自身も四肢を体内に格納することで「グレート・ミサイル」と呼ばれる突撃形態へと変形、直接敵めがけての特攻を得意としている。

荒っぽく血気盛んな一挙手一投足とは裏腹に、人間が作り出した物や彼等の欲望などを巧みに利用して社会を混乱・破壊に陥れるのを得意とする、効率主義的な一面も折に触れて示しており、戦闘においても知略においても「戦闘のプロ」の自負に恥じないだけの実力を有する。


元来はあくまでバラノイアの一マシン獣に過ぎなかったが、帝国の乗っ取りを企んで失敗し、処刑寸前のところで宇宙へと逃走。その後は一匹狼として活動を続けていたところ、皇帝バッカスフンドの戦死を知るや否やバラノイアの新皇帝、ひいては宇宙の支配者にならんとの野心を果たすべく、帝国へと舞い戻ってきた。

このような経緯から、皇妃ヒステリア皇子ブルドントからは激しい反発を受ける一方、日和見主義なところのあるアチャコチャだけでなく、一部のマシン獣の中から「ボンバー・ザ・グレート命」のモットーを掲げてボンバーに寝返る者も現れる等、単に野心が大きいだけに留まらずそれ相応のカリスマ性も備えていることが窺える。


もっとも、実力とカリスマ性を兼ね備えているとは言っても、所詮はバッカスフンドの戦死に乗じて帝国を乗っ取り、皇帝を僭称した小物であることに変わりはなく、帝国の支配者たる「皇帝」としての器までは持ち合わせていなかった。

その結果、「正統な後継者」が帰還した途端、あっさり凋落と破滅の末路を迎えることとなるのである・・・。


作中での動向編集

バッカスフンドの死後、その仇討ちのために皇子ブルドントが仕掛けた地球へのミサイル攻撃が失敗に終わる中、突如現れブルドントをミサイルに縛り付けて地球へと発射。さらに、それに伴って発生した一般車両への被害の対処に当たっていたオーレンジャーの前にも現れ、これを圧倒する等鮮烈なデビューを果たした。

これ以降バラノイアの実権を掌握すると、自らの立案による地球侵略作戦を着々と進める。一方で帝国内での人心掌握も怠らずにいたようで、自身を利用しようとするヒステリアやブルドントの目論見を他所に彼等を孤立させることに成功。遂には、


「皇帝が死亡した場合、百日以内に後継者を決定しなければならない。候補者が複数いる場合は決闘によって、後継者を決めなければならない」

(バラノイア帝国憲法第12条)


条文を盾に、ブルドントとの皇位継承を賭けた決闘を迫り、これに難なく勝利を収めてブルドントを血祭りに上げると、息子を失い悲嘆に暮れるヒステリアを宇宙へと追放。バラノイアの新皇帝「ボンバー・ザ・グレートI世」として即位し、晴れて宿願への第一歩を踏み出すに至った。

皇帝即位の最初の事業として、マシン獣・バラゴールドを地上へ送り込んだボンバーは、自らの嗜好を満たすと共に人間自らの手による破滅の一挙両得を狙った作戦を決行。これを阻止せんとするオーレンジャーをも追い詰めるも、ガンマジンの乱入等もあって後一歩のところで作戦は頓挫。一転して窮地に追い込まれたが、謎の女戦士の助勢により辛くも撤退に成功する。

・・・しかし、その女戦士ことマルチーワ姫が彼を助けたのは慈悲からではなく、あくまでも伴侶たるブルドントによる報復を果たさせるために過ぎなかった。程なくして、強化復活を遂げバラノイアへの帰還を果たしたカイザーブルドントも姿を現すと、ボンバーは2人を返り討ちにしようと挑みかかるも、奥の手たるグレート・ミサイルまでも打ち破られた末に、完膚なきまでに叩きのめされてしまう。

力関係の逆転を悟るや、皇帝の座を明け渡し命乞いに及ぶという、それまでと打って変わって情けない醜態を晒すボンバー。しかしこれまで居城を陣取って好き放題したばかりか一度は死に追いやられたカイザーブルドントが当然これを赦すはずもなかった。結果、皇位簒奪という大罪への罰として両腕を破壊、そこから右腕を大剣「グレートサンダー」、左腕をバルカン砲「グレートボム」に改造され、さらには自我を奪われ巨大化した状態で、カイザーブルドントにより打倒オーレンジャーの尖兵として単身地球へと送り込まれたのである。


こうして、贖罪を名目として市街地での破壊活動に及ぶことを余儀なくされたボンバーであったが、カイザーブルドントによる報復はこれだけに終わらず、時折失われた自我が戻る細工までも施され、身体の自由の利かない中で自らの意思に反する行動を取らされるという、精神的な責め苦をも味わわされる羽目になった。

ブロッカーロボで駆けつけたオーレンジャーも、改造によって強化されたボンバーの猛攻の前に一時は苦戦を強いられたものの、程なく加勢に入ったキングピラミッダーのスーパーバーンウェーブ、タックルボーイのダイナマイトタックルの連続攻撃であっさり形勢をひっくり返された末に、キングピラミッダー・バトルフォーメーションのスーパーレジェンドビームを受けて敗北。

今際の際に再び正気に戻り、己の分不相応な野望を抱いたせいで身の破滅を招いたことを自嘲しながら、オーレンジャーに別れを告げ、そのまま力尽きて死亡。

こうしてかつてクーデターを目論み、底なしの欲望で全てを支配しようとした野心家は、まさに文字通りの「三日天下」という形でその生涯に幕を下ろしたのである。


「とうとうやられちまったぜ……バラノイアの皇帝になろうなんて思ったのがいけなかったんだ。所詮俺は"一匹狼"だったんだ……グアアッ!アディオス……オーレンジャー……!!」


しかしブルドントの狙いはそこからが本領発揮、ボンバーが倒された直後にその遺骸から真っ赤なグレート・ミサイルが出現。

カイザーブルドントはこれを太陽に打ち込んで破壊し、地球を酷寒の星に変えて人類を滅亡させようと目論んだ。しかし、ガンマジンによる軌道修正によって、グレート・ミサイルは太陽から離れた地点で爆発。すんでのところで地球壊滅の危機も回避された。


海外版編集

スーパー戦隊シリーズの英語版ローカライズ作品『パワーレンジャー』シリーズにも、オーレンジャーを原典とした『パワーレンジャー・ZEO』にルイ・カブーンの名で登場している。

同作では出自が大幅に改変されており、前シーズンまでの敵であったリタ・レパルサロード・ゼッドが、彼らを地球より撤退させたマシン・エンパイア(バラノイア)を乗っ取るべく作り上げた刺客ロボットという位置付けとなっており、ニューヨーク訛りの英語を喋るという同作独自のキャラ付けもなされている。


起動実験の最中、これを担当していたリトがコントロール用のリモコンを紛失してしまい、その影響で自由意志を得た結果、リタたちの命令を受け付けなくなり、自らが支配者となるべくマシン・エンパイアの軍門に下ってしまう。これ以降の展開は、リタたちが度々奪還に動いては失敗するのを除けば、その最期も含めて概ね原典と同様である。


備考編集

デザインは阿部統が担当。デザイン作業に際して「ロケットみたいな人で」という注文があったといい、色合いも含めてアメリカンなテイストが強く意識されている。阿部としては好きなデザインではあるものの、もう少し幹部らしい風格を持たせられればよかったと述懐している。


声を演じる檜山は『五星戦隊ダイレンジャー』(ガマグチ法師神風大将)、『忍者戦隊カクレンジャー』(イッタンモメン)と続いて、本作で3年連続のスーパー戦隊への出演となった。


関連タグ編集

超力戦隊オーレンジャー

マシン帝国バラノイア マシン獣

ニューリーダー病


バラナイトメア:本作に登場するマシン獣の一体で、かつて皇帝バッカスフンドに逆らったがためにバラノイアを追われたという、ボンバーと類似した境遇の持ち主でもある


ヘイ大公:『烈車戦隊トッキュウジャー』の登場キャラクターの一人。首領への謀反に失敗して姿を消し、その死後に姿を再び現した敵幹部、という共通項を有する

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