概要
超古代文明科学(パンゲア文明)によって建造された、ピラミッド型の超巨大要塞。
その名の通り、超古代の伝説の勇者(キングレンジャー)の戦力として生み出されたものであり、その巨大な機体を動かす駆動機関は、レッドパンチャーに搭載されているTHバーンエンジンの100倍近い出力を発揮し、宇宙空間や亜空間を航行することさえも可能とする。
その内部については、あまりの巨大さ故に描写は限定的であったものの、少なくともキングレンジャーが乗り込むコックピットや、リキとドリンが異次元宇宙を航行中に眠りについていた一室、それに手にした者を狂暴化させる「怒りと憎しみの人面剣」が安置されている秘密の部屋が、作中では確認されている。
平時はカモフラージュされた状態となっているが、キングレンジャーが「キングピラミッダー!」と叫びながらキングスティックを掲げることにより召喚され、超力モビルなどと同様にキングクリスタルを操縦席に差し込むことでカモフラージュを解き、その真の力を発揮する。
通常形態たる「ピラミッドフォーメーション」の時点でも、マシン獣を撃破せしめるなど相当の戦闘能力を備えているものの、後述する2形態への変形によってより強大な力を振るうこともできる。
また、その起源は6億年前にまで遡る代物でありながら、現代科学の粋を結集し建造された、オーレンジャーの各種巨大戦力とも連動性を有しており、これらとの合体によってその力はより一層増大する。
あまりの巨大さと強さのため、大抵の敵は巨大化してもこれに太刀打ちすることはできず、TVシリーズでの戦績は無敗を記録し、ラスボスであるカイザーブルドントとマルチーワの夫妻ですら、その威容には全く抵抗できないまま敗れ去った。
一方で、通常形態ではガンマジンに翻弄されたり、バラミクロンの暗黒素粒子でなす術もなく機能停止したりもしている他、OV『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』ではバトルフォーメーションですら(敵の特性上相性が悪かったとはいえ)オンブオバケに攻撃が一切通用しないなど、必ずしも無敵の存在でないことが示されている。
ピラミッドフォーメーション
全長:50m / 全幅:75m
キングピラミッダーの基本形態。
ピラミッドの頂上部分から発射する光線を武器とする他、同じく頂上部分からエネルギーを天へと放射し、それによる衝撃波を敵へと見舞う「スーパーバーンウェーブ」は、前述の通り一撃で巨大マシン獣を撃破せしめるだけの威力を有する。
キャリアフォーメーション
全長:140m / 全幅:75m / 走行速度:150km/h
超力モビルとレッドパンチャーを乗せた戦艦形態。
キングピラミッダーと、オーレンジャーロボ・レッドパンチャーが初めて一同に会した際、各マシンに重なる形でキングレンジャーのシンボルたる「王」を象ったマークが浮かび上がり、それらが一つに合わさるという現象が発生。その様子をモニターしていた三浦参謀長による解析の結果、これらの巨大戦力が合体できることが判明し、参謀長の指令によって初合体を果たした。
平たく言えば、バトルフォーメーションへの変形途中で仰向けに寝かせた状態であるのだが、その上面に超力モビルとレッドパンチャーが搭載されることにより、異様なまでの迫力と存在感を発揮する。
無論迫力だけに留まらず、戦闘能力も大幅に向上しており、突進しながら超力で強化された各マシンの全武器を一斉発射する「スーパーユニゾンファイヤー」は、こちらも一撃でマシン獣を粉砕せしめることが可能となっている。
前出のOVではオンブオバケに攻撃が通じなかったため、この形態で撤退した。
バトルフォーメーション
全高:102m / 全幅:75m / 重量:測定不能 / 走行速度:65km/h
キングピラミッダーの最強形態。
キャリアフォーメーションから垂直に起立させた後、胸部や頭部などを展開させることで人型をなし、さらに後方から超力モビルもしくはオーブロッカーを体内へ格納、レッドパンチャーを背面に搭載することで完成する。
敵が相対する際には仰ぎ見て威圧される者がほとんどであり、その反応や変形途中に機体が起立する際の、上面に乗った砂がこぼれ落ちる演出などからも、この形態の異様なまでの巨大さと迫力とが強調されている。
必殺技は胸部とパンチャーキャノンから、全エネルギーを集中した超高熱・高圧プラズマビームを発射する「スーパーレジェンドビーム」。マシン獣は言うに及ばず、バラノイアの母艦であるバラクティカの50機編隊さえも、一撃のもとに消滅させるだけの威力を有する。
玩具
「超巨大 DXキングピラミッダー」の商品名で、1995年10月上旬に発売。全長約500mmのビッグスケールで価格は14,800円と、単体のDXロボ商品で言えば「DX大型基地 マックスマグマ」(定価16,800円)に次ぐ、シリーズ全体でもトップクラスの高額商品である。
このキングピラミッダーは、玩具製作者泣かせと言わしめるほどに開発が難航した戦隊ロボでもある。その巨大感を演出するためか、表面のディティールは過剰なまでに細密かつ複雑なものとされ、設計の際に図面に引かれたモールド線も尋常ではないほどの量となった。開発を手掛けた大石一雄はあまりのこだわりようゆえに、本商品の図面を引いている際に倒れてしまったとの逸話が残されている。
デザイン・設計の段階のみならず、そこから製品化に至るまでの過程でも本商品は難航を極めた。その巨大さ故のコスト・強度両面の問題、かつ施行されて間もない「PL法」への対策を考慮せねばならず、前者についてはコスト削減のための各部の空洞化、それに伴う強度低下への対応などに腐心した結果、試作品も度重なる作り直しを余儀なくされた。また後者については、ピラミッドフォーメーションの頂上部を軟質パーツ製としたり、本体各部に多数の注意書きシールが貼付するなどしてどうにかクリアに漕ぎ着けている。
本商品の開発に携わっていた野中剛は後に、本商品のシンプルだがスライドが多い変形機構などが商品開発上仇となったことについて、玩具化の現実的な目線を失っていたと反省の念を述べている。
詳しいことは下記の動画で説明している。
関連タグ
メガヘラクレス:『重甲ビーファイター』に登場する巨大戦力の一つ。同機体にも、キャリアフォーメーションと同様に既存の機体を搭載した合体形態が存在する
マモリガミ:『轟轟戦隊ボウケンジャー』に登場する敵怪人の一体。デザインモチーフとしてキングピラミッダー(バトルフォーメーション)が採用されている
超力鬼:『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に登場する敵怪人の一体。公式な言及はなされていないものの、こちらもデザインモチーフの一部にキングピラミッダーが採用されていると指摘する向きもある
追加戦士が使用する巨大戦力
スーパー無敵将軍/スーパー隠大将軍←キングピラミッダーバトルフォーメーション→スーパーギャラクシーメガ