《雜?鴨謌ヲ髫》
「言ッテミロ!俺ノオニギリハ何点ダァ!?」
CV:きづき
データ
身長/198cm
体重/238kg
スキン/王のピラミッド
むかしむかし/幸雄はおばあさんのおにぎりが忘れられなかったそうな…。
概要
おにぎり専門店「おにぎりごろごろ」のオーナーシェフ・水野幸雄の「100点のおにぎりを作る」と言う欲望を叶える為に誕生した、超力モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼がファラオの黄金マスク風な仮面を被り、遮光器土偶の眼の意匠を持った胸当てとピラミッドそのまんまな大型ヘッドガードで構成されたスキン・“王のピラミッド”を身に纏った豪華絢爛な姿。
だが顔は苦悩しているように見える引きつった表情で、ヒトツ鬼に変貌する決定打になったタロウからの悪意が無い辛辣過ぎる評価に打ちひしがれる宿主の心理状態を表している様にも見える。また、顔をよく見ると鼻から上唇あたりが星型になっている。
変貌する際に「雜?鴨謌ヲ髫」(超力戦隊)の文字化けと、超力戦隊オーレンジャーのクレストが浮かび上がる。
変貌すると「オニギリー!」としか喋らなくなる他、「オーレノオニギリハ何点ダー!」と叫びながら、標的の口におにぎりを投げつけ、超力ずくで食わせようする。それだけならば害も無く普通に迷惑なだけだが、問題なのはその投げつけるスピード。
ヒトツ鬼持ち前の怪力で投擲するため下手な豪速球よりも早く重いのは想像が付くし、実際おにぎりを放り込まれた人間が真後ろに吹き飛んで倒れる程の勢いであった。さらに口に放り込まれるおにぎりはサイズも大きめなので下手をすれば後頭部を強打したり窒息の可能性もあると言う、別ベクトルで危険なヒトツ鬼である。
共通武装でもある鬼険棒を使用して戦えるも、特殊能力がメインな上宿主が戦闘の素人かつ意識も半混乱気味のため、直接戦闘は不得手。一応モチーフの戦隊は格闘技メインの武闘派だったのに…
一方、脳人からしてみればがむしゃらな動きしか出来ず、仕留めるのに大して苦労しない消去対象のため、変貌してもすぐには迎撃へ赴かず宿主を救う為に乱入・妨害を行って来るドンブラザーズの様子見目的で少しの間泳がされていた節がある。
裏を返せば、プラス方向に働く可能性も有り得た欲望を悪意無く逆撫でして悪い事態を招いたタロウの欠点と異常性(結果的にとはいえ烈車鬼に続いてタロウが誕生のトリガーとなったヒトツ鬼でもある)、そして宿主の人間性等には一切興味関心を持たず、ヒトツ鬼であるとの理由だけで迷わず「消去」の判断を下す脳人の冷酷無情さを引き立てた役柄とも言えよう。
活躍
赤字続きの「おにぎりごろごろ」の立て直しを図る為に派遣されたつよしと共に同行する、短期バイトとして「フェズントコンサルタント」に入社したタロウから「おにぎりの味は80点だが、まだ人を幸せに出来る程の領域には達していない」と馬鹿正直過ぎる性格な故に辛口の指摘を受けた水野は、彼の提案で究極のおにぎりの真髄を見極めるべく1人おにぎり行脚の旅に出る。
ひたすらおにぎりをどんどん食べ続けている間、自分の求める究極のおにぎりを目指したいと徐々に肥大化した欲望に誘われて水野に憑依する(この時は後ろ姿しか見せておらず、変貌直前とは表情が違っていた可能性も匂わせている)。
そして、欲求を増幅させるヒトツ鬼の影響も良い方向に働いたか、食べ歩きを繰り返し漸く自分の追い求めるおにぎりの真髄を掴んだと確信した水野は、店に帰ってきた後にタロウに旅の成果を見せるべく食べさせるも、「日本で2番目の美味しいおにぎりだ」と100点を得られず意気消沈。更にタロウが昔から作っているおにぎりを食べ、水野自身が「神の領域」と口にする程の美味さと素晴らしさに負け、心を打ちひしがれてしまう。
すると突如悶え苦しみ、外へと飛び出した先でヒトツ鬼に変貌。人を超えたおにぎりの鬼と化し、生成したおにぎりをぶん投げ、片っ端から通行人に食わせまくる。
「もっとだ……もっとモットオニギリヲォーー!!」
彼の跡を追ってきた、つよし/キジブラザーがリュウソウピンクにアバターチェンジしたのを皮切りに、遅れて駆け付けた真一/サルブラザーはルパンブルーに、はるか/オニシスターはルパンイエロー、翼/イヌブラザーはリュウソウブラックにアバターチェンジ、増援のアノーニを片付けられる。
しかし、いつの間にか高所より戦闘を観察していた脳人が介入。上空からソノザが現れて抵抗するも瞬く間に返り討ちヘされ、アノーニに手一杯なキジの目の前で消去されそうになるが、アルターチェンジしたドンモモタロウに(間接的に)助けられる。
そのままドンモモの攻撃を浴び、興醒めしたソノザが撤退した後にドンモモへ襲い掛かるも、「お前のおにぎりはきっと人々を幸せにする。元に戻れ!」と説得+攻撃され、その流れからラストは「桃台無敵・アバター乱舞」を喰らい「オニ…ギリ~~ッ!!」と叫びつつ敗北。
実体化したばかりで欲望があまり蓄積されていなかったのかヒトツ鬼ングに変貌せず、オーレンジャーギアをドロップし、介人の元に送られた。
水野幸雄
おにぎり専門店「おにぎりごろごろ」のオーナーシェフ。赤字に悩まされた為に、つよしの会社・フェズントコンサルタントの依頼人となる。
タロウのアドバイスで究極のおにぎりを作るべく、子供の頃に食べて忘れられなかった、おばあさんが作ったおにぎりを再現する為にあらゆる地を巡っておにぎりを食べ歩きその味を探求して行く。
その過程で究極のおにぎりを作る事への執念からヒトツ鬼を呼び寄せてしまい、紆余曲折を経てようやく道を掴んだと思いきや、タロウからは100点の評価は得られず、結局99点のおにぎりしか作れなかった。
元の姿に戻った後は心機一転、奮起したお陰で店は繁盛。スタッフも当初やる気が感じられず、タロウの懸命だが無遠慮な指導に一時嫌気が募ったが、つよしの努力と人の良さに触れて改心。立派に店を支える様になった。
そして打ちひしがれながらも、前に進む切っ掛けを与えて貰った水野はタロウにお礼を言おうとする。
しかし当のタロウはスタッフ達の自分に対する陰口をひそかに聞いてしまい子供時代の辛い経験を思い起こされたのか、及び自分の善意が空回りしてヒトツ鬼を誕生させた事実もあってか、店にもフェズントコンサルタントにも顔を見せることはもうなかった。
余談
- モデルとして使われた戦隊は『超力戦隊オーレンジャー』。頭部がピラミッド型になっている事からグラビトンヘッド、若しくはスキンに「王のピラミッド」と書かれておりここに様々な装飾品のイメージが超力モビルをイメージされた物(例えば胸はドグランダー)が付いている事からキングピラミッダー(キャリアフォーメーション)もモチーフ元になっていると考えられる。また顔もバーロ兵っぽく見えるのも特徴で、おにぎりを投げる点もバーロ兵がカッターディスクを飛ばす点も似ている。
- ちなみにオーレンジャーの本編ではキングピラミッダーの持ち主に似せた怪人も登場していた。
- モチーフ元がオーレンジャーの理由は「おにぎりと言えば三角形→三角形と言えばピラミッド→ピラミッドと言えばオーレンジャー」とここpixiv百科事典の関連タグよりもかなり無理矢理な物(まさか「調理機器」と「超力鬼」を掛けた駄洒落じゃないだろうな…)。確かにゴレンジャーからゼンカイジャーまでにおにぎりに関係があるスーパー戦隊はいないが、せめて変貌する人間が考古学者か探検家であれば…。このため、モチーフ元と変貌する人間の関係性があまりないヒトツ鬼だったりする。
- 強いて言うなら、オーレンジャーは古代文明がモチーフとされているため、古代文明関連で見ればこじつけレベルではあるが多少は関連がある。おにぎりの材料であるコメは古代文明の発展に必要な穀物の1つである点、さらに古代の日本ではおにぎりの起源となるものが既に作られていた点などが挙げられる。
- この点を考慮するのならば、オーレンジャーは「古代文明のパワーたる『超力』に目覚め、地球侵略並びに人類奴隷化を企む強大な帝国・バラノイアから地球を守ったとびきり熱い5人の勇者」であるのに対し、超力鬼は「古代からある食べ物のおにぎりで『祖母の味を再現する』というでっかい夢を追いかけるも、たった一人による厳しすぎる評価のせいで強い欲望の奴隷となったシェフ」であろうか。
- デザインを担当した篠原保氏は、もしおにぎり要素がなかったら鳥型のトーテムポールを配置したらしいが、逆に要素があったおかげで意外性のある物になったとコメントしている。
- これまでセンパイジャーモチーフで一貫していただけにゴーカイジャー以前の戦隊モチーフが登場した事にはファンから驚きの声が挙がった。まあ良く考えたらギアの数だけヒトツ鬼が居る訳だし…。更に言ってしまえば「超力」の言葉自体が造語系の戦隊でも表現が難しいモチーフでもある。
- タロウが水野のおにぎりを評価した際のセリフの元ネタは恐らく『快傑ズバット』の「日本じゃあ二番目だ」からと思われ、オーレンジャーとズバットはどちらも宮内洋氏が出演した作品である。公式サイトでの解説でも、ズバットネタに触れられている。また、キュアプレシャスの決めゼリフも何気無く入っている。
- 公式サイトでは「おにぎりワルド」と呼ばれていた。確かに能力はワルド寄りだが。
- 作中で水野や桃井がおにぎりを握っているシーンがあるが、実際に握っているのは過去に料亭でおにぎりを作った経験がある東映スタッフ。本来は全国から選りすぐりのおにぎり職人を招聘する予定だった模様。
- 声を演じるきづき氏は本作がスーパー戦隊シリーズ初出演となる。
- ドン12話にて、「タロウがアイドルの卵である吉良きららの歌う歌を25点と採点したが、同話最後に彼女がプロデビューした」エピソードを受け、「タロウの採点基準が厳し過ぎるのでは?」と推測され始める。それに伴い、「そんな相手に99点まで迫った水野のおにぎりは凄過ぎる」と再評価されている。
- 脚本を担当した井上敏樹氏はオーレンジャー第5・9・15・23話の脚本も書いていた。
- pixivでは超力鬼ングがオリジナル怪人として投稿されている。
関連タグ
秘密鬼、恐竜鬼、百獣鬼、魔法鬼、轟轟鬼、機界鬼:こちらはゼンカイジャーメインメンバーモチーフの戦隊のヒトツ鬼繋がり。
バラキング:オーレンジャーの追加戦士をもゆがめた戦隊怪人の始祖と言える存在でスキンもある意味酷似している。
オーレンフォーム:前作の特徴的なオーレンジャー枠。こちらは追加戦士の派生フォーム。
リッキー・ゴールドツイカー:前作に登場したオーレンジャーモチーフのキャラ。
ゴーレム、デスペラート、マモリガミ、ガジャドム:16年前に登場したオーレンジャーのロボット関連を怪人化させた存在。なお、ガジャドムの演者は後にドンブラザーズ本編にも登場している。
遮光器土偶のピカリ眼、キュウセッキバスラ:古代史をモチーフにした戦隊怪人。
ギゼードグラー、QQキュータン、デスフィアス、モルグモルグ、ハゲタカライチ、テリブルテーラー、ガメッツイ、ミイラマイナソー:歴代のエジプト神話に関係する物をモチーフにした戦隊怪人。
バラクラッシャー、ジニアス黒田:元ネタにおける人間ベースのマシン獣。両者とも元の人間に戻るも後者は自ら悪に加担した事を償うように死んでいった。
サモーン・シャケキスタンチン:飯テロを働く戦隊怪人の先輩。こっちはシャケハラスメントと公式から呼称されており、迷惑行為も込みで鮭を人々に無理矢理食わせて回る。バラ撒いた食材に毒が無いのも共通(しかもシャケはおにぎりの具の1つである)、こちらは公式や演者が悪ノリした挙げ句(クリスマス限定だが)ネットミーム化してしまった。
スーパーおにぎりタイム:同日に誕生したおにぎりタグ。