拡大解釈とは、思考パターンの一種である。
概説
物事の意味を理解し、自分の思考に沿ってより理解を深めるのが「解釈」である。
拡大解釈はそのうえで、解釈の適用できる幅を大きくすることで、同じ理論をより多くの別の物事に対して適用させることを指す。
主に言葉や文章に対して使用され、法律でも「拡張解釈」という同様の意味を持つ用語が存在する。
利点と欠点
解釈を拡大することで、その解釈の基となる理論に沿ってさえいれば、より多くの物事を同じ解釈で素早く理解することを可能にする。
一方で、人間は自分の都合の良い事実だけを信じる生き物であるため、解釈を拡大することで不都合な真実を攻撃するための口実へとすり替えてしまう者も現れる。やりすぎると大衆との認知の差が大きくなってしまう。
用法
現在では、「本来の意味から逸脱した自分勝手な解釈」という意味合いで用いられることが多く、基本的には否定的な意味合いを持つ言葉としている。
なお肯定的な意味にする場合は、「解釈を発展させる」等の言い回しに差し替えられる。
一例
我々Pixivユーザーにとって最も身近な拡大解釈の一つ。
原作に存在する設定や描写からイメージを膨らませ、さらに別の視点を想像することで新たなストーリーを構築する。稀にだが、拡大された解釈がそのまま公式設定の参考にされる場合もある。
一方でその表現に対して解釈違いが発生することもよくある事例であり、特に「カップリング論争」や「最強ランキング」については、公式から言及されない限り、拡大解釈による推量を必要とせざるを得ない一面もある。
世間的には最も一般的、かつ重要な拡大解釈の場面。
前述通り、法律用語では「拡張解釈」と呼ばれる。
施行されている法律から、その訴訟も問題点を解決する明文を選び出し、最終的な裁量が決定する。
だからこそ、どの法律書のどこにある文面がこの事態を解決するに相応しいか、特に裁量が難しい場合には現法にある文面の意味を拡張して適用するという手段さえ講じられる。
ただ裁判は一度決裁を終えてしまうと、その内容と経緯も詳細に記録され、後から登場した類似する事例の裁判の前例として裁量の参考にされる原則があるため、容易く拡張解釈をおこなうことは避けられている。
日本では拡大解釈がなされすぎて、欧米での本来の意味から乖離したもの。詳細は当該記事へ。
社会問題の一因になることがあるケース。
そもそも現在の宗教の多くは、だいたいが拡大解釈と解釈違いの繰り返しによって広まっていったもので、現代の宗教における諸問題としても見過ごせない課題となっている。
その最たるものが「イスラム過激派」であり、聖典の内容を拡大解釈することで「戦う理由」を作り出し、テロリズムや脅迫行為を繰り返している。
人権問題
昨今叫ばれる「ポリコレ」(正式:ポリティカル・コレクトネス)問題が顕著。
本来は固定観念による差別的な表現や行為を避けるために提起されたものだったが、今となっては表現の自由にさえ干渉し、ネットで炎上騒動になると人権団体から抗議が殺到する。
一部から「アメコミとそれらのメディア展開の衰退の元凶」とも指摘されており、ポリコレの拡大解釈が欧米の映像作品の表現の幅を狭めていると問題視する人々もいる。
他、規約や法もよく拡大解釈されやすい。