概要
この言葉の広義には書き記された記録の総称であり、狭義には個人等の事績の記録を指す。
現代においては、狭義の意味で使用されることのほうが多い。
解説
ある実在した人物やグループ等の生涯や活動等を、当事者以外が記述したものを指す。当事者が記述したものは自伝や自叙伝、すなわち「自身による伝記」として区別される。
対象は基本的に何らかの点で歴史に名を残した、あるいは特定の業界等に影響を及ぼした人物であることが多く、伝記は歴史研究の一形式とみなしうることがある。
また一人の人間の性格と言動に精彩を与えるためには物語的な要素も必要とされ、したがって優れた伝記は文学のジャンルの一つとされることがある。また、「評伝」、すなわち「人物評を交えた伝記」というものも存在する。
むろん、執筆者や状況によっては人物評や物語的要素は歴史学及び文学における研究の立場からは「よけいなもの」として批判も存在するが、この分類は一つのジャンルとして幅広い人気を博しているのは世界的に共通した現象である。
( 「日本大百科全書」の記述を修正したもの )