《遘伜ッ?姶髫》
「嫌ダ!嫌ダ!嫌ダ!嫌ダ!……バケモノガ、タックサ〜ン!!」
CV:チカトプライド
データ
身長/197cm
体重/243kg
スキン/五連者仮面
むかしむかし/勉は霊能力者を演じて他人の家庭に潜り込み、金品などを奪っていたそうな…。
概要
霊能力者に扮する詐欺師・亀田勉の「やばい家族だらけの家から助けてくれー!」という欲望を叶えるために誕生した、秘密モデルのヒトツ鬼。
シソツ鬼が、五色の虹を背負う、色が混ざり濁ったような黒色の装甲を持つアーマー型スキン・“五連者仮面”を身に纏った姿。頭部は鳥類の意匠がある烏帽子のような形状をしていて、そして顔と両胸・両肩先にバイザー部分が菱型状になった鉄仮面を装着している。
また、5つの鉄仮面をよく見るとバイザーの上にはそれぞれ色の異なる宝石が埋め込まれ(右胸は赤、右肩は緑、左胸は黄色、左肩は桃色、そして中央の頭部は青)、全身を遠目で見るとWの形に仮面を配した、十字型のオブジェにも見える。
変貌時には「遘伜ッ?姶髫」(秘密戦隊)の文字化けと、秘密戦隊ゴレンジャーのクレストが浮かび上がる。
後述する理由で恐怖心のままひたすらその場から逃げるのを優先するも、追い詰められた際の自衛に使う武装は無駄に豊富で、ピンクのハート型投擲爆弾や緑の円月型ブーメラン、青い長弓矢に赤がアクセントになったムチ、果ては堅そうな大岩といった、五つの武器を1人で併せて「トイヤー!」と一心不乱に攻撃する。
活躍
本編より3日前、新たなターゲットにした真一の住居の一軒家にて「悪い運気が漂っている」と嘘っぱちの祈祷をあげていた所、家主の真一と遭遇。一先ずは狙いをつけた為、挨拶程度に名刺を渡して去っていった。
ただ、真一は以前に知人から彼による詐欺並びに窃盗被害の相談を受けており、そこではるかやつよしに協力を仰いで偽装家族を演じ、亀田の犯行の手口を暴こうと計画した。
一方、そんな事は知る由もない亀田は持ち前の巧みな話術で擬似猿原家に取り入って下調べをしながら、奪える物をどんどん奪おうと悪知恵を働かせ、はるかの彼氏を名乗る翼やジロウ、そして彼女の兄に扮するタロウ等次々と現れる人物にも平静を装いつつ対応。腹の探り合いを行った末でその場を後にした。
その夜、窃盗を決行しようと忍び寄るが、金銭を持たない生き方をしている真一の家には金目のものは見つからない。
すると亡くなった娘と電話する母親、本当は指名手配犯だった妹の彼氏、鬼になった妹、斧を振りかざす恐ろしげな男、問い詰めようとしたら急に倒れて死亡した兄と立て続けに起こった怪現象・恐怖体験を味わい戦々恐々。
真一「インチキ霊能力、亀田勉。君の詐欺の手口、しっかり見せて貰った!」
「ひぃ〜っ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!……誰カ助ケテクレェ〜!!」
そして、犯行の手口を確認した真一にも発見されて恐怖心のまま逃亡し、そのまま秘密鬼にヒトツ鬼化。人を超えた詐欺の鬼となるも、最早他人を騙す余裕も無く少しでも遠くに離れようと一心不乱に逃げまくるが、その先の地下駐車場でドンブラザーズと鉢合わせ。
秘密鬼は次から次へと多彩な武器を取り出してドンブラザーズを攻め立てるが、アカニンジャーにアバターチェンジしたタロウ/ゴールドンモモタロウに隠れ身の術で背後を取られて攻撃され、今度はムチを取り出して相手を滅多打ちにするも変わり身の術で無効化、死角からの攻撃を諸に受けてしまう。
そして自身を取り囲む桃型バリアをその場にあった大岩で壊そうと試みた所を、ゴールドンモモの「抱腹絶桃・フェスティバル縁弩」とドントラボルトの「雷刃・闇駆白虎」が直撃し「気持チイーー♡」と心が浄化、極楽気分に浸りながら爆散・敗北した。
すると、暴走した欲望で秘密鬼ングへと変貌を遂げ、ドンブラザーズはドンオニタイジンと虎龍攻神で迎え撃つ。
亀田勉
近頃世間を騒がせている霊能力詐欺師。
人の良さそうな素振りを上辺に、接近した家族を探って盗れるものは無いかと値踏みし、隙を突いて奪い取ったら姿を晦ます算段を常に考える狡猾さと、そんな自分の行動に一切の悪びれすら抱かないふてぶてしさを持った、典型的な卑怯でズルい悪人。
山伏のような服装で真一宅に集った面々に憑かれているとプレッシャーをかけていたことから、基本の手口は霊感商法だと思われる。ただし劇中では信用を得て自宅に招かれた後に間取りの確認や侵入経路の工作を施し夜間に侵入して金目の物を盗もうとしていた。なので実際は詐欺師兼泥棒である。
自分を騙し返そうとして、無理のある設定の上でトンチキな言動を繰り返すドンブラザーズを警戒、痺れを切らして夜中の猿原宅へ忍び込んでの盗みを決行するも、その途上で恐怖心で秘密鬼を引き寄せてしまった。
こうしてほぼ自業自得の形でドンブラザーズに退治されて解放され、事件後よほど恐ろしい思いを味わって懲りたのか、自ら警察に出頭した。
余談
モデルとして使われた戦隊は秘密戦隊ゴレンジャー。スキンの五連者仮面はストレートにゴレンジャーの漢字表記とゴレンジャーの敵対勢力仮面怪人を複合させた物と考えられる。
また、シソツ鬼ベースの理由として2代目キレンジャー熊野大五郎と考えられ、2代目キレンジャーは当初諸事情で交代していたが、その後歴代戦隊初の殉職戦士となった後、初代が戦闘に参加して終盤を戦い抜いた事がある。その為秘密鬼が秘密鬼ングに変貌した際の台詞は初代キレンジャーに変身する大岩大太の決め台詞が元ネタと考えられる。また、この殉職ネタは去年のブラックジョークを思わせている。
更にドンブラザーズのイエローも一時的に交代していたことがある。
戦闘中に使用された武器はそれぞれ、モモレンジャーのイヤリング爆弾、ミドレンジャーのミドメラン、アオレンジャーのブルーチェリー、アカレンジャーのレッドビュートがモチーフ。
また弓矢は『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の弓張重三、ブーメランは『仮面ライダー龍騎』のゼノバイターのものをリペイントしたものである。
以前から視聴者の間ではレジェンド中のレジェンド戦隊であるゴレンジャーモチーフの秘密鬼はラスボス、もしくは本編最後の一般怪人として登場すると予想されていたが、実際には2022年最後のヒトツ鬼として扱われ、他のアニバーサリー戦隊モチーフのヒトツ鬼や脚本家が同じ戦隊モチーフのヒトツ鬼同様、普通のエピソードでの消化となった(それでも話の切れ目で消化された分他よりは扱いはいい方だが)。
「人々を黒十字軍の脅威から秘密裏に守っていたヒーロー」であるゴレンジャーに対して、「人々を欺き金品を盗む犯罪者」である秘密鬼という対照的な存在となっている。また外見は「真赤な太陽を仮面に受けたフォルムと、5人揃えば虹の様に色鮮やかとなる戦隊」であるゴレンジャーを皮肉った様な、「日食によって真っ黒となった(もしくは複数の色が混じって黒く濁った)外見におぞましい5つの仮面が取り憑き、色鮮やかな虹をその身で隠している」物となっている。
一方、外見が黒で胸にXの字が走っているのは、黒十字軍の支配者である黒十字総統の要素を取り入れているが、5つの仮面がWの配置になっているのは黒十字総統の弱点である宇宙線が放たれるカシオペア座を、皮肉も込めながら取り入れたと考えられる。
今回はゴールドンモモタロウがアバターチェンジを披露し、アカニンジャーになったが、当の手裏剣戦隊ニンニンジャーでも本編7話にて会ってはいないがアカレンジャーが登場した。また、ドンブラザーズとニンニンジャーは共に和風戦隊という共通点がある。
「完全読本」の篠原保氏のコメントによると、始まりの戦隊がモチーフということで下手は打てないと悩んでいたところに当時流行っていたAIイラストの噂を聞き、半信半疑のままで作成したデザインを原案に、著作権に配慮して改めて描き起こしたもの。密かに敗北感を感じていたらしい。
もっとも、AIイラストメーカーの本来の存在意義はクリエイターに新たなアイデアを提供することであり、理想的な活用がなされていると言える。
pixivでは登場以前にオリジナル怪人として秘密鬼が投稿されていた。
因みに、亀田を演じたチカトプライドはグレープカンパニー所属のお笑いタレントであるので、ムシバ邪面以来の2年振りの芸人起用の戦隊怪人である。
関連タグ
救急鬼:同じく宿主の凄まじい恐怖心の欲望から生まれたヒトツ鬼。
快盗鬼:同じく犯罪者を宿主にして生まれたヒトツ鬼。
科学鬼:別の『秘密』のモデルのヒトツ鬼。
恐竜鬼、百獣鬼、魔法鬼、轟轟鬼、機界鬼:ゼンカイジャーメンバーモチーフの戦隊のヒトツ鬼繋がり。
海賊鬼、超力鬼、侍鬼、未来鬼:こちらはツーカイザーモチーフの戦隊のヒトツ鬼。
世界鬼:番外戦士であるステイシーザーモチーフの戦隊のヒトツ鬼。
鉄ひめ仮面:ゴレンジャーの姿を歪めた怪人。ちなみにこの怪人を倒した手段は『桃太郎』である(正確には必殺武器が変形した桃から出た小さな爆弾で倒された)。
ゼンカイザー、ゼンカイレッド、ゼンカイザーブラック︰いずれもゴレンジャーモチーフの戦士。ゼンカイザーブラックはドンブラザーズに登場している他、ゼンカイザーともVシネマで共演を果たした。
黒十字王、スーパー悪者ワルド:黒十字総統をデザインの主軸に組み込んだ、記念作戦隊の劇場版に登場した怪人。ちなみに秘密鬼含め、いずれも篠原保氏のデザインで、頭部の十字状シルエットは共通させつつもデザインの方向性は差別化し切っている。
アキャンバー:5年前のカシオペア座モチーフの最高幹部怪人で、身体各部にカシオペア座を模したWの意匠がある。更に同作には、黒十字王のそっくりさんな幹部怪人もいる。
黒十字魔人:ゴレンジャーが元ネタのドラマに登場した黒十字総統モチーフの怪人。
アナザー1号、アナザークウガ、アナザーゼロワン:年号最初のヒーローを歪めた存在。またアナザー1号に関してはシリーズの始まりのヒーローを歪めた存在という共通点も存在する。
アークオルフェノク、ライダーロボ:こちらも年号最初のヒーローを歪めた様な見た目をしている。
にせウルトラマン、ショッカーライダー:年号最初のヒーローを歪めた存在。
水喰い忍者ガマジャクシ、オズチュウ星人イーアル、スプレーバンキ、ダウジングバンキ、フーセンバンキ、カール・インダベー、オーモ・インダベー、ナゾカケ邪面、ムシバ邪面:お笑い芸人が演じた歴代の一般怪人達。