概要
世界征服のため、人類抹殺を目論む秘密結社。シンボルは目の描かれた黒い十字架。
起源はいつ頃かは定かではないが、ゴールデン仮面大将軍が古代エジプトの生まれとされているため、紀元前から存在していた可能性も否定できない(単に彼自身が古代エジプト生まれなだけという説もなくはないが)。
世界各地に戦線を広げ、計画遂行の邪魔となるイーグルおよびゴレンジャーと戦う。
戦隊最初の組織とあって作戦内容は民間人を洗脳・誘拐、要人の暗殺、財宝や技術の奪取、破壊活動、ゴレンジャー基地の探索、人間を仮面怪人に改造する…と典型的な悪の組織といった感じ。
とはいえ、第1話に至ってはいきなり北海道・東北・関東・関西・九州にあるイーグル支部を徹底的に壊滅させる功績を上げているあたり、強大な悪の組織である事には違いない(その割に鳩の世話をしていたおかげで生き残った奴がいるなどミスもやらかしているが)。
加えて、敵対者や無関係な物の命や財産を奪う事に基本的に躊躇しないが、回を重ねるにつれて、仮面怪人がどんどんギャグ色を増していき、ゴレンジャーハリケーンによるトドメのシーンも相まってか非常にシュールな印象が強く、部下思いの構成員も確認できる。
例えば…
- キレンジャーに「火を付けて困るランプはなんじゃい?」と問われてゾルダーが律儀に「トランプ」と答える。
- モモレンジャーに「ちょい待ち」と言われて大人しく待つ黄金仮面
- 黄金仮面がゴレンジャーに倒されて次の作戦の指揮権を我先にと争う青銅仮面/武者仮面/ヒスイ仮面/毒ガス仮面の4人(この後、黒十字総統は4人に指揮権を与えている)。
- 大ちゃんのリクエストにわざわざ応じ、完璧な髭剃りの腕を見せたカミソリ仮面
- テムジン将軍の言葉を鸚鵡返しする岩面仮面
- 怪人態のまんま市街地を堂々と出歩く鉄ひめ仮面/機関車仮面
- 大ちゃんに新幹線の方が早いと煽られて競争を始める機関車仮面
- 敵の兵器が変身した卵だと知っても食わずにはいられない火の山仮面マグマン将軍
- わざわざモチーフの野球に合わせ、配下を背番号つきの10人構成にした野球仮面
などなど。
萬画では無国籍スパイ団体で、政治・科学の情報や要人を略奪あるいは誘拐することで他国に売りつける組織とされる。なお、売られた人物は買い戻す事も可能なようだが、大抵の場合、買い戻しに失敗して(黒十字軍が値段を操作するという事情もある)戦争の引き金となってしまう。
構成員
『199ヒーロー大決戦』にて登場した構成員は、黒十字軍(199ヒーロー大決戦)を参照。
黒十字総統(全話)
黒十字軍の首領。
日輪仮面(第15~20話)
初代大幹部。
鉄人仮面テムジン将軍(第20~42話)
二代目大幹部。
火の山仮面マグマン将軍(第42~54話)
三代目大幹部。
ゴールデン仮面大将軍(第54~84話)
最後の大幹部。
黒十字軍の怪人。モチーフは、動物から電化製品や日用品に至るまで、レパートリー豊かである。他の組織の怪人と比較するとギャグの好きな連中が多い。
ゾルダー(全話)
黒十字軍の戦闘員。基本的に「ホイッ!」としか喋らないが、他の組織に比べ、喋る事が多い。やはり他の組織の戦闘員と比べてギャグの好きな連中である。
黒十字忍団(第64~84話)
「宇宙侵略軍」という地球外組織を味方に付けたのを機に結成された、ゾルダーの上位版にあたる精鋭部隊。壁をすり抜け、音も無く忍び寄り、身軽で俊敏な動作など、その忍者的能力はさすがのゴレンジャーも手こずった。
臨時構成員
『199ヒーロー大決戦』にて登場した構成員は、黒十字軍(199ヒーロー大決戦)を参照。
0010(第27話)
イーグルの潜入工作員だったが黒十字軍に寝返り二重スパイとして暗躍。
黒十字軍が新兵器(実は仮面怪人)輸出という偽情報を流し、それによってゴレンジャー基地が多大な被害を被った。
スパイS3号(第32話)
イーグルの秋月参謀が黒十字軍に寝返った。
サイボーグQ(第36話)
黒十字軍に改造された女性。そのため黒十字軍の為に働くしか生きがいが無いと考える悲しい女である。
水木綾という名で大岩に接近した。
死神博士(第53話)
当該記事参照。
ブラックシャドウ9、サイボーグ(第79話)
兵器
ジープ
第1話から登場している陸上での代表的な移動手段。
ゾルダーが運転、仮面怪人が指揮を担当する。
なお、テムジン将軍はこれとは別に機関砲で武装した専用車を持っている。
トラック
青い車体が特徴的な軍用トラック。
物資やゾルダーの輸送に使われた。
装甲車
前部に主砲を備えた黒い装甲車で、ゾルダーが搭乗する。
虹の要塞
虹仮面の前線基地。
アトランティス号
元は1万1千年前に古代アトランティス文明を滅ぼしたとされる飛行船。
時速50キロで飛行し、船首からの砲撃が武器。
砲丸仮面によってアトランティス号の在り処が捜索され、発掘されるが、後任の針金仮面ごと空中ゴレンジャーストームで撃墜された。
コンドラー
第35話から登場。ナスカ高原から取り寄せた戦闘機。
その名の通り、鳥の爪と翼の意匠を備えている。
無敵要塞ナバローン
地底潜行も可能な要塞で、4基のナバローン砲で武装している。
この他にも火炎放射器や毒ガス、脱出用ロケットなど様々な装備が内蔵されているが、第54話で陥落してしまった(同回がこの兵器を運用していた火の山仮面マグマン将軍の退場回でもある)。
黒十字軍は他にも地中から出現する長距離砲台などを隠し持つ。
ツタンカーメン号
バットラー
第64話より登場したコンドラーを格納している空中母艦。
バットラー自体も主砲を備えており、バリドリーンを不時着に追い込めるほどの戦闘力を有する。
黒十字城
第64話より登場したバットラーを格納している巨大空中要塞。
後期の黒十字軍はここを活動の拠点としている。
余談
黒十字軍の構成員にはイーグルから転職して来た者が居る。
理由はイーグルよりも待遇が良いから。それで良いのか?
特撮作品での類似名称組織
『ゴレンジャー』が特撮作品にもたらした影響もあるのだろうが、黒十字軍の名前に似た組織(色を変えた組織)がいくつか登録している。
- 青十字軍…同原作者の『快傑ズバット』に登場するダッカーの下部組織。
- 灰十字軍…同シリーズの『轟轟戦隊ボウケンジャー』に登場するネガティブシンジケートの一角。
関連タグ
黒十字軍→犯罪組織クライム