「そう逃げるな。貴様等の運勢、占ってやるオミクジ」
「私のおみくじで出た運勢が、貴様らの運を決定付けるオミクジ!ヒーヒッヒッヒッ!可哀想、可哀想!」
登場話::第45カイ!「超大凶って運勢最下位?!」
データだオミクジ
身長/196cm
体重/297kg
世界/オミクジトピア
名物/今日の運勢
名産/ムゲンミクジ
概要だオミクジ
トジテンドが人間界侵略の為、おみくじの世界「オミクジトピア」を閉じ込めたオミクジトジルギアをクダックに組み込み、不吉に誕生したワルド。
頭部は顔が折り目の付いた大凶くじ、後・側頭部が悪い運のくじを結ぶみくじ掛けになっており、後頭部へは鳥居も配された神社やおみくじの領布機を彷彿とさせる物。また、顔である大凶くじの「大」の文字が前髪、「凶」の文字が髭に当て嵌められているのに加えて口部分としてくじの個別運勢欄を一対の牙が囲い、さながら相手に不運の詳細を悪意も込めながら伝えようとしている様にも見える。
一方、左手にはみくじ棒を模した、銃弾を放つガトリング砲にもなる銃砲「ムゲンミクジ」を装着しており、側面にはサイバーな書体で「OMKJ」と「おみくじ」の子音がアルファベットで書いてある。
オミクジトピアの力を悪用し、ムゲンミクジより発射したおみくじを命中させた相手の運勢へ強制的に干渉する能力“今日の運勢”を行使する。
この能力に嵌った者は、何かを開ける度に悪い結果のおみくじ、「強運」ならぬ「凶運みくじ」が額に張り付いて不運が連発する様になる。しかも「何かを開ける」動作の対象範囲はかなり幅が広く、物をどかす、落とし物を拾う、ダンボールを被せるといった小さな行動であっても発動のトリガーになってしまい(どうやら対象が現れることがトリガーだと思われる)、回避は実質不可能である。
最初は些細な不運にしか見舞われないものの、凶運みくじは引かれる度に結果が悪化して行き、それに比例して不運の内容も心身へのダメージが重い物へと段々とグレードアップ。遂には不慮の事態で命を落とすと言う、最悪の不運にぶち当たる状態まで短時間に突き進んで行ってしまう。
尚、運勢以外の何らかの力や長所、実績等を持つ人物ならそれらを用いて不運を乗り越えようと試みるのだが、この能力で齎される不運はそうした個人らの持ち味を潰す様な結果を発生させる為、今まで頼り培って来た自分なりの解決方法も無駄になると言う、無情過ぎる現実を突き付けられ精神を圧し折られる状態に陥るのは必至である。
また、能力の本質が「運勢への強制干渉」の為に、逆に味方に対して能力を使う事で運勢を最高の物に調整、相対的に敵の運勢を悪い方向へと傾けて味方を優位に立たせられるという、自らの手下である一般戦闘員達に対して反則クラスの大きな支援を行う事も可能。
総じて運勢と言う、日常生活や戦闘問わず身近な概念を操る能力だけに一度受けてしまえば修正と対処がほぼ不可能になる、非常にダイレクトな危険を及ぼす厄介すらも通り越した、「最悪最強」な力を有したワルドと言える。
最早チートと言うしか無い能力を有する上に、「~オミクジ」と言いながらおみくじを提供する口調が微妙にオネエ臭いのが特徴。神主どころかもはや「神」の気分で、悪い運勢に追い詰められて行く人々の阿鼻叫喚を間近で観察するのを楽しむ、最低極まった野次馬根性の持ち主である。
活躍だオミクジ
ハカイジュウオーの件でボッコワウスの信頼を失墜させたイジルデが、汚名返上の為に製造。人間界へと送り込まれる。
程無く街中で人々に向かってムゲンミクジを乱射し不運をばら撒き回るが、そこで買い出しに出ていたブルーンとマジーヌに遭遇。
マジーヌ「おみくじ!?そんな素敵世界あるんすか~!?」
ブルーン「興味を奪われている場合じゃありません!大変な事が起こりますよ!?」
マジーヌ「おみくじの世界、解放しろ~!!」
「あらあら。お前さん、おみくじが好きオミクジ?ならば、好きなだけ引かせてやるオミクジ。ムゲンミクジ!」
そのままチェンジしたゼンカイブルーンとゼンカイマジーヌと対峙するも、すぐさまムゲンミクジを乱発して二人に浴びせる事に成功。
何も影響が無いので、とっとと戦いを済ませようとマジーヌがマジーヌスティックで魔法を発動させようとするが、それがトリガーになって凶運みくじが生成。額に張り付き、いきなり頭上から看板が落ちると言う不運に見舞われる。救援に駆けつけたブルーンも看板をどかした行為が発動のトリガーになり同じく凶運みくじが生成、マジーヌと同じ目に遭ってしまう。
更に突進した所を、捨ててあったバナナの皮で盛大に滑ってゴミ捨て場に突っ込んでしまい、不運の連続でキリキリ舞いになってマトモに戦えなくなった二人を嘲笑しつつ、介人達が駆け付ける前にその場を悠々と後にした。
その後もカラフルに帰ってきた後も更に凶運みくじの不運に見舞われるマジーヌとブルーンと同じ様に、不運が降りかかった人々を着々と増やして混乱を誘発させる。この調子で「最悪の運勢をやるオミクジ!」と更に混乱させるべく別の人々へムゲンミクジを発射しようとするも、2人を置いて来た介人達の妨害を受け失敗。すぐさまクダック部隊をけしかけゼンカイジャーと交戦開始。
ジュラン「凶しか出ねえ、おみくじはねぇだろうが!」
介人「そうだ! もっと大吉とか、中吉とかあるだろ!」
ガオーン「あんなのインチキだ!仕込みだ!ヤラセだぁ~!!」
「インチキ!?そこまで言うなら見せてやるよ!ムゲンミクジ!6時でも“9時(くじ)”ってね」
ここで、介人達にいちゃもんを付けられたので、嗾けたクダック部隊にムゲンミクジを浴びせる事で幸運による強化を施し、「ほ~らね?凶以外もあるオミクジ?」と白々しく返答。
この思わぬ強化に、ムゲンミクジの影響を受けていなくても自分達を上回る強運を身につけたクダック達に本調子を出せず介人達は苦戦、無理を押し切ってマジーヌ達が駆けつけるが不運な二人に戦闘ペースを乱されてガタガタに。
これで生じた隙をオミクジワルドは見逃さず、残りの3人にもムゲンミクジを命中、彼らを翻弄してワザと「開く」動作をさせる事でゼンカイジャー全員へ凶運みくじの貼り付けに成功。
あまりに運が悪過ぎて踏んだり蹴ったりなゼンカイジャーはオミクジワルドだけで無く、飛んで来た鳥にも「ウン」を付けられ馬鹿にされる始末。
「ハッハッハッハッハ!5人揃って、“運悪ジャー”だオミクジ!」
「あら良かった、“ウン”が付いたじゃないの!(嘲笑)」
ここでゼンカイザーは一発逆転を狙おうとゼンカイジュウギアを呼び出しスーパーゼンカイザーに強化を試みるも、ギアはトラックに撥ねられて空の彼方に吹っ飛んでしまい強化に失敗。
ならばとセッちゃんのアドバイスでキュウレンジャーギアで宇宙一の強運を身につけ立て直しを図るも、ギアトリンガーのカバーを開けた事で凶運みくじが生成。思わず消火栓に誤射してしまい、大量の水を浴びてしまってギアを使う事もままならなくなる。
更には起死回生を掛けたゼンリョクゼンカイキャノンの召喚も「レジェンド戦隊が現れる」事がトリガーとなって直前で効果の条件に引っ掛かってしまい、呼び出されたのは二代目のキレンジャー、初代のバトルコサック、初代のイエローフォーと言う取り返しのつかない不幸に見舞われたヒーローが出て来てしまい、あっと言う間にやられた挙句にイエローフォーの幻像の爆発に巻き込まれてゼンカイジャーが負傷。
極め付けは苦し紛れでマジーヌが行った水晶玉占いで、最も悪い「超大凶」を引いた事でゼンカイジャーの運気は完全に地に落ちた。
「あらあら、何て運の悪さオミクジ。アッハハハッ!!」
ジュラン「もう、何もしねぇ方が良いかも…」
頼みの綱のゾックスも既に人間界に居らず、史上最悪の絶望的な状況にゼンカイジャーを嵌める事へ成功したオミクジワルドは、余裕綽々でこれを見物しつつゼンカイジャーを執拗に挑発する。すると「超大凶」を引いたマジーヌが大きく胸を張って笑い出した。
マジーヌ「自分の占い外れるんだ…超大凶が出たって事は、ハチャメチャ大吉なんじゃ~い!」
「何を訳の分からん事を!!」
マジーヌ「ハチャメチャ大吉の自分が、お前なんかに負けるか~!!」
この様に「自分が普段やっている占いは外れる」と半分ヤケを起こしたマジーヌは、寧ろ自分は「超大吉」だと言い聞かせて奮起。何度も立ち向かうマジーヌをオミクジワルドは甚振り続けるが、マジーヌの雄姿を見て占いを信じる事にした他のゼンカイジャー達も(マジーヌのキャラソンをバックに)、不運を気にも留めずガムシャラの猛攻を掛けて来る。
「バカな…私のおみくじに抗うなど…!?」
マジーヌ「人を苦しめる為に占いを使う奴は、滅びろ~っ!!」
これを最初は余裕で捌いていたが、次第に能力特化型のワルドの欠点である「本体の戦闘力と耐久力の低さ」が露呈し始め、不運による相手の予想の付かない動きに巻き込まれる形で徐々に攻撃を貰いダウン。つまりは自分が相手に仕掛けた不幸に自分自身も巻き込まれる形でダメージを負ったのである。
最期は占いを人の不幸に使った事へ怒りを滾らせたゼンカイマジーヌが、仲間と即興で編み出した新技「桃色の鮮烈」をマトモに受けて、「大凶……からの超大凶!!」と自身が擦りつけた不運を覆されて敗北・爆散。
これを以って凶運みくじは消滅し、人々は不運に命を脅かされる状態から解放、ゼンカイジャーも絶望的な状況からギリギリで抜け出せた。
結局勝敗を分けたのは、どんなに対抗手段が封じられて不利の雁字搦めへなろうとも諦める事を諦めなかったゼンカイジャーの根性と精神力と言え、更に逆転の嚆矢へなったのが初期の自信の無い頃から見違える程逞しくなったマジーヌであったと言う、感慨深さを覚える展開となった。
一方、残されたオミクジトジルギアは「しかし貴様らは既にボロボロ、トジテンドの勝利目前だ!」と言いつつ現れたクダイテストが取り込み、ダイオミクジワルドを誕生させた。
余談だオミクジ
- これまでの戦隊怪人でも、運気を操り人を不幸にさせるケースは多々有ったが、シンプルに運が分かる道具である「おみくじ」をモチーフにした怪人は実はオミクジワルドが初となる。
- 声を演じる阪口氏は『烈車戦隊トッキュウジャー』の管理人ナイトの声を演じて以来、7年ぶりの戦隊出演となる。
- 次回の出演は2年後の『王様戦隊キングオージャー』のザリガジーム役となる。
- ゼンリョクゼンカイキャノンの召喚で呼び出されたメンツについてはトップクラスにブラックなネタ。二代目キレンジャー・初代バトルコサック・初代イエローフォーは番組途中で殉職したと言う共通点があると共に、大人の事情で演者が交代したと言う中々に踏み込み辛い共通点がある。
- 公式から「最強」or「最凶」と言うコンセプトで生み出されたオミクジワルドだが、そのコンセプトに恥じない実力を見せ付けた上に、その能力で部下の戦闘員達まで強化してゼンカイジャーを大いに苦しめた事からファンからは「ゼンカイジャーだけで無く歴代スーパー戦隊史上最強怪人候補」と評価を得ており、ぶっちゃけラスボスのボッコワウスより強かったと評されている(もっともボッコワウスはボッコワウスで間違い無く強い部類に入るのだが)。
- 大凶を神様の紙に噛みつかれると解釈し、折られたおみくじが開いたときの状態をモチーフにし、牙を剥いた神様的な顔の怪人にしてある。おみくじの箇条書きの文章をスリットで表現し、サイドのおみくじ掛けは結んだおみくじをネジ状のメカにアレンジして表現している(『機界戦隊ゼンカイジャー公式完全読本』p.119)。
関連タグだオミクジ
ビックリバコワルド:何かを開ける事で効果が発動するワルド繋がり。