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大神龍

だいじんりゅう

大神龍とは、特撮テレビドラマ『五星戦隊ダイレンジャー』の登場キャラクター、および巨大戦力の一つ。
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概要編集

宇宙の秩序を守るために、大宇宙が生み出した型の超宇宙生命体

宇宙航行時の「昇竜形態」と、地上に降り立つ際の「龍神形態」の2つの姿を持ち、前者では全長500m、後者でも全高345m、そして重量に至っては何と50万tと、作中はおろかスーパー戦隊シリーズ全体に目を向けても、規格外ともいうべき巨体(※1)が最大の特徴である。

未知の金属メガトロニウムで覆われた身体はどんな攻撃でも傷一つ付かず、口から放つプラズマ衝撃波は一撃で半径10kmを一瞬で焦土と化す。また前述した巨体そのものが武器でもあり、ゴーマ怪人パチンコ大名人は単なる踏みつけひとつで呆気なく滅び、堅牢な装甲を有する超気伝獣ダイムゲンでさえも同じ運命を辿りかけた。

さらに宇宙では光速、大気圏内でもマッハ30という信じられない速度で移動するなど、その巨体と反比例するかのような機動力も兼ね揃えており、移動の際に副次的に発生する衝撃波でさえもビルを破壊してしまう程の威力がある。

つまり大神龍と対峙する上で「それを倒すことはおろか、それから逃げ延びることも身を守ることも不可能」なのである。


その行動原理は至って単純で、争う者は正義、各々の戦う理由などは一切関係なく、一度「宇宙の秩序を乱す者」と見なせば全てを無にするまで破壊の限りを尽くす。かつてその圧倒的恐怖を目の当たりにしたダイムゲンからは、恐怖の大王として恐れられている。

逆に言えば行動の理由がなくなる、即ち争いが収まれば至極あっさり宇宙へと去って行くなど、破壊活動を停止する方でもまた単純明快な行動原理を示す訳だが・・・その唯一にして単純な解決方法がしかし如何に困難極まるものであるかは、作中でも余すところなく示された通りである。


このように善悪を超越したポジションの存在でありながら、番組終盤にはDX玩具やプラデラなど商品化もなされており、流石に作中のような対比こそ再現されていないものの、歴代スーパー戦隊シリーズのDX玩具でも最大級のサイズとなっている。

大神龍は元々龍星王パワーアップ版として企画されていたものであり、準備稿の中には龍星王と同様に気伝武人形態も検討されていた痕跡が見られる。


(※1 他方で、作中では全長30m以上の天空気殿が大神龍の爪の先より小さく見えたり、全長110mのダイムゲンを足の裏の大きさだけで上回っているなど、シーンによっては1000~5000m程もあるように見える演出がなされている)


作中での動向編集

初出は最終クールに差し掛かる第37話。激化するダイレンジャーゴーマの戦いを宇宙に飛び火させないため、地球諸共この両者を滅ぼすべく宇宙の彼方より飛来した。

折しもこの時、ダイレンジャーとゴーマとの間では、ゴーマの血に目覚めつつあったコウを巡っての激しい攻防が展開されていた。コウをゴーマに引きずり込むため、シャダム乗り移って暴れるパチンコ大名人(※2)と、これを止めようとする龍星王が戦っていたところ、地上に降り立った大神龍はこれに介入し、圧倒的な力をもって戦いを中断させたのみならず、プラズマ衝撃波で街にも壊滅的なダメージを与えるなど、亀夫をして「恐怖の大王」と言わしめるだけの実力の片鱗を示した。

その後、大神龍が世界各地でも猛威を振るう中、ゴーマはこの混乱に乗じて地球征服を一挙に推し進めようとするが、そんな虫の良い浅知恵などあっさり見透かしていたのか、今度はゴーマ宮が直接大神龍からの攻撃に晒される事態となり、さらには再度街を破壊していたパチンコ大名人もなす術なく踏み潰され、これと干戈を交えていた大連王までも一蹴されてしまう。

この未曾有の危機を前にして、道士・嘉挧ゴーマ十五世に対し休戦協定を持ちかけ、当初は歯牙にもかけなかったゴーマも甚大な被害を被ったことで、ここに協定が締結されるに至った。とはいえ嘉挧が危惧していた通り、その後もゴーマは度々協定を無視して散発的な攻撃を仕掛けており、いつまた大神龍が現れるか分からない状況が続いた。


そしてゴーマの血に目覚めつつあるコウを巡り、ダイレンジャーと阿古丸との間でさらなる戦いが繰り広げられる中、大神龍は再び地球へと来襲する。前回と同様に市街地で猛威を振るう傍ら、さらに一般市民を催眠状態において高層ビルの上に並ばせ、自身の一声次第で彼等を飛び降りさせることを示し、ダイレンジャーとゴーマに停戦を迫るという極めて厄介な手にも出ている。

ここでも嘉挧はゴーマとの取り引きの末に、再度の休戦協定の締結に漕ぎ着け、さらに大神龍を呼び寄せるきっかけの一つでもあったイカヅチ(※2)が倒されたことで、大神龍も再び宇宙へと帰って行ったのだが・・・この一件をきっかけに嘉挧はダイレンジャーの解散を宣言、またゴーマ内部でも次期皇帝の地位を巡る争いが勃発するなど、2度目の大神龍の襲来(と、再度の休戦協定)はそれぞれの陣営に深刻な爪痕を残す結果となった。


やがて休戦協定を取り持っていた嘉挧が倒れ、ダイレンジャーとゴーマは最終決戦へと突入。最早休戦協定があってなきような状況に陥ると、両者が死闘を繰り広げていたゴーマ宮を争いの元凶であると看做し、これを破壊すべく大神龍は三度地上へと降り立った。

大神龍による激しい攻撃の前にゴーマ宮も遂に崩壊、そして最終決戦がゴーマの敗北という結果を迎え、今度こそ争いが終わったと判断した大神龍は三度宇宙へと戻って行った。


(※2 この両者に共通するのは、いずれも作中でトップクラスに強い妖力の持ち主であり、パチンコ大名人に至ってはシャダムが憑依したことでより妖力を増していた状態にあった。大神龍が地球に呼び寄せられたのも、あるいはこの両者の発する強い妖力が多分に影響していたのかも知れない)


備考編集

以上の通り、ダイレンジャーやゴーマはおろか、他のスーパー戦隊やその敵勢力を相手にしたとしても、圧倒的な力で完全にねじ伏せることが可能であろうと見る向きも少なくはなく、スーパー戦隊シリーズ屈指のジョーカーキャラといっても過言ではない。ただその一方で、2023年現在それが公式に示されている訳ではない事にも留意されたい。


一応、それを証明できたであろう格好の機会は過去に存在している。それはダイレンジャーも含む全てのスーパー戦隊が存在する『海賊戦隊ゴーカイジャー』の作品世界であり、作中ではレジェンド大戦を始め、宇宙帝国ザンギャックが散々宇宙規模での戦闘を引き起こす等、大神龍が現れるであろう状況は十分に整っていた・・・のだが、にもかかわらずこの時大神龍は最後まで襲来する気配を見せなかったのである。

同作の演出陣の一人である竹本昇はこれについて、「レジェンド大戦の時にザンギャックに倒されたんじゃないでしょうか」との見解を示しており、同時に後に違う理由で出てこなかったことが明かされたニンジャマンについて「艦隊相手の巨大戦で倒されたので第1話冒頭にはいなかったのかも」とも語っている。この見解を額面通りに受け止めるならば、宇宙意志の化身ともいうべき大神龍も、圧倒的な物量攻勢をもってすれば決して倒せない相手ではない、即ち必ずしも無敵の存在ではないということとなる。無論、こちらもあくまで竹本個人の見解の域を出るものではなく、公式設定でないことは言うまでもない。

別の見解では、あくまでも大神龍の役目は「善悪を問わず争いを止め、宇宙の秩序を守ること」で一貫していることを踏まえ、「争いの続く地球よりも、『力による支配』という秩序を保っていたザンギャックの方が、スーパー戦隊やその敵達よりも、宇宙の秩序に貢献していると捉えたのではないか」と予想する向きもある。



『スーパー戦隊の常識』内の一番強い怪人としても大神龍が最有力候補となっており、他には『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のロン無間龍)や『魔法戦隊マジレンジャー』の絶対神ン・マが候補であるが、これらは何だかんだで最終的にスーパー戦隊に敗北したため、大神龍の方に軍配が上がった。この内、ロン(無間龍)は大神龍をモデルとしている。


しかし現在では王様戦隊キングオージャーが放映されてその中で宇蟲王が登場。

彼らに対応しなかった理由として『倒されたのでは?』と考察されて現在では同作のラスボスであるダグデド・ドゥジャルダンに最強の座を奪われる事となった。


漫画家長谷川裕一は自著・『すごい科学で守ります!』にて「あれだけデカい存在なのでかなり気も長く、我慢しきれなくなるのは早くても(ダイレンジャー終了から)150年後」との説を提唱している。




海外版編集

スーパー戦隊シリーズの英語版ローカライズ作品『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』では、第2シーズンにおいて、敵の首領であるロード・ゼッドの操る悪のゾード・セルペンテラとして登場。

原典における善悪を超越した存在ではなく、あくまでも悪の勢力によって建造されたメカニックという位置付けである。操縦は当初ゼッドとゴルダーが担当しており、後にリタがゼッドと結婚してからはゼッドとリタが操縦するようになった。

惑星を破壊できるほどのビームキャノンなど、その強さは原典と負けず劣らずであり、作中でも度々パワーレンジャーを苦しめるも、燃費の悪さが災いして止めを刺す前にエネルギー切れを起こしたために撤退を余儀なくされる、というパターンがしばしば見られた。


主に第2シーズンで登場し、次作『ZEO』ではリタとゼッドがマシン・エンパイアの手から逃れる為にセルペンテラを使ってリタの父であるマスターヴァイルの本拠地M51銀河へ向かった。

更に時代の下った『ワイルドフォース』の第34話「Forever Red」では、マシン・エンパイアのが月面に残されていたセルペンテラを回収し利用を試みている。彼等の野望を挫くべく集結した歴代のレッドレンジャーたちを苦しめるも、専用マシンであるワイルドライダーを駆って口内に飛び込んできたレッドライオンレンジャーによって、内部から破壊された。

後者においてはオリジナルのスーツが残っていなかったためか、CGで表現されている。


関連タグ編集

五星戦隊ダイレンジャー 龍星王


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