概要
媒質に与えられた外乱が媒質中の音速を超える速度であった場合に発生する、圧力が急激に変化する膜のような領域のこと。
音速を超える速度で移動する物体が空気を切り裂く際に先端から発生するものが有名であり、pixivで本タグが使用されているイラストも大体その様な感じのものである。
その他雷や花火の音なども、大気の膨張が音速を超えた際の衝撃波によるものであり、「ソニックブーム」などとも言う。
粒子が媒質中の光速を超えた際に発生するチェレンコフ光が「光の衝撃波」と例えられることある。
距離によっては物理的破壊力をもち、爆弾は言うまでもなく、超音速飛行機の衝撃波が窓を割ってしまった事例もある。
また衝撃波を発生させている張本人にとっても、それだけのエネルギーが衝撃波に変換されて無駄になっているということでもあり、超音速飛行をすると燃費が極端に悪化する。
この無駄のことを流体力学では「造波抵抗」と呼び、ジェット機開発の黎明期においては「音の壁」として人類の音速突破を妨げていた。現代でも航空機の速度向上において大きな課題であり、未だに超音速旅客機が(十分な採算性で)実現できていない原因でもある。
ちなみに衝撃波の問題はマッハ1以上の超音速機に特有のものではなく、それ未満の速度でも乱流などの影響から部分的に超音速流が発生し、微弱な衝撃波が発生する。
亜音速飛行中でも燃費や操作性に悪影響を与えるため無視できない問題となるため対策が施されており、旅客機の主翼が後方に向かって角度がついているのもその対策である。