「パンパカパーン!パンパンパンパンカパパーン!お待たせいたしました、私の名前はパチンコ大名人!あ~ら皆さん全然出てないのね。パチンコはね、こうやるのよ」(第37話)
「フィーバーフィーバー!鬼は~外!鬼は~外~!!」(同上)
CV/演:本間しげる
登場話数:第37話 「必見!!でけェ奴」、第38話 「えーッ!! 停戦!?」
概要
ゴーマ怪人の一人にして、作中では最後となる一般怪人(※)でもある。
その名の通り重度のパチンコ好きであり、怪人態は上半身が丸々パチンコ台そのもの、頭にはご丁寧にも自身の名前を大書きしたネオンサインまで配しているという、実に分かりやすい出で立ちをしているのが特徴である。
人間態もシルクハットに黒いスーツを着た、ダリを思わせる形状のつけヒゲと丸眼鏡の怪しげな男性の姿を取っており、こちらもこちらでなかなかに強烈な個性を発揮している。
パチンコをこよなく愛する一方で戦いにはまるで興味を示さず、パチンコが下手な人間とは戦いたくないと公言して憚らぬ根っからの遊び人であるが、そんな気質とは裏腹に体内には莫大な妖力が秘められており、実力は一般のゴーマ怪人でも高い部類に入る。
作中においても、体内のパチンコ玉を投げつけるだけだが凄まじい威力の「必殺パチンコ拳法・地獄フィーバー」、相手を巨大なボール状に丸める「人間パチンコ玉」、それを蹴ってダメージを与える「パチンコキック」等、非常に馬鹿馬鹿しくも強力な技を駆使する拳法の達人ぶりを見せている。
(※ 一応、これ以降も餓狼鬼や子竜中尉のように、ゲストキャラクターとしての怪人は何体か登場しているが、いずれも「モチーフ+役職名」という、一般のゴーマ怪人に共通するフォーマットからは外れたものとなっている)
作中での動向
第37話「必見!!でけェ奴」
大五と将児がパチンコに興じていたところ、突如店に現れたパチンコ大名人は将児を退かすと、上記の台詞と共に自身の能力でパチンコを次々フィーバーさせ、店内を熱狂の渦に巻き込んでみせた。
その様子に、只ならぬものを感じた大五と将児が止めに入ると正体を現し、「地獄フィーバー」と「人間パチンコ玉」のコンボで二人を難なく圧倒してみせたが、優位に立ちながらもあっさり戦意を失ったらしく、「パチンコの弱い人とは戦いたくない」と嘯いてその場を後にした。
・・・と、これだけならただの傍迷惑なゴーマ怪人でしかなかったのだが、折しもその裏では復活した阿古丸が、キバレンジャーことコウをゴーマに引きずり込むべく暗躍しており、その動きを警戒したシャダム達三幹部に強い妖力の持ち主として目をつけられたことで、その運命も思わぬ方向へと転がっていくこととなる。
先の戦いの後、再びパチンコに興じていたパチンコ大名人は、シャダムに憑依されて遊園地のアトラクション等を暴走させるのみならず、さらに巨大化して街中を破壊するなど猛威を振るった。無論それらは単なる肩慣らしに過ぎず、本当の狙いはリンの部屋で昏睡状態に陥ったままのコウに、パチンコ玉を介してシャダムとパチンコ大名人の強い妖力を送り込み、彼を自分達の意のままに動くよう仕向けることにあった。
かくしてその狙いは的中し、強い妖力を受けたコウがキバレンジャーに変身してダイレンジャーに襲いかかるという事態が発生。これを止めるべくリュウレンジャーは龍星王を呼び出し、応戦したパチンコ大名人と一進一退の攻防が繰り広げられるが、そこにパチンコ大名人とシャダムの発する強い妖力に反応したのか、宇宙より大神龍が飛来。この大神龍の介入によってパチンコ大名人も危うく踏み潰されかけるが、すんでのところで等身大に戻ってこれを回避すると、分離したシャダム達と共にその場から一時撤退した。
第38話「えーッ!!停戦!?」
大神龍の出現とそれに伴う世界的混乱に乗じ、ゴーマは一挙に地球を我がものとすべく行動を開始。パチンコ大名人もゴーマ十五世の命により、再び巨大化して市街地での破壊活動に従事。さらにこれを止めに入った大連王とも戦いを繰り広げた。
しかし両者の決着がつくよりも前に、再び大神龍が市街地へと出現。その威容に圧倒されたパチンコ大名人は腰を抜かした末、必死の命乞いも虚しく大神龍に踏み潰され、そのまま爆死するという敢え無い最期を遂げたのであった。
デザイン
デザインはマイケル原腸が担当。あまり真面目なヤツではないことから派手目な色彩とされ、また手足の衣服の部分にはニッカボッカに代表されるような現場風のイメージも持ってきている。また特徴の一つである頭部の看板は当初のラフにはなく、制作側からの指示により追加されたものである。
デザイン画稿では二~三頭身ほどの体型で描かれているものの、造形の段階でより動きやすいようにアレンジされたのか、腰の部分までかかっていたパチンコ台部分は、実際のスーツでは腹にかかる程度の大きさに留められ、若干ながら頭身を上げる形で処理されている。
放映当時『てれびくん』にて掲載されたマンガでは、根っからの悪人でなかったためかTVシリーズとは異なり死亡せずに済み、パチンコ台となって将児に大当たりを出して彼を喜ばせるという結末を迎えた。
海外版
スーパー戦隊シリーズの英語版ローカライズ作品『パワーレンジャー』シリーズでは、第2シーズンにてパチンコヘッド(Pachinko Head)という名称で登場。パワーレンジャーと戦う同作オリジナルの戦闘シーンも撮影されている。
同作ではロード・ゼッドが、ロッキー・デサントス/レッドレンジャーを魔法でパチンコ中毒(正確には責任感を無くして遊び好き)にした後、ダメ押しという形でパチンコ台から生み出したモンスターという位置づけとされているが、一方で原典と同様に敵をパチンコ玉に変えてしまう能力を持ち、ホワイトレンジャー以外のパワーレンジャーをパチンコ玉にして壊滅寸前にまで追い込んだ。
もっとも、その性分も侵略や戦闘より遊び好きという原典に準じたものであり、ホワイトレンジャーを翻弄しつつもまともに戦おうとしなかったため、業を煮やしたロード・ゼットにより「もっと遊びたかったのに」と愚痴をこぼしつつ巨大化させられてしまう。同作では大神龍が、ロード・ゼッドの所有する兵器セルペンテラとして位置づけられているため、原典とは異なりサンダーメガゾード(大連王)に倒されている。
同作の舞台となったアメリカでは、ハワイとグァムにパチンコ店があるものの、本土ではパチンコが一般的ではないため、作中では「アジアで人気のゲーム」として紹介されていた。