「何故参謀長嘉挧の言葉を信じない!? 貴様等それでもあの方の部下か!?」(第45話)
登場話数:第45話「本気(マジ)で解散!!」、第46話「英雄(ヒーロー)まるはだか」
演:柚原旬
概要
ゴーマ族の中でも、地球侵略に反対の立場である穏健派に属するゴーマ怪人の一人。
所々に饕餮文様が配された、青緑色の甲冑に身を固めており、背中には右肩の装甲と鎖で繋がれた大剣を背負っているのが特徴。戦闘の際にはこの大剣を振るう他、目からの破壊光線や、自らの身体を緑色の光に変えての突進なども繰り出す。
穏健派の旗頭たる参謀長嘉挧に心酔し、彼が次期ゴーマ皇帝の座に就き、シャダム中佐達強硬派に牛耳られたゴーマを正すことを強く望んでいる。
一方で、そのための準備である二本の塔を立てる際の、警官隊やダイレンジャーへの対応からも窺えるように(嘉挧の意向もあったとはいえ)、手向かいする者に対しては実力行使に及ぶといった容赦の無さを示す他、嘉挧への心酔が高じるあまり盲信的な節もあり、彼の行動にも一切疑いを持つことなく、また同じ嘉挧の門下たるダイレンジャーも同様に嘉挧の考えに従うべきと考えている。
このためダイレンジャーに対し、自身(と嘉挧)の行動の意図や事情を明かそうともせず、自分達を信用するよう求めるなど一方的な行動も目立ち、このことが嘉挧への疑念を募らせていたダイレンジャーからの反発、ひいては自らの身の破滅をも招くこととなる。
作中での動向
二度目の休戦協定の締結を経て、道士・嘉挧が参謀長嘉挧としてゴーマに復したのと時同じくして活動を開始。また嘉挧の帰還によって子竜だけでなく、それまで逼塞を余儀なくされていた他の穏健派も方々で動き出していたようで、シャダムもそうした動きを苦々しく感じていた模様である。
ゴーマへの帰還に際し、嘉挧は何らかの行動に向けた準備を子竜に命じていたようで、これを整えた子竜は嘉挧の指示の下、謎の物体――「妖力の塔」を打ち立てるべく怪人態の姿で街中に出現。
その途上で、行方をくらましていた嘉挧を探していた亮達と遭遇し、交戦状態に入るもこれを一蹴。目的通り付近のビルの屋上に妖力の塔を打ち立てると、そこに集めた妖力を増幅してダイレンジャーにさらなる攻撃を加えた。ダイレンジャーも気力ボンバーでこれに対抗するも、すんでのところで現れた嘉挧によって弾かれており、難を逃れた子竜は嘉挧と共に一旦撤退に及んだ。
ダイレンジャーからの再度の妨害を憂慮していた子竜であったが、嘉挧より手向かいした場合は徹底的に痛めつけて排除するように指示されたことで作戦を続行、先程とは別の物体――「気力の塔」を携え再度街中へと姿を現した。
亮たちもダイレンジャー解散を宣言し、手出し無用と厳命した嘉挧の真意を測りかねてしばしの間様子見としていたが、そうした亮達の思惑を他所に、子竜は行く手を阻んだ警官隊を実力行使で排除に及び、これが決め手となってダイレンジャーと再び干戈を交えることとなる。
嘉挧の意向を盾に、あくまでも手出しせぬよう求める子竜であったが、嘉挧への疑念を募らせる一方なダイレンジャーにそれが聞き届けられるはずもなく、死闘の末に稲妻炎上波で深手を負い、やむなく巨大化した際にビルを破壊したことが、両者間の行き違いに一層拍車をかける格好となった。
大連王との一騎打ちでは、携えていた気力の塔から凄まじい気力波を発してこれを圧倒するも、反撃のため繰り出された大王剣・疾風怒濤をモロに食らって敗北。それでも等身大に戻り、大連王を制止しようとした嘉挧の元に現れるもそこで力尽き、人間態に戻ってしまう。そして、
「参謀長・・・ゴーマを・・・あなたの手で、正しい姿に・・・」
と言い残し、そのまま消滅するに至った。この顛末を前に怒り心頭に発した嘉挧は、子竜の遺した気力の塔を自らの手で立てると同時に、亮達に有無を言わさずオーラチェンジャーと天宝来来の玉の譲渡を迫り、ここに両者間の対立は決定的なものとなったのである・・・。
備考
デザインはマイケル原腸が担当。特徴的な大剣の配置は、剣を収めた状態で動き回らせたかったという意図によるものであり、同時に「JACさんの方で鎖を使った変なアクションを考えてくれるんじゃないか」という期待も念頭にあったようである。
また、同じくマイケルが手掛けた鏡化粧師とは、同じ種族ないし一流派に属しているものとして想定されていたようで、両者とも身体に饕餮文様が配されている他、色も緑で共通している。着ぐるみは後に頭部に改修を加え、色も黒に改める形でゴーマ宮の近衛兵の一体として再利用されている。
演者の柚原は元ジャパンアクションクラブ(JAC)出身の俳優で、東映特撮へはこれが唯一の出演となるが、『仮面ライダーBLACK』の主演を選考する最終オーディションに残っていた事が、同作の事前特番にて確認できる。また東映特撮以外では、東宝制作の『電脳警察サイバーコップ』に、西園寺治(マーキュリー)役でレギュラー出演の経験を持つ(当時は佐々木竜馬名義)。