「何じゃ?その顔は。馬鹿にされた事が不服か? 馬鹿を馬鹿と申して何が悪い!?」(第20話)
登場話数:第17・20・47・48話
概要
ゴーマ族の幹部にして、組織としての行政機関である「元老院」の重鎮の一人。
烏帽子や束帯といった和装と、ミリタリールックを織り交ぜたような出で立ちが特徴な老人である。
地球侵略作戦の実行役でありながら、一向に成果を上げられずにいるシャダム達三幹部の不甲斐なさを快く思っておらず、時には記事冒頭に示した台詞のように彼等を侮蔑・罵倒するかのような言動に及んだこともある。また、シャダムが手放した阿古丸を養子として引き取り、その後見人を務めてもおり、こうした背景も含めてシャダム達とは組織内において対立する立場にある。
作中での動向
キバレンジャーという新たな脅威の誕生が迫る中、その誕生を阻止するという名目で前線に介入してきた阿古丸と共に現れたのが作中での初出であり、シャダム達に対し元老院の決定であることを理由として、阿古丸の指揮下に入るよう促した。
しかし当初の目的に反し、キバレンジャーをゴーマに引きずり込むことに拘泥する阿古丸の方針にシャダム達がすんなり従うはずもなく、あくまでも作戦指揮は自分達がゴーマ十五世から直接任されたとして反抗的な姿勢を見せたため、田豊とシャダム達との間であわや刃傷沙汰になりかけるという事態にまで発展。
結果として、ゴーマ十五世が直々に裁定を下すこととなり、既に事の推移を見届けていた(※)十五世は田豊(と、阿古丸)に指揮を任せるという「神勅」を与えて決着がついた・・・かに思われたところ、シャダムはとっておきの切り札として、ゴーマ族の遺跡より発掘したという予言の玉を示し、まもなく起こるとされる「6体目の気伝獣の誕生阻止」を大義名分として、指揮権の保持を訴えた。
これが決め手となって一転、作戦の指揮権は再度シャダム達に移る結果となり、政争に敗れる格好となった田豊もしばし前線から退くことを余儀なくされた。
田豊が再び物語上に現れたのは、それからさらに時が下って最終盤での事となる。
この時の田豊は元老院の一員として、シャダムと参謀長嘉挧との間で執り行われる皇位継承を賭けての決闘の開始を宣言、試合の開始に先駆けてゴーマ十五世の前に参上するが、そこでシャダムが十五世に対し何らかの細工を施していた姿と、十五世の身体に表れたある異変とを見咎めてしまったため、シャダムによって口封じのためにで斬殺されたのみならず、反逆者の汚名までも着せられてしまった。
この時、シャダムに斬られて室外に倒れ出た田豊の姿を嘉挧が目撃しており、今わの際に十五世について何かを言い残そうとしたことが、嘉挧にも十五世に対しての疑念を抱かせる格好となる。
(※後のエピソードにおいて、ゴーマ十五世が額の「第三の目」を分離させて前線の様子を密かに監視していたことが語られており、田豊とシャダムが十五世に謁見する直前のシーンでも、この第三の目が戻ってくるカットが挿入されている)
備考
衣装のデザインは篠原保が担当。衣装の部分は有り合わせの物で対応するという前提から、ここでは胸周りのプロテクターなどの造形物を新規でデザインしており、こういったオーダーが面白い時は面白いし、しんどい時はしんどいと後に述懐している。
ダイレンジャーとの交戦機会は結局一度も無く、また最期もシャダムに不意打ち同然に斬殺されたので、能力・戦闘力に関しては不明。他のゴーマ族のように怪人体があったかどうかも定かではない。
名前の由来となったのは、後漢末期の政治家・軍師で『三国志』にも登場する田豊。権謀術策に優れながらも、その剛毅で歯に衣着せぬ物言い故に主君である袁紹からはその献策を度々退けられた末、官渡の戦いでの大敗を受けて猜疑心に駆られた袁紹の命で誅殺されるという末路をたどっており、微妙にではあるが田豊将軍の作中でのそれとも符合するものがあるとも言える。
関連タグ
ノコギリ大僧正(大僧正リジュ):田豊と同様に「元老院」の重鎮であるが、登場時期の違いもあってか作中で描かれている範囲では面識はない