シャダム「大僧正リジュ!」
「だいぶ手こずっていようじゃな。ダイレンジャーに。ハッハッハッハ」
ガラ「何ですって?」
「相変わらず美しいの、ガラ。聞け、3人共! ワシがここに来たのは、お前達を助けて、ダイレンジャーを倒すためだ!」
シャダム「手出し無用! 作戦を任せられたのは、我々3人だ。たとえゴーマの側近く仕える大僧正リジュと言えど、そんな身勝手は許されぬはず」
「そんな事を言ってもいいのか? ゴーマは怒ってるぞよ! ダイレンジャーを潰すには、まず道士嘉挧を倒すことじゃ」(第7話)
概要
ゴーマ十五世の側近で、ゴーマ族という組織の中でも為政を司る「元老院」の重鎮の1人。
真紅の法衣にもじゃ髭が目を引く老人で、如何にも和風然とした出で立ちとは裏腹にイントネーションや大仰な振る舞いはどこか西洋風なものを感じさせ、和洋混在のちぐはぐな様は見る者に違和感と謎の威圧感を与える。この姿でも妖力を駆使して戦うことが可能・・・というより下手をすればリジュの姿での活躍の方が印象深い、という向きもいるかも知れない。
泰然自若な性格で、元老院を疎んじて何かと突っかかってくるシャダム達三幹部に対しても良く言えば余裕綽々、悪く言えばひよっ子も同然と言わんばかりに見くびるような態度を見せている。
また、愛弟子として育て上げた鉄面臂張遼とは、「固い絆で結ばれてる」と自負するほどに全幅の信頼を置いており、ザイドスが彼に危害を加えようとした際にはこれを手ひどく痛めつけたり、張遼が亮に止めを刺せず、シャダム達から所詮は信用ならない奴と吐き捨てられた際も、張遼に制裁を与える一方で前述の通り「弟子の罪は師匠の罪」として自らダイレンジャー抹殺に乗り出してもいる。
登場した話数こそわずかに2話のみであるが、れっきとした幹部怪人として数えられており、実際に作中でもその立ち位置に見合った活躍や、強烈なインパクトを残した怪人の1体でもある。
備考
演者の大月は、ハスラー教授役として出演した『大鉄人17』(1977年)等に代表されるように独特の一挙手一投足に定評のある俳優の一人であり、『高速戦隊ターボレンジャー』(1989-1990年、流れ暴魔カシム役)以来のスーパー戦隊シリーズへの出演となる本作においても、そうした怪演ぶりを遺憾なく発揮。その出自に由来した西欧風の容貌と相まって、ゴーマという組織の根底に流れる無国籍なテイストをより強く体現してみせた。
リジュの名は、『三国志』に登場する董卓の軍師・李儒に由来する。李儒もまた主君と共に数々の悪行を行ったことで知られており、その点においてはピッタリのネーミングである。
人間態のデザイン、それに闇堕ちした主人公の実父の師匠という設定は、登場エピソードのストーリー展開と併せて、『STARWARS』シリーズのダース・シディアスを意識したものではないか、と指摘する声も根強く残されている。