概要
生没年不詳。字は一説には「文優」。
『三国志演義』では董卓の腹心であり、その娘婿という立場で、少帝・何皇后の殺害や呂布の引き抜き、長安遷都など数々の董卓の悪行として知られるこれらの所業をすべて董卓に進言したことで知られる。
実戦においても長安遷都の際、追撃してきた曹操を策をもって散々に打ち破るなど実績は高く董卓の腰巾着というだけの存在では無いことはしめされている。
反面、王允、貂蝉による連環の計にも気づいてはいたが、遂には(彼にとって)最悪の結果となりそれを止められなかった。最後は裏切った呂布の手で董卓が殺された際に、家人に引っ立てられ、同罪として殺害されている。董卓あっての彼であったので、この末路は当然と言えよう。
なお、実は正史には登場しない。ただ、後漢書において、何皇后を殺したことについて記述があるので実在はしたと思われる。
後漢書の記述では、董卓が頭角を現す前から、朝廷に仕えていた文官だった。
董卓が権力を持ってからは、その命令によって、何皇后や少帝を毒殺したとされる。
董卓が倒れた後は、李傕らにより侍中に推挙された。
その際献帝は兄・少帝を毒殺された恨みから李儒を弑逆の罪で処刑しようとしたが、李傕は「彼は董卓の命令に従っただけで、自分の意思で先帝を害したのではないので罰してはいけません」と庇ったという。
こうして助かった李儒だが、助命嘆願後の記述はなく、以後、どうなったのか不明である。
各種創作作品において
なぜか、というか当然ながらというべきか扱いは悪い。悪行でも出番が多い横山光輝三国志などはまだマシな方で、ほとんど登場しない作品もあるほど。
横山光輝三国志においては演義どおりに董卓に様々な悪知恵を進言するが、悪化する董卓と呂布の関係を改善しようと四苦八苦する苦労人としての姿も描かれている。呂布の謀反の際には「呂布お前・・・」と呆然としているところを容赦なく一突きされた。
親玉董卓が(悪のボスキャラ的に)優遇された「蒼天航路」では、一応登場はしたが、洛陽入場以前の話で以降は登場しておらず(僅かに作戦会議の場面でそれらしい人物がいるというくらいである。)、少帝・何皇后殺害、呂布引き抜き、遷都のほとんどは董卓が出番をかっさらっている。
コーエー三國志シリーズではもちろん董卓配下の本拠地軍師として収まっており、能力は高く設定されている方である、が賈詡に比べると脳力的に劣るので、大体筆頭軍師の座は下ろされる。顔グラがⅢなどさえない悪役出っ歯キャラとなっており、見た目からして使おうという気になれないキャラである。
一騎当千や恋姫†無双シリーズには登場しておらず、董卓の腹心に収まってるのは賈詡である。三極姫では登場してはいるが、残念ながら男である。乙女ゲー十三支演義では李粛が同様のポジションにいる。
SDガンダム三国伝では董卓ザク配下の悪徳軍師李儒シャッコーとして登場したが、最後は呂布トールギスが郿塢(びう)城を吹き飛ばしたため巻き添えを食って董卓共々消滅した。
本宮ひろ志の天地を喰らうでも登場はしているものの、殆どチョイ役程度で影が薄い存在だった、しかしカプコンがアーケードで発表したゲーム版の第一作目では敵味方含めて脳勤染みた武将キャラが大半を占める中で、唯一の軍師系敵キャラとして登場しており、プレイヤー側である劉備軍を森の中に誘い込んで火計の罠に陥れた上で、謎の光球飛ばしたり炎の龍を召喚して襲い掛かってくるので、作中で一際存在感が立つキャラとなっている。これでは軍師というより、まるで妖術師である。だがこのような大胆な発想のキャラ設定は後にIGSの三国戦紀等に影響を与えていると思われる。