「三国志」をモチーフにしたゲームだが、一般に用いられている「国」ではなく旧字体の「國」を用いている。これはコーエーのアクションゲーム三國無双および真・三國無双も同様。
通常、コンピューターゲームで「三国志」とある場合は、このシリーズか三國無双のコーエーの両作品を指すことが多く、他の会社から出た作品はサブタイトルで表記されるか「○○版三国志(例・ナムコ版三国志)」と表記されることが多い。
「ああ、イナゴだ…」「諸葛亮いわく」などの名台詞がある。
また、近年の作品の傾向として、"古武将"と題して時代を超越した中国史に英雄たちが隠し武将として登場することがお決まりとなっている。
ただ、どうみても三国志時代より後の時代の武将も登場する。その点にツッコミを入れるプレイヤーもいたりするが、あくまで現代から見た古武将ということであろうか。
コラボも増えており、同じく三国志をテーマとしているSEGAの三国志大戦シリーズのグラフィック差し替えや特典武将として銀河英雄伝説やライザのアトリエの登場人物が登場したりしている。
作品
三國志
1985年発売
信長の野望と違い、初代から配下武将が登場し、時代別で分かれた複数のシナリオでプレーすることが可能で、基本形は初代で作られたと言って良い。
UIが今日と比べて快適でないのは仕方がないとして、本シリーズにしか実装されていないコマンドやパラメータも多く(機種によっては一部削られている物も)、初代でありながら近年のシリーズに引けを取らない要素盛り沢山にて、今日でも楽しんでいる三國志ファンも少なくない。
三國志Ⅱ
1989年発売
新規君主を作成出来るようになった(98版などは配下武将もつけられる)。合戦の最初に武将同士の一騎打ちが出来るようになった。
2015年12月10日にRPGツクールでおなじみKADOWAKA社とのタイアップ作品として、本作のリメイク作及びエディットに特化した『三国志ツクール』がSteamにおいて配信開始された。
三国志ツクールは本作をベースにしつつも、勢力・戦場・武将編集が可能で特に武将編集の顔グラに至ってはデフォルトで三國志シリーズの全作(ただし2に登場していない武将は収録なし)に加えて信長の野望の顔グラ(グラフィックは創造PKの物を流用)まで収録されており、果てにはプレイヤーが用意した画像を最大9999枚まで収録する事が出来る。
またシナリオだけを遊ぶ無料体験版までも配信されている。
三國志Ⅲ
1992年発売
新君主と新武将は予め登録していた中から選ぶ方式となった(Ⅱはプレー開始時に制作)。物理的には架空武将だけで全土統一も可能(最初につけれる配下架空武将は3人までで、これを行うのは難しいが)。武将の能力値はランダムで、知力100のいわゆるスーパー軍師(知力=間違えない可能性であり、100以上は基本的に間違えない。通常武将だと孔明のみ100)が乱造可能。アイテムで強化すれば90台の武将でも100を越すことは可能。
劉備や孔明死後のシナリオがデフォルトで追加されたが、最大の敵は老衰による死亡で、国数>武将数になり事実上ゲームオーバ-(統一できない)。
何かと金が不足しがちになるが、同盟を結んで援助でたかって相手を弱体化させる「たかり外交」が戦略の基本。
ちなみにMCD、PCE版では黄巾の乱のシナリオが追加されたが、張角一派はいないというチグハグなシナリオであった。(後年に発売されたDS版にてめでたく黄巾軍が追加された。)
また発売同年に本作を巡ってある事件が起こっている。詳しくはこちら。
三國志Ⅳ
1994年発売
基本的にⅢと同じだが、内政コマンドや情報コマンドが簡略化されるなど前作よりやや難易度は減少した。一方で武将一人一人に特殊技能が付加され能力以外の面で武将の個性の差別化を図るなどの工夫も施されている。
前作「三國志Ⅲ」の発売年の1993年に起きた前述する三國志Ⅲ事件が起きた事を背景に、3年後の1997年9月11日にてコンシューマ版のみだが、パワーアップキット版(通称・PK版)が発売。これ以降PK版も発売される様になった。リメイク作はGBAとDS2。
三國志Ⅴ
1995年発売
今までの難解なシステムを廃止し名声によるコマンド実行回数制と、戦争における陣形の導入など、新たな試みがある。またリメイク作の三國志DS3や3DS版三國志は新たな特殊能力・陣形(陣形は3DS版)や元々のⅤでは登場しなかった武将を追加、更に英雄バトルロード、名君チャンピオン道場(ただし名君チャンピオン道場は3DS版)が追加されている。
三國志Ⅵ
1998年発売
武将の年齢に比例する能力値、主義や派閥を追加。本作のみ君主では無く群雄と呼ばれる。
また今までは演義のみで出ていた武将しか登場しなかったが、本作以降は正史のみで登場していた武将(例・賀斉、陳到など)も追加されている。
三國志Ⅶ
2000年発売
今までは君主プレイ固定であったが、本作からは臣下、または在野武将とさまざまな立場で行動出来る様になった。
三國志Ⅷ
2001年発売
前作Ⅶの更に発展型というべき内容。本作のみシナリオがifを含め50種類以上もある。
古武将
贏政 英布 王翦 楽毅 霍去病 岳飛 韓信 孔丘 項籍 高長恭 孫濱 張儀 張良 陳慶之 白起
范増 楊大眼 李斯 李勣 劉邦 藺相如
三國志Ⅸ
2003年発売
再び君主制。3D一枚マップによる半リアルタイム制、城以外の拠点の登場。
進行フェイズ中に兵法が発動すると専用アニメーションで大きな戦果が出る為見栄えが良く、ニコニコ動画ではこれを必殺技に見立てて見せ場とするプレイ動画シリーズが多数投稿されて人気を博した。
古武将
贏政 英布 王翦 楽毅 霍去病 岳飛 管夷吾 韓信 項籍 孔丘 高長恭 簫何 秦良玉 孫濱 張儀 張良 成吉思汗 陳慶之 白起 范増 楊大眼 李斯 李勣 劉邦 藺相如
三國志X
2004年発売
Ⅷ同様に君主・一般武将・在野から身分を選んでプレイ可能。また、文官の一騎討ちとも言うべき舌戦が追加。更に戦役の追加など。本作のみ唯一PK版がPC版のみでしかプレイ出来ない。
古武将
三國志11
2006年発売
再び君主プレイ。3D一枚マップ、施設をマップ上に配置する箱庭内政など追加。ちなみに本作では音声が中国語となっている。(後に発売されたPK版で日本語と変更出来る様になった。)
一部の武将は顔グラフィックが2種類用意されている。
また武将数は670人。史実の女性武将が数多く追加された。
ちなみに発売当初はゲームバランスを崩すほどのバグや低レベルなAIが指摘されていた。
(ただし、KOEI The Best 三國志11 with パワーアップキットやPS2版は派手な不具合は見られず、普通にプレイが可能なレベルとなっている。)
また全能力が100の糞藝爪覧(フンゲイソウラン。別から読むとクソゲーつまらん。列伝はあーつまらんの一言のみ。顔グラは雅丹(ガタン)をベースに顔のみ隈部親永(しかも蒼天録の顔グラ)の部分が使われている。ちなみにその顔とステータスがこちら)という名前の武将が存在していた。
(その他、武富士(あこむ)などさまざまな武将な存在していた。後にKOEIのディスク交換などで登場しなくなった。)
古武将
三國志12
2012年発売
君主制。低機能のパソコンでも動作できるようにするため、前作と異なり、ノートパソコンやネットブックでの動作を念頭に置いた動作環境になった。だが、反面前作11の後半年代の武将とシナリオが削減されてしまった。(後にPK版にて第一次北伐追加。)
更にシステムも大幅に簡略されている。
オンライン対戦機能も本作の大きな特徴の一つ。無料で入手できる対戦版でもオンライン対戦を行うことが出来る。
仮想シナリオには『信長転生』という信長の野望シリーズの大名家が乱入するお祭りシナリオがある。
古武将
三國志13
2016年発売
シリーズ30周年記念作品。
Ⅷ・Ⅹ以来の身分選択プレイ式。
武将同士の絆を高めて戦いを有利に進める事が可能。
パワーアップキット版では三國志シリーズ初のイベント編集機能も実装され、自由にテキストを設定してゲーム中に様々なイベントを発生させることができる。
三國志14
2020年1月16日発売。後にPK版が同年12月26日に発売された。
君主プレイ。各君主の領土が都市の外も細かく設定され、土地を切り取り合う戦いが再現された。
武将の数はシリーズ初の大台の1000人で11の様な個性を持っている。個性には有用な物が多いが1部武将には兵站を切られると能力が下がる『酒乱』等のデメリットの赤個性がある。また兵站の概念が新しく追加され、どんな武将も兵站を切られると弱体化する様になった。
またコラボとしてライザのアトリエ、銀河英雄伝説、パリピ孔明等のキャラクターとコラボしていた。
パワーアップキット版では周辺の異民族だけでなく、はるか先にあるローマ帝国やインドとも交易ができるようになり、強力な名品や戦法を獲得することができる。