「何だ男のくせに!?6000年前には、自分の美しさとカワイさにうぬぼれるのは、女だけしかいなかったものを!全く今時の若い男は…オ゛オ゛ェ゛ェ~…」
「ゴーマ流化粧拳!いざ勝負!」
CV:新井一典
登場話数:第9話「うぬぼれるなッ」、第10話「あァ復讐の女神」
概要
ゴーマ怪人の一体で、「ゴーマ流化粧拳」なる拳法の使い手。
上半身が丸々、古代中国で使われていた銅鏡のような形をしており、長鏡へと姿を変えて街中に潜んでは、これを覗き込んできた人間――それも「自らの美しさに自惚れる人間」を、鏡面から舌を伸ばして自らの体内へと取り込み、取り込んだ人間から「自惚れのエネルギー」を集めるという特性を持つ。
この自惚れのエネルギーを破壊エネルギーに転換することも可能で、げっぷと共に放つ「化粧拳・うぬぼれ返し」は放ち方こそふざけたものながら、鏡を介して人間に被害を与え、果ては高層ビルまでも爆破するほどの威力を発揮する。これ以外にも、胸の鏡から放つ「鏡妖力波」や「鏡閃光」、それに自らの分身を生み出して敵を翻弄する「必殺万華鏡」といった、化粧拳の技を駆使して戦うこともできる。
記事冒頭に示した台詞にもあるように、取り込む人間に対しても一種の拘りを見せる一面を持つが、その実力は紛れもなく本物のようで、6000年前のダイ族との戦いにおいてはダイ族の勇者とも謳われたクジャクを倒したことが作中でも言及されている。
作中での動向
ある夜、長鏡の姿で街中へと飛来した鏡化粧師は、これを覗き込んできた多数の女性を次々と取り込み、自惚れのエネルギーを集めていたが、その噂がダイレンジャーの耳にも届くと、調査を始めた大五に女性を取り込もうとしていた現場を目撃されてしまう。
駆けつけた大五をも取り込もうとし、これが失敗に終わるやゴーマ怪人としての正体を現し、転身したシシレンジャーと勝負に及ぶ。「鏡妖力破」や「鏡閃光」を駆使してシシレンジャーを圧倒しながらも、他の4人の助勢が入りその場は撤退に及んだ鏡化粧師であるが・・・この時自らの身体から、美しい虹色の気が放たれていたことを知る由もなかった。
この虹色の気が鏡化粧師のものではないと看破し、その持ち主が誰なのか疑念を抱く大五を他所に、自惚れのエネルギーを集めた鏡化粧師は作戦の第2段階として、「うぬぼれ返し」を駆使して市街地での無差別破壊を開始。人々に多大な被害を与えることに成功する。
しかしその最中、虹色の気と同調した大五の望みに応え、さらなる破壊行為を行わんとしていた鏡化粧師の元に大五が出現。再度一対一の勝負に突入した両者は互角の戦いを繰り広げ、天幻星・霧隠れを使ってその姿を消したシシレンジャーを鏡妖力波でなおも追撃するが、放った攻撃がことごとく跳ね返されるという事態が発生。ここで後から駆けつけた他の4人も姿を現し、攻撃を跳ね返したのが彼らの鏡を使った連携プレーであることが明かされる。
とはいえ鏡化粧師も負けてはおらず、「必殺万華鏡」を繰り出してダイレンジャーを再び窮地に追い込むが、そこに、
「シシレンジャーよ、撃て! 私の気をめがけて、撃つのだ!」
という、謎の女性の声がシシレンジャーの耳に届き、分身の一体が虹色の気を放っているのを見破られた末、渾身の「天幻星・ロッドアロー」をモロに食らって身体の鏡を割られる程の大ダメージを負ってしまう。
形勢不利に陥った鏡化粧師は、巨大化爆弾を起爆させ巨大化に及ぶと、向かってくる大連王にも鏡妖力波を見舞うがまるで歯が立たず、そのまま大王剣・疾風怒濤を受け爆散。同時にその体内に飲み込まれていた女性達も無事に解放された。そしてそれは同時に、6000年もの長きに亘って囚われの身となっていた、クジャクの復活をも意味するものでもあった。
復活の後、クジャクは自らが囚われの身となった経緯を大五に語っているが、その回想の中にも姿を現している。
この回想では、傷ついたガラを助けようと湖の水を汲もうとした際、彼女からの賛辞に自惚れを覚えたクジャクが、水面に映った自らの顔を眺めた一瞬の隙を突き、水中に潜んでいた鏡化粧師がクジャクを取り込んだ様が描かれている。
備考
デザインはマイケル原腸が担当。番組開始前に、単純に鏡モチーフの怪人という位置づけで描き起こされたもので、「化粧師」という肩書はデザインが出来てから決まったものであろうことを後年のインタビューにて言及している。
また、同じくマイケルの手掛けた子竜中尉とは、その身体に配された饕餮文のような意匠や、緑色を基調としたカラーリングといった共通項が見られるが、これは両者とも「同じ種族というか一流派というか、”饕餮グループ”みたいなものに属している」という意図のもとにデザインされたことによるものである。