ニンジャマン
にんじゃまん
第36話から登場する三神将の弟子にして、カクレンジャーの協力者の一人。スーパー戦隊シリーズとしては初となる、「人間態を持たない追加戦士(番外戦士)」でもある(※)。
紺色を基調とした装甲、それに目鼻口を持たないヘルメットのような顔等、その見てくれはロボットのような人間離れしたものであるが、これは師匠達と同様の理由(詳細は三神将の記事を参照)による。そのため食事を摂ったり寝たり、さらには寒さのあまりくしゃみをしたりと、普段の行動もまた普通の人間と大差はない。
物語開始から遡ること1,000年前、老婆に化けた妖怪大魔王の「ニンジャマン~! 妖怪達が~人間に化けて攻めてくるぅ~!」という嘘に騙され、大勢の人間を傷付けてしまったことがあり、その罰として三神将によって封印の壺に閉じ込められ、長い間宇宙をさまよっていた。封印を解くには、壺にセットされている金槌で壺を割らなければならないが、それを外せるのは初代鶴姫の末裔のみとされ、封印中も壺の口こそ開いているものの、強力な術がかかっているらしくニンジャマン自身は外に出ることは出来ないらしい。
そして時は流れて現代、隕石に乗って封印の壺が地球に再来することを知った妖怪大魔王は、今度こそニンジャマンを自らの味方に引き入れようと画策するが、時同じくしてカクレンジャーもある人物の差し金でニンジャマン再来の情報を得ており、彼等と妖怪軍団との間で争奪戦が繰り広げられた末、封印の壺を手にした鶴姫によってニンジャマンは封印の壺より解き放たれ、以降はカクレンジャーの心強い?味方として彼等を手助けすることとなる。
(※ このため、前二作に登場した「6人目の戦士」とは厳密には異なる立ち位置であり、後年の「30戦隊大全集スペシャルファイル」(『轟轟戦隊ボウケンジャー』のミニコーナー)でも「番外戦士」の括りで紹介されているが、後述の通り等身大戦も巨大戦もこなせる特性の持ち主であることから、資料によってはニンジャマンを「6人目の戦士」と扱う場合もある)
なお、CVを担当した矢尾氏はニンジャマンを演じて以降も度々、スーパー戦隊に出演しているものの、大抵は悪の怪人を演じており、正義の味方を演じたのはこのニンジャマンのみである。
一度も悪に寝返ったことはない、という強い正義感を持つ熱血漢であるが、前述した封印の経緯からも分かるように、その正義感が過ぎるあまり時に行き過ぎた行動に走ったり、何かと他人に騙され利用されてはカクレンジャーに叱られることもあるなど、良くも悪くも純粋な心根の持ち主でもある。
とは言え、その純粋さ故に子供達と親しくなることも多く、当人も子供たちとの触れ合いを好み、嫌われてしまった際にはひどく落ち込む等、気の優しい側面も持ち合わせている。子供のみならず、敵である妖怪以外には誰に対しても気さくでノリの良い態度を示すことが多いが、よりにもよって自分の師匠であるはずのツバサマルに対し、作中で一度「あっ・・・ツバサマル」と呼び捨てにするという失言をしてしまったこともある。
・・・と、このように悪いヤツではないにせよ何かと粗相が多いからなのか、相対した妖怪たちからは大抵の場合「青二才」(※2)と侮られるのが、作中では半ばお約束のようになっているのだが・・・これはニンジャマン自身も大いに気にしているようであり、最大級の禁句とされている。
ただし、ジライヤを助けようとしてウシオニを取り逃す羽目になった際には「お邪魔虫」だの「まぬけ」だのと散々に罵倒されていたが、「たまにはこういう事もある」と流しており、罵倒されれば漏れなくキレるというわけではないようだ。
(※2 「半人前」や「未熟者」に相当する語句)
三神将の弟子なだけあって、火炎放射のように手の平から炎を飛ばす「火遁の術」、冷たくない雪だるまに変身する「忍法雪だるま変化」、そして觔斗雲に乗っての飛行術など、色々な忍術を駆使することができる。
また、第37話での「俺の身体は伸縮自在だぜ」という台詞の通り、ミクロから60m近くまでその大きさを変えることが可能で、普段はサスケ達と同じ位の身長で過ごしているが、巨大戦に際しては二人の師匠と同じ位にまで巨大化、これをサポートする。
忍術だけでなく、直接戦闘でもずば抜けた強さを発揮し、持ち前の怪力(不意打ちで鎖で拘束されても、強引に引きちぎって抜け出す荒業も可能)や背中に背負った「ニンジャソード」を武器に妖怪達と渡り合う。
しかし、上記した能力の数々もあくまでも実力の一部に過ぎず、その「真の姿」は前述した「青二才」の禁句が引き金となって表に現れることとなるのである・・・。
TVシリーズ最終回にて妖怪大魔王が封印された後、ニンジャマンも三神将と共に地上から去っており、後日談に当たるOV『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』にも登場することはなく、このまま客演の機会はないかに思われていた・・・のだが、後年思わぬ形でシリーズへの再登場を果たすこととなる。
それが、2011年放送のシリーズ35作品目『海賊戦隊ゴーカイジャー』である。
同作では当初、物語の発端となったレジェンド大戦には姿を見せておらず(※3)、キーアイテムであるレンジャーキーにすらなっていないという、いるのかいないのかも判然としない扱いであった。
そんなニンジャマンの存在がにわかにクローズアップされたのは、物語も第4クールに差し掛かってのこととなる。第40話にて、タイムイエローことドモン(『未来戦隊タイムレンジャー』)が、ゴーカイジャーに大いなる力を得るためのヒントを与えるとの名目でとある神社を守らせているのだが・・・実はこの神社の中にあったものこそ、かつてニンジャマンが閉じ込められていたのと同じ「封印の壺」だったのである。
それからしばらく後、第45話で再びその神社を訪れたゴーカイジャーの手により、安置されていた封印の壺が割られ、中から姿を現したのは・・・やはりあのニンジャマンであった。
実は彼こそが、これまでゴーカイジャーが全く手がかりを掴めずにいた「カクレンジャーの大いなる力」であり、前述のドモンからの指令も、本来の歴史では戦火に巻き込まれて失われるはずだったニンジャマンを守るためのものだったのである。
復活に際し、ニンジャマンは紙芝居というどこかで見たような形で、再度封印された経緯を明かしてもいる。曰く、同作の物語開始より遡ること10年前、動物園から動物達が逃げ出すという騒動(※4)が発生。その際、子供に襲いかかろうとした猛獣を払い除けたまではよかったのだが、やりすぎて怪我をさせ被害を拡大してしまったという、往時を思わせるかのようなおっちょこちょいぶりを発揮したが故のことであった。本来なら既に封印が解かれてもいい頃合いだったのだが、三神将がレジェンド大戦で戦闘不能にまで追い込まれたため、封印が解かれず神社の中に閉じ込められていたままであったという。
10年前の失敗がよほど堪えたのか、ゴーカイジャーから持ちかけられた大いなる力の譲渡についても当初は首を縦に振らず、彼等が信用に足るだけの相手であるかどうか見極めるべく、ゴーカイガレオンに居座ることとなる。
それから1週間、ザンギャックの作戦による思わぬアクシデントに見舞われながらも、この一件を通して「人を信じること」の大切さを再認識したニンジャマンは、そのきっかけを作ったゴーカイジャーをようやく認め、彼らとの共闘の末にカクレンジャーの大いなる力を託した・・・のだが、前述の通り自身がその大いなる力そのものであった事を、この時点まで全く知らずにいたという締まらないオチも付いている。
このように前述の通り以前と変わらぬ「青二才」ぶりも垣間見せてはいたものの、この時相対した行動隊長のジュジュからはその「青二才」の禁句が飛び出さなかったため、サムライマンに変化することなく(※3)決着を着けている。
戦いを終えた後、筋斗雲に乗って再び師匠の三神将の元へと去っていった。
(※3 メタ的な話をすると、『カクレンジャー』放送終了から20年近くが経過していたこの当時、既にニンジャマンもサムライマンもスーツが残っておらず、レジェンド大戦への不参戦もこれが最たる理由である。最終的にニンジャマンのみスーツが新造され、TVシリーズ終盤になってようやく客演を果たすに至った)
(※4 同作の10年前、というと丁度ガオレンジャーが戦っていた時期に相当するのだが、これを意識してか作中での紙芝居に描かれていた、ニンジャマンが10年前に戦ったという猛獣のメンツもその戦隊と共に戦った動物ばかりである。また同作の物語は、オルグの起こした騒動の余波で暴れだした猛獣を、ガオレンジャーに加入する前の獅子走が鎮めるくだりから始まってもいる)
2024年にTTFCで配信された第3部『中年奮闘編』で久しぶりに登場。こちらでは「助っ人」として参戦し、新たな妖怪大魔王復活の阻止に貢献した。
海外版ではニンジャーとして登場。
絶望の砂漠にあるパワー神殿の主で、剣が武器。
パワーコインの生みの親である。
短気で衝動的かつ、好戦的な性格、
リトとの戦いでゾードを失ったレンジャーたちにニンジャパワーコインとニンジャゾードを与えた。
その後も幾度となく地球を訪れ、レンジャーたちと共に戦った。
巨大化しての戦闘時にはニンジャー・バトルモード(サムライマン)に変身する。オペラ歌手のような高い声で話す。
放送当時、劇中の変身ギミックを再現した『瞬間変化DXニンジャマン』が発売。
これは『パワーレンジャー』シリーズの関連商品として展開されていた、マスクオフ形態を再現できるアクションフィギュアの技術を活かし、背中のレバーを引くと顔が回転し、腕と脚のボタンを押すとアーマーが展開しサムライマンに変身するという物で、CMでニンジャマン自身が「パパッと変わるぜ!」と謳い文句にしてた様に文字通り瞬間変化を楽しめた。
こうした瞬間変形ギミックを搭載したDX玩具は、翌年以降も形を変えながら度々登場している。
またこれ以外にも、前述の『ゴーカイジャー』の関連商品の一つとして、2014年2月に発送された『レンジャーキーセット コンプリートエディション』に、メタルヒーロー、アバレピンクと共にニンジャマンのレンジャーキーが同梱されている。
海外では、後年『パワーレンジャー・ニンジャストーム』が放送された際、玩具限定キャラとしてDXニンジャマンの頭部をリデコし、ボディーカラーを赤に変更した『Ninjakon』というキャラとして発売。
2021年には、サバンのライセンス契約終了に伴ってパワーレンジャーシリーズの版権を買い取っていた玩具メーカーハズブロから、DXニンジャマンのギミックを継承しつつも完全新規で『Ninjor(パワーレンジャーに於けるニンジャマンの名称)』が発売された。
可動範囲はDXとほぼ同じだがサイズダウンされ、ボタンによるアーマー展開ギミックとサムライジャベリンへの合体機能はオミットされたが、プロポーションはより劇中に近いものへと改められている。
こちらもリデコ商品としてNinjakonが発売されている。
2022年には、食玩アクションフィギュアシリーズの「SHODO SUPER」、そして12月には食玩プラキットシリーズの「SMP (SHOKUGAN MODELING PROJECT)」にて、それぞれニンジャマンの商品化が発表された。この2シリーズにおいて、同一のキャラクターが商品化されたのはニンジャマンが初のケースであり、前者は先行して予約が開始されたカクレンジャーとサイズを合わせたアクションフィギュア、後者はやはり過去に商品化されている三神将と同スケール、かつサムライマンへの変形ギミックを備えたプラキットとなっている。
SMPの前身たる「スーパーミニプラ」で三神将が展開されたのは2018年秋にまで遡るので、SMPニンジャマンの発売により実に4年余り越しで、『カクレンジャー』に登場する全巨大戦力が商品化されたことになる。
SMPとしての発売より以前、バンダイ側の担当者として本作にも携わっていたデザイナーの野中剛は、「スーパー戦隊オフィシャルMOOK」のカクレンジャーの号のコラムにて「これぐらいの連動ギミックがあってもよかったかもしれない」として、背中にツバサマルを合体させたニンジャマンのイラストを描き下ろしているが、このオリジナル形態もSMPで再現可能となっている。
妖怪大魔王:自分の師である三神将と敵対する妖怪軍団の首領にして、嘘で騙して自分に人間たちを傷つけさせた不倶戴天の存在。またニンジャマンの初登場回では「お前は私の部下になり、カクレンジャーを倒すその日が必ず来る。」と彼のようにニンジャマンの洗脳及び悪堕ちを予感させる予言めいたことをニンジャマンに言い放ったが、結局実現しなかった。
他作品の関連・類似ヒーロー
クワガライジャー:『忍風戦隊ハリケンジャー』に登場するヒーローの一人。同じく紺色を主体としているが、ニンジャマンをネイビーにカウントするかは解釈が分かれる所。
シュリケンジャー:『忍風戦隊ハリケンジャー』に登場するヒーローの一人。ニンジャマンと同様に物語の途中から登場し、怒りによって強化変身する他、「作中では素顔を見せてない(持たない)」という点でも共通している
クイーンサイダロン:TVアニメ『NG騎士ラムネ&40』に登場する守護騎士の一体。「怒り(で血圧が上がること)により変形する」「パイロットの中の人が同じ」といった共通項を有する
ゴセイナイト:『天装戦隊ゴセイジャー』に登場するヒーローの一人。ニンジャマンと同じく「人間態を持たない」「(人型になる際に戦隊メンバーとは別枠の仲間に頼る必要があるものの)単独で巨大戦を行える」といった共通点を持つが、どういう訳か「番外戦士ではなく追加戦士として扱われる」という最大の相違点も持ち合わせている。
ニンジャマン→ガンマジン
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