ガンマガンマ ドンドコガンマ
CV:神谷明
スーツアクター:横山一敏
解説
第37話で初登場。
人間とも機械とも異なる、謎多き正義の魔神。本作における番外戦士に相当する。
6億年以上も前の超古代から存在し、リキによれば過去に一度だけ現れたとされる。後述の伝説の鍵に施されている超力のマークを模した意匠から、あるいは超古代文明とも何らかの関わりがあるとも考えられるが、この点については作中では最後まで触れられることはなかった。
人面を模した石像としての姿「神面モード」と、真の姿である人型の「魔人モード」の2つの姿を持ち、鍵の所有者―即ちガンマジンの主となるべき者の前に前者の姿で現れると、神面の額の鍵穴に金色の「伝説の鍵」を差し込ませ、記事冒頭にも示した呪文を唱えながら(※)これを回させることで、魔神としての姿を現し願い事を一つだけ叶える。
主と認められるには特定の条件があるようだが、作中においてその辺りが明確に示されたことはない。他方で最終回での別れ際の台詞から、ガンマジンが「夢と希望を叶える」存在で、「本当に困った人」に鍵を使って欲しいという意思を持っている事が明示されており、少なくともこの2点については関係があると考えて差し支えはないだろう。また作中では子供が主に選ばれることが多いが、これも子供が夢と希望に溢れた存在であるが故、と解釈できなくもない。
(※ 唯一とも言える例外として、最終回で窮地に陥った三浦参謀長の前に現れた際、鍵を手にした三浦は呪文を唱えることなく魔人モードへと変形させている)
性格
正義感が強く、心優しき性格の持ち主であり、「~でござる」という語尾や「拙者」という一人称を多用する等、どこか大時代な振舞いも目立つ。
その一方、願い事に関しては頑固にして融通の利かない節があり、一度願い事を了承したが最後、それを叶えるまでは手段を選ばず、また取り消しや変更も一切受けつけない。その時その時の周囲の状況にも一切影響されないため、悪気はないにせよ場を引っかき回して事態をややこしくするケースもまま見られる。こうした性質から、オーレンジャーと共闘することもあれば敵対する場合もある他、オーレンジャーに協力しても必ずしも役に立つ訳ではないという、一寸変わったポジションとなっている。
例外として、願い事を叶える途中で鍵の所有者が変わると、それまでの願い事がキャンセルされて新しい主の願い事が優先される。また前述した正義感の強さ故に、人を傷つけたりするような願い事や、世界征服などのように楽しくないと判断した願い事は突っぱねられることもあり、さらに主が嘘をついて騙した場合、その主にキツいお仕置きを与える。
さらにバラミクロンの攻勢から最終話までの時間軸にして半年もの間、伝説の鍵が飛んで来なかったために全く姿を見せなかった。
あの時もし彼の加勢があれば、戦況は変わっていたであろう。
意外な弱点として、妖怪や幽霊の類が極端に苦手という一面があり、OVではオンブオバケの発したエクトプラズムに反応して、神面モードへと文字通り縮み上がった末、恐怖に震えながらどこともなく飛び去ってしまったこともある。
能力
ここまでに述べてきた通りとかく謎の多い存在ではあるが、その実力は折紙付きであり、目からは破壊光線、指からは物体を修復する光線を出すことができる他、戦闘では大剣「マジンサーベル」を振るって無類の強さを発揮、「マジン一刀流奥義」と呼ばれる様々な剣技も使える。作中で披露したのは次の通り。
- 一の太刀:刀身から放つ電撃で相手を感電させる。裕司を捕まえる際に使用
- 二の太刀:刀身より、建物の天井に大穴を開ける破壊ビームを発射
- 三の太刀:剣先より高熱弾を連続発射する
- 四の太刀:刀身からキングピラミッダーをも宙に浮かせるほどの反重力光線を放射
- 五の太刀:剣先より放電し、相手の動きを封じる
- 六の太刀:相手を縦一閃に両断する必殺の剣技。バラガードへの決まり手となった
- 七の太刀:刀身から光の刃を伸ばして物体を破壊。バラノイアの宮殿の分厚い壁をこれで切開し、オーブロッカーとレッドパンチャーを救い出した
この他にも、オーピンクこと桃が主となった際には、彼女との連携技である「アツアツホットスパーク」を披露、カイザーブルドントとマルチーワの「ラブラブペアアタック」を打ち破ってみせた。
神面モードでの顔面に相当するパーツは、魔人モードではマントのように自在に変形し、これで物体を覆い隠して姿を消失させる「マント隠し」と呼ばれる技も有する。さらに魔神モードでは身体の大きさも任意に変える事が出来、オーレンジャーの巨大ロボと同等のサイズに巨大化して共闘した事もある。
結末とその後
最終回でオーレンジャーを助け、バラノイアが壊滅したのを見届けた後、ガンマジンはカイザーブルドント夫妻の遺児であるブルドントJr.を引き取り、立派に育てることをオーレンジャーたちに約束。同じく生き残っていたアチャ・コチャと共に地球より去っていった。
また最終回のエンディングは、波打ち際に転がる伝説の鍵のカットで締め括られたが、これは最終回の演出を手掛けた長石多可男の、「ガンマジンの鍵を後世に残す」というラストシーンの構想を汲んだものであることを、当時助監督として参加していた深作健太が後に証言している。
これ以降、ガンマジンがOVなどの派生作品や、後年制作されたスーパー戦隊シリーズのクロスオーバー作品に登場することはなく、2023年現在もその行方は杳として知れない。『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)制作時、同作の脚本を手掛けた荒川稔久はガンマジンについて「レジェンド大戦時の巨大戦にはいたかもしれないがあいつは気まぐれなので分からない」と、参戦の有無について言葉を濁している。メタ的なことを言えば、この時点でスーツが劣化のため現存しておらず、残っていれば出していたという旨を、同作演出陣の一人である竹本昇が明らかにしている。
仮に参戦できたとしても、レジェンド大戦に参戦している殉職戦士らを目の当たりにして幽霊だと思い込んで恐怖のあまり戦意喪失してしまいそうな気がするが……。
関連タグ
轟轟戦隊ボウケンジャー:同作のミニコーナー「30戦隊大全集スペシャルファイル」にて、番外ヒーローという括りで紹介された
オルメカ文明:紀元前のメキシコ湾岸に存在した古代文明の一つ。彼らが遺した「巨石人頭像」がガンマジンのモチーフの一つとされる
グリッドマン:『電光超人グリッドマン』や『SSSS.GRIDMAN』、および後者の派生展開に登場するヒーローの一人。ガンマジンと同様に「謎多き人知を超えた存在」であり、他に「大きさを自由自在に縮小可能」「ありとあらゆる物を復元できる光線を使える」「人間でも機械でもない」「主人の命令に忠実」「律儀だが生真面目すぎて融通が利かない」など、多数の共通項を有する
ゴールドプラチナム:『ブルースワット』の登場人物の一人。ガンマジンと似たような立ち位置のキャラである
大神龍:『五星戦隊ダイレンジャー』に登場する巨大戦力の一つ。似たような立ち位置のキャラその2
ゴーレム:『轟轟戦隊ボウケンジャー』に登場する敵怪人の一体。デザインモチーフとしてガンマジンが採用されている。
オメーガ∶『宇宙戦隊キュウレンジャー』に登場する敵怪人の一体で、ガンマジンと同じく巨石人頭像がモチーフ。